「ワゴン車」の検索結果

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BL 連載中 長編 R18
 それは奇妙な卒業旅行だった。まだ寒い北国の3月。ワゴン車を運転するのは原田さん、助手席に秀子さん、そして後部座席には僕。前の2人は普通の若いカップルに見える。でも後ろの僕は冬なのにデニム短パン姿、麻縄で後ろ手にぐるぐる巻きに縛り上げられ、両脚も縛られて手ぬぐいの猿ぐつわをかまされていた。  僕が原田さんと出会ったのは大学に入学してすぐ、校門の近くの夜のスナックだった。オーバードクターの原田さんは塾講師をしながら映画を撮っていて、スナックの常連だった。下宿生活を始めたばかりの僕はお金がなく、原田さんにときどき奢ってもらうようになっていた。原田さんはいつか、僕を主人公にした映画を作りたいと言っていた。それで親切にしてくれるのかな、でも交友関係も広い人だし、ラッキーだったな。どんな映画を撮りたいかなど僕は気にも留めていなかった。  秀子さんはOLさんで、いつもショートパンツをはいていて屈託のない感じ。2人の出会いの馴れ初めは知らないけど、まあ普通に似合いのカップルだ。  原田さんは僕の思春期の思い出話を聞きたがった。僕はある夏の夜、2人の前で中学時代に受けたお尻叩きのお仕置きの話をした。僕は原田さんよりも秀子さんに聞いてほしい衝動に駆られていた。 「あなた、その先生に恋したんでしょ」  秀子さんは真顔で言った。 「違う。何だろう、もっと宗教的な感じ。僕は女の子が好きだよ。でも……」  妙にシリアスな沈黙が訪れた。 「なぜかうまくいかない。僕は変わってるって女の子によく言われる。男友達には言われないのに」 「女の子の方が勘がいいのよ。先生にお尻を叩かれて嬉しかったんでしょ? それをあたしに言いたかったんでしょ」 「やっぱり僕、変だよね」 「男の子が尊敬してる年配の男の先生に心を奪われる、いいじゃない。その先生が忘れられなくて、子供みたいな半ズボンはいてるのね」  僕はその夜もデニムの短い半ズボン姿だった。
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文字数 793 最終更新日 2022.08.15 登録日 2022.08.15
BL 連載中 長編 R18
 翌日、河野さんたちが合流し、5人でお昼を食べた。原田さんと秀子さんはもう帰るという。僕はちょっと怖かったけど、ワクワクもしていた。午後は河野さんと矢崎さんは釣りに行く。この時期だと堤防のあたりでクロソイが釣れるらしい。河野さんは僕が逃げないように、縛っていくという。2階のロフトに上るように言われ、そこで麻縄で後ろ手に胸回りもぎっちり縛り上げられた。矢崎さんに猿ぐつわをされ、足は股まで縛られた。上はセーターだけど下はデニム短パン。やはり寒い。2人は当分戻ってこない。ロフトの小さな窓から海が見える。まだ冬の日本海の佇まいだ。時を刻む柱時計の音だけ聞こえる。少年時代の記憶の迷路に迷い込んだかのよう。レトロな別荘の片隅に短パン姿の僕。縛り上げられている自分がいとおしい。  やがて2人が帰ってきた。釣果はやはりクロソイだった。結構長い時間縛られていたので、帰ってくるかちょっと心配だった。矢崎さんが魚をさばいて刺身とあら汁を作ってくれた。これがおいしい。 「やっと生き返りましたよ。長かった。でもおいしい」 「昼間はなかなか釣れないんだよ、クロソイは」  夜はポーカーをやろうということになった。僕が勝てば2人が持ち込んだ高いワインやシャンパンを飲ませてもらえる。負ければ勝った人にパドルでお尻をひっぱたかれる。昔アメリカの学校で使われていたような長方形の木のパドルだ。最初は勝ったり負けたりだった。でも僕の酔いが進むにつれてほとんど勝てなくなった。「痛ーい!」。僕のお尻の音が夜の静寂に響く。2人は深夜まで僕を解放してくれなかった。  翌朝は早く起こされた。犬の散歩が日課の河野さんは、代わりに僕を繋いで近所を散歩したいという。僕はまたセーターにデニムの短パン。麻縄で上半身をぐるぐる巻きにされ、その縄の先を河野さんが握っていた。この時期の別荘地の朝にひとけはない。坂が多いから河野さんにひっぱってもらう。結構爽やかな朝だけど、飼い犬の気持ちがわかった気がした。  散歩から戻ると、僕は体操服と紺のブルマーに着替えさせられた。脚は白のハイソックス。3人でお昼を食べ、原田さんが撮影した僕の緊縛ムービーを見た。夜までに帰ることになった。帰りはワゴン車を2人で交代して運転する。1人は僕と後ろのシートへ。僕はまたいつものように手足を縛り上げられておじさんの膝の上に。「躾は厳しく! 男の子にはまだまだお仕置きだ!」ハーッ! 「ごめんなさい」。ブルマーのお尻に平手打ちの雨。やっぱり2人とも筋金入りのスパンカーだ。ガレージで縄を解かれ、ブルマーのお尻に手を当てる。縄の跡も腕についている。 「俺が送ってやるよ。やあ楽しかった。また3人でどっか行こうぜ」と河野さん。  僕はまだお尻をさすりながら力なくうなずいた。
