

拾ったのが本当に猫かは疑わしい3
彼氏に振られた帰り道、喋る猫(?)のモドキを拾った薫。モドキがきっかけで薫は、猫好きな隣人、柏木と交際して結婚し、娘の理歩が生まれたのだった。理歩の保育園が始まり、仕事に復帰することになった薫。仕事と育児の両立はてんやわんやで、まるで戦場……! しかし、そんな中でもモドキは落ち着いて、理歩のお世話をこなす。そして、一歳になった理歩はモドキ大好きに成長して、毎日もふもふを求めて大騒ぎ!? オヤジ臭い猫(?)との、ちょっぴり笑えて心温まるもふゆるストーリー、第三弾。
帝都六家の隠し姫
かりそめの花嫁は氷の子爵に囲われる
帝都の片隅で、母娘つましく暮らしていた美緒。しかし母の死を機に、父の借金のかたとして売り飛ばされてしまう。そんな彼女を救ったのは、南条蒼真。彼は、帝都を魔性から守る六家のひとつ――名家南条家の当主であった。美緒の亡き母も六家の生まれであり、美緒もまた特別な血筋なのだという。蒼真は美緒の血統を理由に、婚約をもちかける。恩に報いるべく受け入れた美緒だったが、ともに過ごすうちに互いに惹かれ合っていき……? 薄幸の少女と愛を知らない青年の大正恋愛奇譚。
こちら大阪ねこ神社
神様の使いはじめます
大阪こなもん市には、なんでも願いを叶えてくれる猫神社がある――大好きな祖母の弥生を亡くしてしまった香澄の前に、ある日弥生の遺言書を持った男が現れる。その遺言書の内容は、香澄が今住んでいる喫茶レインボウを譲るというものだった。店を守りたい香澄は、亡くなった弥生にもう一度会うために猫神社を訪れる。しかしそこにいたのは……人語を喋る、ふてぶてしい猫宮司!? どうやら神社への信仰を取り戻すことができれば願いを叶えられるようで、なぜか香澄もその手伝いをすることになり――
贄嫁と白蛇の恋紡ぎ
閉ざされた村に生きる、病弱な娘・初穂。常に引け目を感じ、生きることを諦めていた彼女に下されたのは、村を襲う災いを鎮めるため、山の大蛇への生贄となる運命だった。しかし、待っていたのは、恐ろしき大蛇ではなく、彼女を花嫁として迎え、惜しみない愛情を注ぐ美しき青年・玖澄。戸惑いながらも、彼の優しさに触れ、心を通わせていく。だが、その懐には、父から託された「大蛇を討て」という、重い使命を秘めた短刀が隠されていて……? これは、絶望の淵から愛によって希望を見出すまでの和風シンデレラストーリー。
星のない夜を君は見つめている
不安定な母に縛られ、窮屈な高校生活を送る森岡瑞希。二年生に進級し、クラスで独特の雰囲気を持つ少女・榊ゆらと出会う。人に言えない苦しみを抱える二人は惹かれ合うが、ゆらは「わたし、十八歳までに死ななきゃいけないんだ」と瑞希を突き放す。自らも親との確執を抱えるため、ゆらに手を伸ばすことを躊躇う瑞希だったが、ゆらの命の期限を目前にして――? 家族と過去に囚われ、生きづらい二人が辿り着く特別な関係とは。気怠げボーイ・ミーツ・ガール。
この世界から消える前に、君の声が聞きたかった
声を出せないふりをしている女子高生、凪はある日突然クラスの人気者、戸張から声をかけられる。最初は不審に思っていたものの、次第に打ち解けた二人は「卒業までにやりたいこと」を達成しようと約束する。しかし、卒業間際のある日、突如戸張が海外に転校してしまう。数年後、大学生になった凪は毎年彼から一通ずつ届く手紙を頼りに生きていたが、当時の同級生との再会を機に、衝撃の真実を知ることになり──
後宮の秘薬師
~月影の呪いと赤珊瑚の簪~
「――死人に口なし」後宮の深い闇を覆う言葉。下級宮女として働く楊鈴は、薬草の知識だけが頼りの、どこにでもいる娘……のはずだった。だが、とあるきっかけから中級妃の侍女となり一変する。奇妙な幽霊騒動、毒殺未遂に巻き込まれた挙句、「開けるべからず」の箱から現れたのは、謎の死を遂げた寵妃・李沙妃の赤珊瑚の簪。封印された過去を暴くべく、楊鈴は後宮の闇に挑むことに。果たして彼女は沈黙を破り、真実を掴み取れるのか? 禁断の秘密を鮮やかに解き明かす、薬師×中華ファンタジー開幕!
