ミステリー 心理描写 小説一覧

8件
1

復讐の女神

普通の主婦が、夫と親友に裏切られて、親友を傷つけてしまう。 そこから人生の転落が始まり、自分の子供までを巻き込んでいく。 復讐の女神と化した女の末路は一体どうなっていくのか。 裏切りと復讐、そして親子の愛憎を描く、ドロドロ系のヒューマンドラマです。 ※殺害、死傷、心理的虐待の表現があります。苦手な方はご注意下さい。
2

朧月の事件簿 ― 月は何も言わない

骨董品の鑑賞会が行われる旧家・西園寺邸。 結婚詐欺師として生きてきた大塚祐介は、かつての因縁を持つ骨董品詐欺師の田辺に同行し、その場に立ち会う。 祐介はテクニックがすごい詐欺師でもない。ただ、芸能人並みに顔がいい。祐介は騙しはしない。 屋敷には人が揃っている。 だが、確認されない異変が積み重なり、やがて使用人の一人が倒れているのが見つかる。 誰も騒がない。 誰も確かめない。 警察も呼ばれない。 祐介は語らず、判断せず、ただ配置と沈黙を見続ける。 言葉にされない違和感と、確定を避け続ける人間たちの選択が、静かに事件の輪郭を浮かび上がらせていく。 これは、真実を暴く物語ではない。 「なぜ、誰も確定しなかったのか」を描く、沈黙のミステリー。
3

ピンの向こう側

ボウリング場には,匂いがある。 レーンオイルの無機質な香気と,冷房の循環する空気と,何百人もの人間が持ち込んだ生活の気配が混じり合った,あの独特の匂いだ。 その匂いの中で,今日も誰かがボールを手に取り,レーンに向かい,何かを手放す。 第一話「レーンの匂い」——貸靴係の桐島志穂は,指輪の日焼け跡だけを残した女性の手に気づく。 記録のない十二番レーン,戻らなかったシューズ,誰かの手のかたちに穿たれた指穴。 存在しないはずの人間の痕跡が,ボウリング場のあちこちに残されている。 生のにおいの中に,終わりの気配が漂っていた。 第二話「指のかたち」——週三回,同じレーンに通い続ける那須川澪は,左利きという孤独の中で,隣のレーンの男の音の変化を聞き取る。 崩れていく投球フォーム,財布の中に重なった神経内科の診察券,使い込まれた手袋の指先の擦り切れ方。 感覚が失われていくとき,人はそれでもボールを握り続けるのか。 澪は自分の手の甲に浮く血管を確認しながら,その問いの答えを探す。 第三話「ピンの立つ場所」——夫が死んで初めて,田中真依子はボウリング場の扉を開ける。 三年間,一度も語らなかった夫の秘密の時間が,ロッカーの中に残されていた。 スコアが下がり続けた手帳,擦り切れた手袋の指先,そして最後のページに残されたたった三文字。 真依子は,夫がなぜここへ通い続けたのかを,ボールを転がした瞬間に,静かに理解する。 三つの話は,独立している。 しかし同じ場所で,同じ匂いの中で起きた出来事として,互いに静かに呼応している。 指穴に肉が吸い付く感触,シューズの底が湿ったフロアを擦る音,重いボールを支える細い手首に浮かぶ青い血管——身体の質感に潜む謎を,透明な文体で描いた,静謐なオムニバスミステリー。 倒れても,また整然と立ち並ぶピンを,人はなぜ見に来るのか。 その問いだけが,三話を貫く一本の糸として,最後まで張り詰めている。
4

【完結】最愛なる私の親友に「とびきりの天国」を

ーーゆうちゃんはね。 ーー精霊で、天使で、神様なの。 私、朱宮みおには、大切な親友がいる。 夕枯白亜(ゆうがれ・はくあ) ゆうちゃん。 誰よりも賢くて。 誰よりも優しくて。 誰よりも綺麗で。 そして、誰よりも正しい人。 だから私は、ずっと信じていた。 ゆうちゃんは特別な存在なのだと。 私とは違う。 私なんかとは比べものにならないくらい、美しくて、尊い存在なのだと。 だから私は、ゆうちゃんの隣を歩きたかった。 同じ景色を見て。 同じ時間を過ごして。 同じ場所で笑いたかった。 ただ、それだけだった。 けれど、人は成長する。 私も成長した。 成長すればするほど、自分という存在が見えてくる。 私は綺麗じゃなかった。 優しくもなかった。 正しくもなかった。 そして何より――穢れていた。 どれだけ手を洗っても。 どれだけ祈っても。 どれだけ善良に生きようとしても。 消えないものが、この身体の中に残り続けている。 穢れは決して、浄化されない。 それでも。 それでも私は、ゆうちゃんの隣に立ちたかった。 だから、決めたの。 全部、綺麗にしてしまおうって。 全部、燃やしてしまおうって。 そうすればきっと。 私は本当の意味で、 ゆうちゃんの親友になれるから。 だから、決めたの。 私は、今日、身を清めることを。
5

