籠城 小説一覧

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終末まであと6時間。私は娘を保育園に迎えに行き、スーパーを買い占め、自衛官の夫が守る街へ家族四人で辿り着いた

ゾンビに噛まれて死んだ私は、終末の日の朝に戻っていた。 会社へ向かうエレベーターの中。スマホの表示は、4月12日、9時01分。 世界が壊れはじめるのは15時。残りは、6時間しかない。 前の時、義母と弟と4歳の娘は、最初の何日かでいなくなった。 次の階で降りて、電話を四本かける。 保育園には「今から迎えに行きます」。義母には米と油を、卒論を抱えた弟にはスコップと野菜の種を頼んだ。自分はネットスーパーを三店に分けて注文し、カートが3台になるまで売り場を回る。 演習中で連絡のつかない自衛官の夫には、メッセージを一通だけ。 「必ず探しに来て」 15時。終末は、1分も遅れずに来た。 タワーマンションの28階で、私と娘、義母、弟の四人は扉を閉ざす。 電気が止まり、水が止まる。壁の向こうからは、隣の部屋の物音が聞こえてくる。 夫からの返信はない。既読さえつかない。 前世で見た2年分の記憶と、6時間で買い集めた箱の山。 それを使い切ってでも、今度はこの四人を一人も欠けさせない。 迎えが来なければ、こちらから行く。あの人が守っている街まで。 この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
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氷点下の終末が来ると知っていたので、私を凍死させた恋人と親友の分の布団は全部捨てておいた

9月7日の夜、恋人と親友に部屋を締め出された。 外の気温は−50度。スマホも靴も、ドアの内側だった。 目を開けると、真夏の8月18日。あの夜まで、20日ある。 二人は後回し。先に、雪だ。 会社を辞め、恋人には「実家を売って新居を」と笑ってみせて、猫のおこげと山の麓の両親の家へ向かう。 地下室の奥には、父が残した旧海軍の地下壕。真夏でも15度しかない。 薪2トンと木炭200kg、米60kg、水は200箱。通気口の管は、雪に埋まらない長さまで延ばした。 もう一つ。あの部屋の冬布団と毛布とダウン、米と缶詰も、全部業者に引き取ってもらった。 冷蔵庫には炭酸水と缶ビールだけ。 真夏に、冬物のしまい場所を確かめる人はいない。 天気予報は、最高気温35度。雪まで、あと一週間。 全10話。
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要塞少女

蛮族に包囲され孤立した城を守り抜いた指揮官は、十四歳の少女であった。  三国時代を統一によって終わらせた西晋王朝の末期。  かつて南中と呼ばれた寧州で、蛮族の反乱によって孤立した州城。今は国中が内紛の只中にあり援軍も望めない。絶体絶命と思われた城を救ったのは、名将である父から兵法・武芸を学んだ弱冠十四歳の少女・李秀であった……。  かの『三國志』で、劉備たちが治めた蜀の地。そんな蜀漢が滅びた後、蜀がどんな歴史を辿ったのか。  東晋時代に編纂された史書『華陽國志』(巴蜀の地方史)に記された史実を元にした伝奇フィクションです。
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獅子令嬢と小指伯爵のレコンキスタ ~婚約破棄から始まる、秘密を共有した二人の再征服(レコンキスタ)~

 シアリーズ大陸。  かつて、聖王[マニュス]によって忌まわしき[火の民]が追放され、諸族の統一が成された世界。  その治世で人々は繁栄を謳歌したが、しかし、時が経つと諸族は再び分裂し、かつてのように群雄割拠となっていた。  時は流れ、太陽暦千百九十六年の春。  隣り合う二つの国、ゴロワ王国とソラーナ王国との間で、ひとつの婚姻が執り行われようとしていた。  いわゆる、政略結婚。  両国の同盟関係をより強固にするため、それぞれの国王の命令によって二つの伯爵家が結ばれることとなった。  ゴロワ王国のジルベール伯爵家と、ソラーナ王国のリンセ伯爵家。  互いに王に仕える臣下の身。  この話を断ることなどできるはずもなく、約束の期日通りに婚姻は遂行されなければならない。  そうして嫁ぐこととなったのは、ジルベール伯爵家令嬢・リアーヌ。  物心ついた時にはすでに、この婚姻は決まっていた。  自分の手には届かないところで定められた、運命のようなもの。  だが、それに逆らうことなく、その中でできるだけ大きな自身の幸福を見つけようと決めていた彼女は、懐かしい家族や人々に見送られて故郷を旅立った。  これから、いったいどんな暮らしが待っているのか……。  期待と不安を胸に、二つの王国の国境を形作るパルヌー山脈を越えた彼女を待ち受けていたのは、自身の夫となるはずのリンセ伯爵・エリアスだった。 「君との婚約を、……破棄したい」  そこで告げられたのは、そんな言葉。  その時から、伯爵令嬢・リアーヌと、小指伯爵・エリアスの、波乱の物語が始まる———。   ──────────────────────────────────────── ※本作は、小説投稿サイト[カクヨム]からの転載作品です  2025年のコンテストに応募し、中間選考に残ったものを、小説家になろう・アルファポリスにそのまま移植したものとなります  金・土・日の週三日の日程で投稿していきます  お楽しみいただけますと幸いです  (*- -)(*_ _)ペコリ
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