中町通りのアトリエ書房
水彩絵師と不器用小説家、世話焼き白うさぎ
装丁画家になるという夢を持って上京した絵莉は、現実の過酷さに心を折られ、故郷・長野に戻ってきた。そこで祖父の代から営む「兎ノ書房」を手伝いつつ、ゆっくりと自分を見つめ直そうとしたのだが……待っていたのは喋る白うさぎのお雪さん。そして、訳あり常連客・小学生のとわと無口な小説家の一色だった。同じように心にわだかまりを持つとわと一色との交流から、絵莉の悩みも次第に解決の糸口を見せ始める。そんなある日、絵莉は一色に自分の小説の装丁画を描いてほしいと頼まれ――!?
灰色の世界で、もう一度君と恋をする
中学生の頃、所属していたバスケ部で才能の差を目の当たりにした夕映は、夢を追う熱を失い色褪せた日々を過ごしていた。そんなある日、かつてお互いの夢を叶える約束を交わした直哉と再会する。「会いたくなかった。今の私を知られたくなかった……」現実から目を背け、逃げ続ける夕映だったが、過去そして直哉と向き合うことで閉ざした世界が色づき始めて……悩み、葛藤する高校生たちの、ほろ苦くもピュアな青春ラブストーリー!
大嫌いな雨と大嫌いな君の、隣。
過去のトラウマから、雨が大嫌いな高校二年生の西條和紗。しかし、一緒に捨て猫を助けたことをきっかけに、同じクラスの圧倒的光属性一軍男子・佐尾悠飛に声をかけられるようになった。雨が降るとなぜか必ず「途中まで入れてって」と言ってくる彼が苦手だったけれど、何度拒絶しても優しく接してくれる彼に少しずつ惹かれていって……。雨の日と相合い傘が結ぶ、正反対の二人の切ない青春恋愛ストーリー!
田楽屋のぶの店先日記
~深川人情事件帖~
深川中島町で小さな田楽屋を営むのぶ。ある日、夫・晃之進がふっくらほっぺの幼子・朔太郎を連れてきた。「ぶれいであろう」と殿様のような話し方の朔太郎は、いつしか『殿ちびちゃん』と呼ばれ常連たちからも可愛がられるように。けれど、この子は一体何者? とその出自にのぶは戸惑いつつも、「かかさま!」となついてくる朔太郎の愛らしさに惹かれ、いつしか本当の親子のようになっていく。だが、穏やかな日々は思わぬ方向へ転がり始めて――? 涙と温もりに満ちた下町人情物語。
金鼎国後宮の華妃
追放仙女と呪われた皇子
青い瞳と獣操の異能を持つため、忌み子と虐げられてきた過去を持つ燐。仙郷の仙女見習いとなり、人生初の幸せを満喫していたはずが、才能不足で仙郷を追放されてしまい!? 再び仙郷に戻るために試練を与えられた燐は、金鼎国の後宮にあるという仙女の指輪を探し始める。折しも後宮では、太子・紫貴の妃候補――華妃の選定を巡り不穏な事件が続いていた。うっかり紫貴に異能を知られてしまった燐は、後宮のどこかにある指輪と引き換えに、彼に協力して事件を調べることになり……?