サイコとおおかみ -エリート刑事は殺人鬼?-

主人公・大上史狼は、警視庁の刑事・最上辰彦と取引をして同居生活を始める。その取引とは--史狼の特殊能力を使って最上に協力することだ。史狼は他者に触れることで、相手の感情がわかる能力を持っていた。ところが最上の感情だけがわからない。この男は感情のないサイコパスなのか--史狼は疑惑を抱きながらも、失踪した密売人の行方を探し、シリアルキラーの策略に立ち向かう。ところがある日、最上の壮絶な過去を知り--?! 最上の命を狙うのは誰か? 誰が味方で誰が敵なのか? 自分の能力を呪っていた史狼だが、その能力を駆使しながら、過去と今の事件を暴く。 サイコ疑惑のイケメン刑事 × 一匹狼青年のバディ・サスペンス物語。 アルファポリス「第9回ホラー・ミステリー小説大賞」奨励賞を受賞しました。 本作は「小説家になろう」にも掲載しています。
6

琥珀色の星空

宗教法人を巡る不透明な資金の流れ。 寄付、土地取得、政治との距離―― 表向きは清廉に見える教団の内側で、 帳簿に残らない数字が静かに積み上がっていく。 刑事・瑠惺は、ある経理担当者の証言をきっかけに、 教団と周辺人物の関係を追い始める。 だが調査を進めるほど、 事件は「違法かどうか」ではなく、 「なぜ沈黙が選ばれてきたのか」という問いへと姿を変えていく。 誰が嘘をついているのか。 誰が何も語らないのか。 そして、記録されなかった事実とは何なのか。 これは、 正義が声を失っていく過程を描いた物語であり、 沈黙がどのように作られるのかを追うミステリである。
7

事故を起こさせない探偵 ―元刑事・天川の未来視事件録

事故は、予測できる。 だが――仕組まれた事故だけは、止められなかった。 過去、未来の断片が視えてしまう刑事・天川。 彼の前に現れる事故は、いつも「偶然」を装って起きる。 だが次第に、そこには“人為的な配置”の匂いが混じり始める。 事故を起こさせる組織。 合理性の名のもとに、犠牲を正当化する思想。 そして、判断を下すことで世界を守ってきた敵組織。 天川は知ってしまう。 この戦いは「悪を倒す物語」ではない。 正しさが人を壊す構造そのものとの対峙なのだと。 刑事として、未来視の能力者として、 天川は“倒さない選択”を選ぶ。 人を裁かず、告発せず、殉教者も生まない―― 象徴そのものを成立不能にする、静かな反撃。 事故は起きなくなる。 だが、犠牲が帳消しになることはない。 これは、 未来を見る力を持った男が、 未来に頼らず生きることを選ぶまでの物語。
8

牙を突き立てられても、血の跡で物語は続く〜찢어진 자리에서 다시 쓰다〜

物語を書くことが好きな子供だった私は、辛い時期を過ごすたびに物語を作り出していた。 글쓰기를 좋아하던 아이였던 나는 힘든 시간을 보낼 때마다 이야기를 만들어냈다. そして物語の中には、いつも私に話しかけてくれる周りの人たちがいた。 그리고 이야기 속에서는 언제나 나에게 말을 걸어주는 주변인들이 있었다. 歳月が流れ、四十路を目前に控えた私は、想像の中で出会った新しい女性に興味を覚える。 세월이 흐르고 40대를 목전에 둔 나는, 상상 속에서 마주친 새로운 여성에게 흥미를 느낀다. 歳月に鈍ったと思っていた傷が再び割れ、そこから芽生えた好奇心が、どこまで続くのか分からないまま、 세월에 무뎌졌다고 믿었던 상처가 다시 벌어지고, 거기서 돋아난 호기심이 어디까지 이어질지 모르는 채, 20年ぶりに、想像の中の彼女と対話を続けていく。 20년 만에 상상 속 그녀와 대화를 이어간다. 出身も、背景も、年齢も——もしかしたら誰でもあり得た彼女が吐き出す言葉は、一本の牙となって、まるで私を見つめていた見知らぬ瞳のように、私の肉を食い破ってくる。 출신도, 배경도, 나이도 전부 어쩌면 누구나 될 수 있었던 그녀가 내뱉는 말은 하나의 송곳니가 되어, 마치 나를 지켜보던 낯선 눈처럼 내 살을 물어뜯는다. 癒えないまま流れ落ちていく対話の血の跡が、ひとつ、またひとつとつながり、深く刻まれていくほどに、想像の中の彼女は現実の中にその輪郭を現していく。 아물지 못한 채 흘러내리는 대화의 핏자국들이 하나둘 이어져 흔적을 남길수록, 상상 속 그녀는 현실에서 윤곽을 드러낸다. 最後には、果たして誰の物語になるのか、私も彼女も、互いに知る由もなかった。 마지막에는 과연 누구의 이야기가 될지, 나도 그녀도 서로 알지 못했다. ただ、乾くことのないその跡だけが、いつか一つの文字《モノガタリ》になるだろうという予感があった。 다만 마르지 않는 그 흔적만이, 결국엔 하나의 글이 되리라는 것을 예감할 뿐이었다.
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