ファンタジー 身分差恋愛 小説一覧
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石畳が続く美しい街、エトワールの片隅に、夜明けと共に魔法のような香りを漂わせる一軒のパン屋があります。店の名は『おひさまベーカリー』。そこで働く看板娘のリナが焼き上げるのは、食べた人の心にポッと明かりが灯るような、黄金色の「おひさまパン」です。
物語は、リナが店の傾いた看板を直せずに困っていたある朝、一人の青年に出会うところから始まります。亜麻色の髪を風になびかせ、凛とした佇まいで現れたその青年・アルベルトは、市場査察官だと名乗り、不器用ながらも無愛想に看板を直してくれました。
「パンの査察に来た」
そう告げる彼の正体は、実はこの国の第一王子。書類と義務に囲まれた冷たい王宮の中で、いつしか「本当の光」を見失っていた彼は、リナの焼くパンの湯気の向こうに、自分が必要としていた温もりを見出したのです。
これは、不器用な王子様と、おひさまのような少女が、パンの湯気を通して心を通わせていく、優しくて美味しいスローライフの物語。魔法は決して派手ではないけれど、朝露や焼きたてのパンの香りの中に、確かに息づいています。
看板の下、二人が交わした約束は、今日も黄金色の香りを連れて街を包み込んでいくのです。
文字数 3,580
最終更新日 2026.01.12
登録日 2026.01.07
2
輝かしいディンレル王国の歴史に、二つの光が灯る。才色兼備で正義感にあふれ、強力な魔力を秘めた第一王女アリス。3年後に生まれた、天真爛漫で姉を慕う第二王女アニス。2人は時に競い合い、時にじゃれ合いながらも深い絆で結ばれていた。奔放すぎる姉妹に周囲は振り回されながらも、その輝きは王都リュンカーラを照らす太陽のようだった。
しかし運命の歯車は残酷に回り始める。王国に服属した東方のキルア族の中に、凛とした佇まいの若き戦士ヒイラギと、神秘的な雰囲気を持つ巫女の妹マツバがいた。処刑されかけた彼らをアリスとアニスが救ったことをきっかけに、王女たちとキルアの兄妹の間に予期せぬ交流が生まれる。
正義感の強いアリスと寡黙ながらも強い信念を持つヒイラギは、互いに特別な感情を抱き始める。それは王女と「奴隷」という決して結ばれてはならない身分違いの想い。周囲がその変化に気づき始める中、マツバが見たという不吉な「王国滅亡」の予知の噂が、王宮に不穏な影を落とし始めていた。
アリスの元に舞い込む他国からの縁談話。ヒイラギへの複雑な想いを隠し、王女としての責務を果たそうとするアリス。姉の幸せを願いながらも、見え隠れする王国の暗部や父王の苦悩に気づき始めるアニス。彼女たちの知らないところで、王国を蝕む陰謀が静かに進行していた。
煌びやかな王宮の日常の裏で、少女たちの純粋な願いは、やがて避けられぬ悲劇の渦へと巻き込まれていく。これは愛ゆえに全てを失い、そして世界そのものを変貌させてしまうことになる、魔王となる、ひとりの王女の物語の序章である。
文字数 151,643
最終更新日 2025.07.20
登録日 2025.05.27
3
魔法が歌声によって操られる世界で、男性の声は攻撃や祭事、狩猟に、女性の声は補助や回復、農業に用いられる。男女が合唱することで魔法はより強力となるため、魔法学園では入学時にペアを組む風習がある。
この物語は、エリック、エリーゼ、アキラの三人の主人公の群像劇である。
エリーゼは、新聞記者だった父が、議員のスキャンダルを暴く過程で不当に命を落とす。父の死後、エリーゼは母と共に貧困に苦しみ、社会の底辺での生活を余儀なくされる。この経験から彼女は運命を変え、父の死に関わった者への復讐を誓う。だが、直接復讐を果たす力は彼女にはない。そこで、魔法の力を最大限に引き出し、社会の頂点へと上り詰めるため、魔法学園での地位を確立する計画を立てる。
魔法学園にはエリックという才能あふれる生徒がおり、彼は入学から一週間後、同級生エリーゼの禁じられた魔法によって彼女と体が入れ替わる。この予期せぬ出来事をきっかけに、元々女声魔法の英才教育を受けていたエリックは女性として女声の魔法をマスターし、新たな男声パートナー、アキラと共に高みを目指すことを誓う。
アキラは日本から来た異世界転生者で、彼の世界には存在しなかった歌声の魔法に最初は馴染めなかったが、エリックとの多くの試練を経て、隠された音楽の才能を開花させる。
文字数 113,197
最終更新日 2024.11.09
登録日 2024.07.30
4
チートを持たないヒロインが『豊穣チート使い』に仕立てられる異色のファンタジー。
舞台は中世風ファンタジー世界。
新体操部に所属していた大学生の『メリア』は、ある日異世界に転移した。
転移した国は、酷く貧しい国であり、そこで「聖女」として祭り上げられる。
そんな彼女はある日、シスターたちから、
『この国のフォブス王子と婚約してほしい』とお願いをされ、それを了承する。
しかしそのフォブス王子の言動はメリアにとって受け入れられないものだった。
具体的には、
・軍議に口を出しても「戦争の責任者は、俺だ」と言って耳を傾けない
・「女と飯が食えるか」と言い、一緒に食事を摂ろうとしない
・貧しい母親の赤ん坊を殺め、僅かな金と毛布を対価として渡す
・さらにその死体を、敵対している国「レイペルド公国」との国境付近に飾って楽しむ
・まだ幼い少年を自身の近衛兵として働かせている
などの行動を取っており、
彼をひどい暴君であると感じたメリアは反感を持つ。
それでもメリアは我慢をしていたが、
ある日夕食の際にフォブス王子は、料理に毒を盛られてしまう。
これを「メリアがやった」と道化師ベラドンナに濡れ衣を着せられてしまい、
婚約を破棄された上で逃亡生活を余儀なくされる。
フォブス王子からの追跡をかわすために、道化師ベラドンナの服を盗み、
道化師に扮したメリアは、「無能王子」と揶揄されている、フォブス王子の弟アイネス王子が統治する南部に逃げこむ。
そこでアイネス王子に拾われたメリアは『道化師ライア』と名乗り、正体を隠して復讐をもくろむことになる。
そんな中、アイネス王子の『無能ムーブ』を補佐するうちに次第にメリアは人気者になっていく。
また、なぜか作物の収量の向上や水害の被害が減少したことで、
「聖女メリア様が南部地方に亡命したおかげだ」
との声も上がり、自分が「豊穣チート使い」にされていることに気が付く。
だがそれらは、すべてアイネス王子の狙いだったことが分かり、メリアは王子の優しさに惹かれていく。
小説家になろう・カクヨムでも掲載しています!
文字数 80,586
最終更新日 2024.08.31
登録日 2024.08.04
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