軍神の許嫁
虐げられた姫巫女は運命の愛を知る
呪われた巫女として一族から忌避され、黒い仮面をつけさせられた「無」と呼ばれる少女。ある時、彼女は義母と義妹から辛い仕打ちを受け、夜の湖にその身を寄せる。舞をひとり練習する無の前に、軍服をまとった一人の青年が姿を現す。無は、彼が舌に自分と同じ呪印を持つことに驚くが、青年は無の舞を見終わると彼女に桧扇を渡してその場を去ってしまう。翌日、村に帝都から将校であり、一流の退魔師でもある東極一希が訪れる。彼は昨晩、無が出会った人物とわかり……!?
後宮の隠れ薬師は闇夜を照らす
後宮で明かりの管理をする司燈という職に就いている翠鈴には、ある目的があった。それは過去に姉を死に追いやった元婚約者を捜すこと。その男が今は宦官として後宮にいると聞き、翠鈴は年齢を誤魔化して後宮に潜り込んだのだ。だが、それ以上の手がかりがなかなか掴めず、悶々とした日々を過ごすのみ――。そんなある日、幼い公主が毒に苦しむという事件が起こる。薬師の村で培った薬草の知識で公主を助けた翠鈴は、それを機に光柳という美しい宦官と深く関わることになり……?
明日、死にたがりの君が夏空に消えても
家にも学校にも居場所のないミアは、人生を終わらせるためにビルの屋上にやってきた。飛び降りようとフェンスに手をかけたとき、渉という青年に呼び止められる。高校には通わず屋上で小説を書いているという渉に誘われ、屋上通いをはじめたミア。息苦しい日々は続くものの、渉と過ごす時間に居心地のよさを感じはじめていた。しかし、死にたがりのミアを止める渉は、悲しい秘密を抱えていて――。傷だらけの二人の結末に感動!
この命が消えたとしても、きみの笑顔は忘れない
母を亡くし、親戚の家で暮らす高校生の奈央。友達もおらず、家族とも険悪で、なんとなく死 んでもいいと思って毎日を過ごしていた。しかしある日、そんな奈央の写真を撮らせてほしい とクラスメイトの春輝が言い出した。どうしてそんなことを? 反発した奈央に、彼は「死にたかった自分を救ってしまったのが奈央だから」と言う。いつも明るい彼の持つ事情と、彼の優しさにだんだんと奈央は惹かれていくが、二人を引き裂く事故が起きて――。純粋な想いが引き起こす、透明で哀しい奇跡の物語。
ことりの古民家ごはん
小さな島のはじっこでお店をはじめました
都会に佇む弁当屋で働くことり。家庭環境が原因で、人付き合いが苦手な彼女はある理由から、母の住む島に引っ越した。コバルトブルーの海に浮かぶ自然豊かな地――そこでことりは縁あって古民家を改修し、ごはん屋さんを開くことに。お店の名は『ことりの台所』。青い鳥の看板が目印の、ほっと息をつける家のような場所。そんな理想を叶えようと、ことりは迷いながら進む。父との苦い記憶、母の葛藤、ことりの思い。これは美味しいごはんがそっと背中を押す、温かい再生の物語。
猫神様が恋心預かります
都会の片隅にひっそりと佇む野良神社。そこには小さな猫の神――猫神様が棲んでいる。時に恋の願いを叶え、時に失恋の痛みを取り去ってくれるという猫神様。日々多くの参拝客が訪れるが、猫神様はなかなか手を貸してくれない。願いは自分で叶えるべきものだからだ。ただし、行き場のない恋心を抱えどうしようもなく辛い時、猫神様は恋心を預かってくれる。恋に傷ついた人たちと猫神様が織りなす、あたたかな再出発の物語。
