「サックス」の検索結果
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~あれから二十年…時は流れても、お婆ちゃんの心にはいつまでも生きている~
《あらすじ》
老人介護施設に入居してきた麻子は、サックスブルーの長い手編みのマフラーをぐるぐると首に巻いていた。
何とか麻子から取り上げようとするが、麻子は強く拒否して離さない。
それは亡くなった孫の形見の品だった。
*表紙はpicrewあまあま男子メーカー、背景は悦さんのフリー素材「沈丁花」を使用させていただきました。
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沈丁花サイドストーリー
沈丁花から20年近く時が経った頃の、蒼葉くんのことを一番理解していたお婆ちゃんの物語です。
文字数 6,610
最終更新日 2020.11.21
登録日 2020.11.18
かつて私は音楽家でした。
作詞・作曲をし、自らギターを弾き、ベースを弾き、ドラムを演奏してコーラスを重ねました。曲によってはキーボードを叩き、ピアノでバッキングを刻んだり。扱える楽器が少なかったから、さながら4ピースのロックバンドのような編成で。
今の私はJazzを愛し、クラシックを聴きます。そして、ここで発信できるのは言葉だけです。でも、ほんとうの意味では言葉だけではない。ここで私は実際的には吹けもしないテナーサックスをスタン・ゲッツのように奇跡的に吹くし、ビックス・バイダーベックのように慎ましくコルネットを演奏するし、ときにはビル・エヴァンス・トリオのワルツ・フォー・デビーを無邪気に真似たりもするでしょう。
この場所で私は大編成のオーケストラであり指揮者であり、あるいは孤立無援のストリート・アコギ弾きであるかも知れません。
確かに、ここで発信できるのは言葉だけです。でも、読んでくれたあなたの中には幸福な音楽が溢れるかも知れません、もしかしたら。そうであればいいなと願います。ここに連ねるすべての曲たちには、実はきちんと「音」があります。キーがあり、コード進行があり、転調があり、アンサンブルがあります。そしてlyricが乗るメロディがある…。それを私は伝えることができない。でも、あなたの中にあなただけの「音楽」を紡ぎ出してくれることを少しだけ望みます。
演奏をしなくなった私は今でも音楽家です。
(こちらのコンテンツにつきましては、横読みをおすすめいたします。)
文字数 6,045
最終更新日 2022.08.31
登録日 2019.12.17