どうしてわたくしを捨てたのですか?
伯爵令嬢レイナ・ソファンには幼い頃からの婚約者がいる。
同じく伯爵家の嫡男であるアード・タルファンは、何度も浮気を繰り返しては、そのたびに「俺は自分の力で真実の愛を見つけたぞ!」とレイナに婚約破棄を突きつける。
きっと、心の底から本気で言っているわけではない。
彼にとっては、それが親への反抗なのだ。
レイナとアードの婚約は、親同士の決めた事だから。
レイナ・ソファンには専属の、とても優秀な執事がいる。
ちょっといじわるなところのある、彼の名前はトリッドダスト。レイナはティディ(T・D)と呼んでいる。
ティディはレイナがアードから婚約破棄を言い渡されるたび、なぐさめ、元気づけ、問題を解決するために動いてくれる。
少しだけ、厳しいことも言うけれど……ティディはいつもレイナの味方だ。
レイナ・ソファンには、大事にしているクマのぬいぐるみがあった。
今は亡き祖父から送られたそのぬいぐるみは、レイナが10歳の誕生日、アードから「いつまでもそんな物を持ってるなんてガキっぽい」と言われて捨ててしまった。
あの頃は、将来は自分の旦那様になるはずのアードの言葉が、レイナには絶対だったのだ。
ぬいぐるみのその後をレイナは知らない。
焼かれてしまったか、埋められたか。
もしかするとどこかに売られて、別の子供が大事にその手に抱いているのか……そうだといいな、とレイナは思う。
――そしてちょうどその頃に、入れ替わるように屋敷に来たのがティディであった。
同じく伯爵家の嫡男であるアード・タルファンは、何度も浮気を繰り返しては、そのたびに「俺は自分の力で真実の愛を見つけたぞ!」とレイナに婚約破棄を突きつける。
きっと、心の底から本気で言っているわけではない。
彼にとっては、それが親への反抗なのだ。
レイナとアードの婚約は、親同士の決めた事だから。
レイナ・ソファンには専属の、とても優秀な執事がいる。
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