きよのお江戸料理日記6
江戸の料理屋「千川」で料理人として働くきよ。店主の心遣いで潮干狩りを楽しんだ「千川」奉公人一行は、その海産物を使ってまたもや料理の腕比べをすることに。それをきっかけに、今度はれんも新たに料理人を目指して修業をすることになった。才を感じさせる妹弟子の存在に刺激を受けつつ精進を重ねていたある日、ひょんなことからきよとれんとで蓮見客向けの屋台を切り盛りすることになって……
後宮の棘4
行き遅れ姫の受難
「ここが、私の帰ってくるべき場所――」 自国で虐げられ、敵国である湖紅国に嫁いだ行き遅れ皇女・劉翠玉。皇帝の弟であり禁軍将軍でもある男・紅冬隼。政略結婚から始まった二人は、度重なる試練を経て、ついに夫婦として心を通わせるようになった。しかし、大陸の統一を目論む紫瑞国との戦を前に時間はなく……策士と名高い紫瑞国の宰相の裏をかくため、翠玉は冬隼と離れ、連合軍を組む碧相国へと向かうことに。その道中に出会ったのは、冬隼との過去を匂わせる女性に、翠玉への想いを秘める幼馴染。予想外の『過去』が翠玉を揺るがせる頃、冬隼もまた『過去の因縁』と対峙して――? 黒幕に迫る激動の第四弾!
一途に好きなら死ぬって言うな
ひとりでいたい、友達なんていらない。高校生の香澄は、とある出来事をきっかけに人を信じることをやめた。地元を出ることを願い、淡々と日々を過ごす。今日だっていつも通りの一日になるはずだった。変わり者の同級生・鷺山と『例大祭の日にどちらかが死ぬ未来』を見るまでは――。突然の未来予知に動揺する香澄に対し、鷺山は冷静に『香澄を生かすために自分が死ぬ』と宣言する。なぜなら、香澄が好きだからと。意味不明な理由に納得できない香澄は、『借りを作りたくない』と言って未来を変えるべく奔走する。一匹狼の私と、秘密を抱えた君。二人の想いが重なる時――過去と未来、すべてが繋がる、16日間の恋が始まる。
余命わずかな君と一生分の恋をした
深い孤独を抱える高校二年生の白夜は、ある夜、不慮の事故でほとんどの視力を失った少女・瑠唯と出会う。彼女は白夜を初恋の相手『カゲヤマ』と勘違いし、その温もりを求めた。退屈な日々に光を見た白夜は、戸惑いながらも彼女の支えになろうと、嘘をついてカゲヤマを演じることに。瑠唯の無邪気な笑顔に触れ、白夜は失いかけていた感情を取り戻していく。しかし、「カゲヤマ」を演じるほど、瑠唯への想いは募り、嘘をつくことに深く苦悩する。そんな中、白夜は瑠唯が抱えるあまりにも残酷な秘密を知ってしまい―― 儚くも鮮烈な「一瞬」を刻む、涙なくしては読めない純愛ラブストーリー。
桜子さんと書生探偵
明治令嬢謎奇譚
時は明治。胡条財閥の一人娘で、おてんばお嬢様である胡条桜子は、ある日、父から『三人の婚約者候補の中から夫を選ぶ』ように言われる。心優しい幼馴染、色男な良家の子息、真面目実直な軍人さん。個性豊かな婚約者候補。父の言いつけ通り、お見合いを重ねる桜子だが、ある日を境に脅迫文が届き始め、ついに殺人事件にまで発展してしまう。混乱する桜子の前に現れたのは、謎めいた雰囲気の知的な書生さんで……家のため、婚約者を選ばなくてはいけない桜子は、いつしか彼に惹かれていき――。煌びやかな世界の中で繰り広げられる純愛×ミステリイ!第六回ホラー・ミステリー小説大賞受賞作! 堂々刊行!