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文字数 1,139 最終更新日 2022.08.16 登録日 2022.08.16
ある日図書館へ出かけた菜乃。帰る道すがら、自分の母千帆を見つけて走り出す。ところが、突然千帆の前に白いワゴン車が飛び出し、菜乃の見ているところで交通事故が起こった。周りの人が騒然とし始め、救急車を呼び始めるが菜乃にはどうすることもできなかった。
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小説 184,875 位 / 184,875件 現代文学 7,883 位 / 7,883件
文字数 2,181 最終更新日 2016.03.15 登録日 2016.03.15
SF 連載中 ショートショート
2045年現在、米エネルギー省・執行事務局局員のナオヤ・ジ ョージ・ハリカエ・ワイズナーは、PPRS(過去事象再現シミュ ーレーター/パストフェノメノン・リプロデューション・シミュレ ーターの略)と呼ばれる最新式のMR(複合現実)機器を使い、被 爆体験シミュレーションを行おうとしていた。  自身の人格変換プログラムでの設定人格は、広島での広島に投下 されたウラニウム活性実弾のリトルボーイに被爆、その翌日薨去し た旧日本公族(朝鮮王族)の雲硯宮李公偶(うんけんきゅうりこう ぐう)であった。  一ヶ月前ナオヤはヴァルチュア( V u l t u r e/ハゲ鷹)と仇 名する上司のJ. R o b e r t J r. S m i t h. (ジェイ.ロバー ト. ジュニア.スミス)に命じられて雲硯宮李公偶が、日本軍に依 って無理矢理広島に本拠を置く第二総軍に配属、教育参謀として非 業の死を遂げた件について極秘に調査をすることと、それと併せて 第二総軍を原爆投下に依って殲滅させない限り、太平洋戦争を終結 することが出来なかったことの決定的証拠を手に入れよとの命令を 受けた。  それはマンハッタン計画国立歴史公園の民間払い下げ事業に際し て、原爆投下を正当化させる為の調査命令であった。  そこには原爆投下を間接的であっても日本のせいにして、韓国人 被爆者の遺族の矛先が米国に向かないようにと言う伏線もあった。  しかし調査結果は上司やその上の大統領官邸の目論んだ結果とは まったく逆であり、李偶公は自ら望んで第二総軍へ配属となったの であった。  彼には大韓帝國復辟と言う野望があったのだ。 ナオヤは真実の調査結果を伝えるべきだと決心し、真実を記した リポートを提出したが、とどのつまりその調査結果は闇に葬り去ら れることになる。  その後約一ヶ月の間ナオヤはヴァルチュアに従順な態度を示して きたが、今まさに真実を伝えると言う誓いを全うしようとしていた。 遂に被爆体験を終え決心を固くしたナオヤは、ネット上に真実の 情報を拡散させる。 やがてナオヤはホームセキュリティシステムの人工知能が作詞作 曲したアラーム音の、「エノラ・ゲイに伝えて」の旋律を聴く。 それは何者かがナビゲーションシステムで、ナオヤの自宅に行き 先を指定したと言う情報を伝えるアラーム音であった。  直後ナオヤは玄関前にフルオートドライブのEVワゴン車が停ま り、その黒塗りのワゴン車から降りて来たのだろう、黒いスーツの 男達が数人、雨の中傘もささずに玄関の方に向かってやって来るの を見る。 
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小説 184,875 位 / 184,875件 SF 5,122 位 / 5,122件
文字数 16,359 最終更新日 2019.12.27 登録日 2019.12.27
