路地裏ポストの三匹便 —ミスケ・あんこ・源さん—

夕暮れの商店街の外れ、誰にも気づかれない赤いポストがある。投函できるのは「言えなかった言葉」や「渡せなかった気持ち」。配達員は、茶トラの子猫ミスケ、のんびり屋のあんこ、やんちゃな黒猫の源さん——三匹の猫たち。
手紙はいつも“最後の一歩”を差出人に返してくる。勇気を出して会いに行くのは、結局その人自身だから。雨の夜、欠けた鈴をめぐる小さな依頼から、三匹の便りは町の記憶をつなぎなおしていく。
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