後宮の偽花妃
国を追われた巫女見習いは宦官になる
月鈴国で巫女見習いとして過ごしていたが、次期豊穣の巫女を侮辱したという謂れのない罪で国を追放されてしまった凛月。皇太后の紹介で隣国・華霞国の宰相に出会い、彼に提案されて欣怡というお飾りの妃として後宮で巫女の力を発揮することに。また、普段は引きこもりの妃として姿を隠すことで、男装して子墨という少年宦官を装って自由を手に入れた。植物の知識を見込まれ、樹医・峰風の助手になった子墨だったが、峰風が第一皇子と親しいせいで皇帝の跡継ぎ争いに巻き込まれ――? 陰謀渦巻く後宮を一人二役で生き抜く少女の中華風後宮ファンタジー、ここに開幕!
後宮の星詠み妃
平安の呪われた姫と宿命の東宮
時は平安。人の凶兆が視える「星詠み」という異能を持つ藤原宵子は、その力のせいで家族から冷遇されていた。そんな宵子はある日、父親に東宮・彰胤への入内が決まったと告げられる。それはただの縁談ではなく、「東宮暗殺」の密命だった。噂では、冷酷で妃候補を追い返してばかりだと聞いていたが、実際の彰胤は真逆の人間。太陽のように優しい彰胤を救いたいけど、父親に認められるためには暗殺を遂行しなければ……板挟みになる宵子をよそに、暗殺計画は着々と進み――
狼神様と生贄の唄巫女
虐げられた盲目の少女は、獣の神に愛される
盲目の忌み子ゆえに、実の姉や村人たちから虐げられてきた少女・すず。北方の地を守護する神への生贄として捧げられることとなった彼女は、雪が降りしきる中、自身の生が終わる瞬間をただ静かに待っていた。やがて現れたのは、大柄で荘厳な印象の美丈夫だった。北の守護神「大神」であるという彼は、生贄など求めていないらしい。拍子抜けするすずに、神の青年はある提案をする。それは、自身の世話係にならないかというもので……薄幸の少女と獣の神が織りなす和風シンデレラストーリー。
後宮の記録女官は真実を記す
名家の娘でありながら縁談や婚姻には興味を持たず、男装の女官として後宮で働く碧燿。後宮の出来事を正しく記録する――それが彼女の仕事だ。ある時、碧燿のもとに一つの事件が舞い込む。貧しい宮女の犯行とされていた窃盗事件であったが、彼女は記録の断片を繋ぎ合わせ、別の真実を見つけ出す。すると、碧燿の活躍を見た皇帝・藍熾より思いも寄らぬ密命が下る。それは、後宮の闇を暴く危険な任務で――?
#消えたい僕は君に150字の愛をあげる
周りの空気を読みすぎて、自分の気持ちをいつも後回しにしてしまう雫は、今日も想いを150字のSNS『Letter』にこっそり投稿する。そんなある日、クラスの人気者・駆から「一緒に物語を作ってほしい」と頼まれる。駆はLetterで開催されるコンテストに応募したいのだと言う。物語の種を探すため、季節や色を探しに出かけることになった二人は次第に惹かれ合い、互いの心の奥底に隠された秘密に触れて……? 誰かになりたくて、なれなかった透明な二人。誰にも言えなかった、本当の想いが初めて溢れ出す――
あやかし嫁取り婚
~龍神の契約妻になりました~
文様を奪い、身に宿す特異な力を持つ世梨は、養家から戻された「いらない子」。世梨を愛してくれる人はおらず、生家では女中同然の扱いを受けていた。そんな彼女の心のよりどころは、愛してくれた亡き祖父が作った着物から奪った文様だけ。ある日、蒐集家だという千後瀧紫水が郷戸家を訪れる。両親が躍起になって媚びる彼は、名家・千後瀧家の当主。――そして、龍神。妻を迎える気はなかったという紫水だが、自分の妻になる代わりに、売り払われた祖父の着物を取り戻すと世梨に持ちかけてきて……? 文様と想いが織りなす和風シンデレラストーリー!
