残酷描写あり(一部)小説一覧
4
件
呪術師たちが住まう森には、主という存在が立てられていた。
主が持っていた一冊の書。そこには、精霊の力を得る方法と、数百年生きる男の存在が書き記されていた。
その男は、心臓に宿し力を持った者……宿した力は『精霊』の力だ。
その存在に気づいた時、医術に呪術を組み合わせて病を治すという『呪術医』が、大きな権力者となっていた。
人々の命と、呪術医を集約するかのように建った『塔』
塔に属さない呪術医の弾圧が始まり、死者が増えて行く。
その塔の主は、書物に記されていた男だった。
『望む事、全て、思いのままに』
主が書き込んだその一文が、主の死後、呪いのように動き出し始めた。
そして、精霊を宿す『宿』が現れる。
呪術師たちの力を奪うように、後継者である行嘉貴桐の前に塔の主、来贅が現れ、『主』対『主』の闘いが始まる。
望む事、全て、思いのままに……その力を手にするのは『選ばれた者』だけ。
だが、その言葉の始まりには、深い思いが込められていた。
『僕の事を知ってはいけない』クライマックスに重ねる為の、主人公違いの過去編であり、並走する物語です。
文字数 233,081
最終更新日 2021.10.11
登録日 2021.06.08
あの夏の話だ。
「眉目秀麗、頭脳明晰、職業はモデル、そんな誰もが憧れる27歳の男」の本性は、『バケモノ』だったと、日本列島全土はおろか、海外にまで報道され、テレビをつければ男の美しい笑顔と彼が15年間に及んで続けた所業を、放送可能な限りグロテスクに、必要以上におどろおどろしいBGMと共に垂れ流す番組ばかりが放送されていた。
出版業界でも似たような現象が当然起こっており、その男の名前や顔写真を表紙に載せるだけで売り上げは上がり、裁判が終わると様々な出版社から様々な読本が出版された。
しかし、それらに対して、
「上辺だけをなぞっている」、「彼を自分たちとは違う『バケモノ』という異物として扱っている」、「グロテスクな犯行にばかり注目して、事件の本筋を全く追えていない」と物申す人物がいた。
それが、当連載の筆者、新進気鋭のノンフィクション作家・秋坂要一氏である。
我々サリアル・メディアは、担当編集と共に秋坂氏と膝をつき合わせ、結果、当サイト「サリアル・オンライン」にて秋坂氏に「誰もが憧れる27歳の男」と一連の事件についての連載をスタートさせることとなった。
【月代慎哉(つきしろ・しんや)】
日本犯罪史上初の連続猟奇殺人犯を、『バケモノ』ではなく我々と同じひとりの人間として紐解いていく新連載「赤むらさきの森で待つ」、乞うご期待!
文字数 4,262
最終更新日 2022.02.24
登録日 2022.02.24
4
件