BL 連載中 長編 R18
 ワゴン車は古い港町に向かっていた。僕は原田さんに出会ったときと同じデニム短パン姿。原田さんはそのときから僕をモデルに、誘拐された少年のショートムービーを構想していたらしい。 「俺はいままで女性ばかり縛ってきた。でも君を見たとき、初めて男の子を縛ってみたいと思った。なんか違うスイッチが入ったんだよ。スイッチが入れば、俺はカメレオンだから」 「カメレオン?」 「狙った獲物は必ず捕まえる」  原田さんはときどき車を止めて、緊縛されてもがいている後部座席の僕をフィルムに収めていた。 「このモデルが務まるのは君しかいない。どう見ても少年だ」  2階建ての別荘の前でワゴン車は止まった。僕は麻縄と猿ぐつわを解かれ、上着を羽織って車外に出た。風はなかったが半ズボンの太腿は冷たい。 「ここは舞踏団が練習にも使う場所だ。ここにいまから君を吊るすから」  別荘の1階はステージのようになっていた。照明の設備も備え、吊りに使えそうな太い梁もあった。僕は黒いレザーのショートパンツにはきかえさせられた。秀子さんは赤のエナメルのショートパンツ姿で、バラ鞭と乗馬鞭を持っていた。原田さんの所属するSMサークルで、僕は何度か吊りを体験していた。でもここは別世界。古い木造家屋に麻縄は似合う。スポットライトと闇のコントラストに酔いしれ、鞭にまた酔う。秀子さんの手になる鞭でいやというほどお尻を打たれ、そのたび宙に舞う。静かな夜に鞭音が響く。夜の先にもう一つの夜が広がっているような感覚。ようやく下ろされて縄を解かれ、猿ぐつわをはずされた。 「明日サークルのメンバーがもう2人来る。俺と秀子は先に帰るよ」 「僕、どうしよう」 「卒業式まで暇なんだろ。河野さんと矢崎さんが来る。たまには男の子をいじめてみたいって」  河野さんと矢崎さんは釣り仲間で50歳前後のおじさんだ。2人が僕を責めたいって? 2人とも年季の入ったスパンカーだけど。それもちょっと楽しいかも。 「結構いい動画が撮れたよ。河野さんがまたパドルとか持ってくるから、可愛がってもらうといいよ」 「まだお尻が痛いです。赤くなってるよ」 「一晩眠れば、また白いお尻になるわよ」
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小説 184,875 位 / 184,875件 BL 23,904 位 / 23,904件
文字数 884 最終更新日 2022.08.16 登録日 2022.08.16
「じゃあ、俺が名前をつけてあげる!お前の名前は、今日から太郎だ!」  太郎君は座敷童子です。  どこかの家族が住んでいる家に一緒に住まわせてもらう妖怪です。  その時太郎君が住んでいたのは、“榊さん”という家のお宅でした。  榊さんの家には、お父さんとお母さん、息子のゆう君、犬のぽんたが住んでいました。座敷童子、という存在は大人には見えません。子供にだけ、時には動物にも見えることがあります。  太郎君は大好きなゆう君と一緒に幸せに暮らしていました。しかし、ゆう君の家が引越しすることになった日。太郎君は家族が乗るワゴン車に乗り遅れてしまい……。
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小説 184,875 位 / 184,875件 児童書・童話 3,210 位 / 3,210件
文字数 8,838 最終更新日 2020.11.27 登録日 2020.11.27
恋愛 連載中 長編 R18
ジゴロとして修業中のジェフ。 一夜のお相手に放り出された彼がふと目に留めたのは、ワゴン車からバケツ一杯の花を懸命に降ろしている花屋の店員だった。 化粧っけも無いその女性に何故か心惹かれ、つい手助けをしてしまうジェフ。 その夜、女友達の助っ人に駆り出されたパーティーでジェフはある人間と知り合う。それは女友達が狙う大企業の若社長、ローリーだった…… みたいなお話。BLではありませんのでご注意下さい。
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小説 184,875 位 / 184,875件 恋愛 56,189 位 / 56,189件
文字数 19,362 最終更新日 2019.04.28 登録日 2018.11.08
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