朱華国後宮恋奇譚
偽りの女帝は男装少女を寵愛する
治癒の力を持つ一族に生まれ、『病身の女帝のため』と弟を殺された翠蘭は、彼の仇を討つため男装して弟の名を名乗り、男女逆転した後宮である男後宮に潜入を果たす。しかしその先で、現在の女帝・美帆こと憂炎は訳あって女性のふりをしている男性であること、誰かが女帝の名を騙っていたことを知る翠蘭。真実を探るための隠れ蓑として『女帝のお気に入り』となるが、憂炎は影日向なく翠蘭に優しく接してきて――
独身寮のふるさとごはん
まかないさんの美味しい献立
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。その食堂でまかない担当として働く人見知り女子・有村千影は料理を通して社員と交流を温めていた。ある日、悩みを抱え食事も喉を通らない様子の社員を見かねた千影は、彼の故郷の料理で励まそうと決意する。仕事に追われる社員には、熱々がおいしい愛知の「味噌煮込みうどん」。退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる京都の「聖護院かぶと鯛の煮物」。ふるさとの味が心も体も温める、恋愛×グルメ×人情ストーリー。
鬼の御宿の嫁入り狐2
月喰む雲と忘れじの花嫁
鬼の一族が棲まう「繊月の里」にある旅籠屋・燕屋で暮らす少女、縁。燕屋の次男・琥珀と正式に許婚となった縁は、花嫁修業として仲居の仕事に奮闘する日々を送っていた。その一方で、琥珀のことを意識するあまり、彼とはなかなか進展できずにいた。そんな中、燕屋に「呪い持ち」だという鬼の姫君がやってくる。彼女の身の回りの世話をすることになった琥珀と、その様子を見てヤキモキする縁。すると数日後、琥珀の様子がどこかおかしくなり、なんと縁のことを忘れてしまって――? 異種族の二人が織りなす本格あやかし恋愛ファンタジー、待望の続編!
深夜カフェ・ポラリス
子供の入院に付き添う日々を送るシングルマザーの美和。子供の病気のこと、自分の仕事のこと、厳しい経済状況――立ち向かわないといけないことは沢山あるのに、疲れ果てて動けなくなりそうになる。そんな時、一軒の小さなカフェが彼女をそっと導き入れて――(夜更けのぬくもり)。「夜更けのぬくもり」他4編を収録。先が見えなくて立ち尽くしそうな時、深夜営業の小さなカフェがあなたに静かに寄り添う。夜闇をやさしく照らす珠玉の短編集、待望の文庫化!
シロクマのシロさんと北海道旅行記
受験に失敗し、彼氏にも振られ、思わず家を飛び出した恵。衝動的に姉の居る北海道に向かったのだけれど、姉はまさかの不在。 けれどそこで、大きくてもふもふのシロクマに出会った。シロさんと呼んでいいという。なん だか親しみやすくて、面倒見がいい。ちょっと偉そうだけど、可愛くて許せてしまう。そこから一人と一匹の不思議な北海道旅行が始まった。 味噌ラーメン、夜パフェ、スープカレー。自分の好きなものすら分からなくなるくらい疲れた今日を、ほっと温める優しい時間はいかがですか?
迦国あやかし後宮譚5
迦国の妃では事実上の最高位である「貴妃」となった莉珠。国内外問わず人気も高いまま、雨了とも仲睦まじく、順風満帆な状態で年明けを迎えていた。しかし、新年の参賀のためにやってきた来賓をもてなし帰途の無事を祈る「離れの宴」で、従属国・白琅国の者らしき男が、あやかしを操り莉珠と迦国の公主・青妃を攫って――。全ての因縁が明かされ莉珠と雨了が大団円を引き寄せる最終巻!
拾ったのが本当に猫かは疑わしい2
彼氏に振られた帰り道、喋る猫(?)のモドキを拾った薫。モドキがきっかけで薫は、猫好きな隣人、柏木と交際し、結婚したのだった。穏やかで幸せな毎日を過ごしていたある日、モドキが薫の体に変化が起きていることに気付く。なんと、薫のお腹の中に新しい命が宿っていたのだ。戸惑う薫と柏木に対して、モドキは妊娠・出産・育児についての専門書を読み漁り、ついには子供の名前まで考え始め、薫を徹底サポートすると言い出して――オヤジ臭い猫(?)との、ちょっぴり笑えて心温まるもふゆるストーリー、第二弾。
敵は家康
礫投げが得意な若者・弥七は陰(ほと)と呼ばれる貧しい集落で、夢も希望もなく、地を這うように生きてきた。あるとき、図らずも自らの礫で他人の命を奪ってしまったことで、元盗賊のねずみという男とともに外の世界へ飛び出す。やがて二人は、作事集団の黒鍬衆(くろくわしゅう)の一員として、尾張国の砦造りに関わるようになる。それは弥七にとって、人生で初めての充実した時間だった。だが、尾張を狙う今川義元が領主・織田信長に戦を仕掛けたことで、そんな日々は終わりを告げる。弥七のいた織田領の丸根砦に、大軍が攻めてきたのだ。弥七は織田の兵とともに、戦うことを決意する。しかし、その大軍を率いるのは松平元康、のちの天下人・徳川家康で――。桶狭間の合戦前夜、名もなき青年が戦国の世を駆け抜ける!
深川あやかし屋敷奇譚
大店の放蕩次男坊・仙之助は怪異に目がない変わり者で、深川にある彼の屋敷には、いわく因縁付きの「がらくた」ばかり。呪いも祟りも信じない女中のお凛は、仙之助の酔狂に呆れながらも、あやしげな品々の謎の解明に今日も付き合わされる。――自ら火を出す呪われた振袖。ひとりでに歩き出す市松人形。飼い主の周囲に不幸をもたらす猫。そして、無残に打ち捨てられた遺骸のそばに現れるあやかし・以津真天(いつまで)。これは怪異か、それとも誰かの策謀か。ミステリと怪異が複雑に入り組んだあやかしお江戸ミステリの最高峰、ここに現る!
辻のあやかし斬り夜四郎
呪われ侍事件帖
団子屋の看板娘・たまは、おつかいの帰りに辻斬りの現場に遭遇し、恐怖で気を失ってしまう。目を覚ますと破れ寺で辻斬りの夜四郎に介抱されていた。曰く、彼にかけられた半死半生の呪いを解くためには百八のあやかしを斬らねばならず、辻であやかしを待ち伏せしていたのだと――。実はあやかしを判別する目を持つたまは、夜四郎に頼み込まれ、彼のあやかし探しに協力することになる。 そんな折、たまは団子屋を訪れた客・佐七に生き別れの母捜しを頼まれ、さらには幼い頃に姉のように慕っていた滝も姿を消した旦那を捜していると聞く。二つの人捜しとあやかし探しが交差した時、とある真実が浮かび上がる。あやかし斬り夜四郎と町娘たま の妖怪退治譚、ここに開幕!
砂漠の国の最恐姫
アラビアン後宮の仮寵姫と眠れぬ冷徹皇子
砂漠の国アザリムの豪商の娘・リズワナ。女神のような美貌と称えられる彼女は、その見た目からは想像できない一面を持っている。実はリズワナには、数百年前に生きた最恐の女戦士の記憶があるのだ。彼女はひょんなことから第一皇子・アーキルに出会う。リズワナは、実は不眠の呪いに苦しんでいるという彼を眠らせることに成功。すると、彼の後宮に入るようにと言われた!? なんと、リズワナは彼の呪いを解くことができる「彼が前世で愛した相手」らしくて……。想いが交錯するアラビアンラブファンタジー、開幕!