「い」の検索結果
全体で239,200件見つかりました。
放課後になると、奏太は旧校舎へと足を運ぶ。
誰もいないはずのその場所には、
なぜかいつも、ひとりの生徒が待っていた。
冷たさすら感じる神聖な階段の踊り場で、穏やかに微笑んで手招きするその少年の隣りは酷く心地がいい。
寄り添い座って、指を絡める。それだけでも心は豊かになった。
大きな窓から見える月夜を眺めて、静かに過ごすだけの時間。
その時間が、少しずつ変わっていく。
心を寄せて思い合い、指先を絡める優しい時間は、不安と悲しみに彩られていく。
これは、出会うはずのなかったふたりの、静かに燃えるような、青春の記録。
8月中に完結します。
文字数 105,375
最終更新日 2025.08.24
登録日 2025.07.24
九州の山を一人登っていた青年・凛は、青空を裂く亀裂と、森の奥へ墜ちる謎の光景を目撃する。
足を踏み入れた先は、いつもの山ではなかった――霧が流れ、木々がひそかに姿を変え、動物の瞳は紅に染まる。
やがて凛は、そこが「龍の死骸が眠る魔の森」であり、その力が森と生き物を変えていることを知っていく。
飢えと恐怖に抗いながら、彼はナイフと知恵を武器に、生き延びる術を探す。
森の深部には、龍の心臓〈ドラゴンハート〉が眠っているという。
そして運命の二十話目――凛は泉のほとりで、狐と龍の血を継ぐ不思議な存在と出会う。
それは彼の未来を変え、やがて「魔人」としての運命を歩ませる出会いだった。
サバイバル、成長、そして未知なるものとの絆。
世界の始まりに連なる“龍”の謎を追いながら、凛は自らの力と存在の意味を探していく――。
文字数 13,855
最終更新日 2025.09.15
登録日 2025.09.15
暗がりの市道。兄はいつもの帰り道に足を止め、ポケットの中で鍵の冷たさを確かめる。空気が重い。足音も車のライトも、どこか遠い。やがて──声がする。神とも悪魔ともつかない、ひんやりした声。
「蘇らせよう。ただし条件がある」 「条件って…?」 「倫理を、道徳を、裏返しに捨てることだ。生き延びるためにそれらを放棄するか、拒むか。選べ」
兄は短く笑った。笑いは冷たく、震え混じりだ。 「そんなもの、簡単に捨てられるか。妹を失うくらいなら、俺はそれを取らない」 声は色を変えずに続ける。 「ふうん。では、知らせておこう。お前の妹は数年前、こちらで送り込んだ。生きていればいいな」
言葉は薄く、残酷に落ちた。血の匂いが戻ってくるような気がした。兄の喉元を一瞬、誰かが掴む。問いが喉に詰まる。視界に映るのは見慣れた通り、見慣れた看板。だが彼の足は勝手に動き出していた。駅の改札を抜ける。商店街を抜ける。呼び止める声を探すように。
角を曲がると、妹はそこにいた。けれど立ってはいなかった。彼女の身体は路傍に寄り掛かり、服は裂け、血の線が舗道に細く描かれていた。誰も振り向かない。通行人は足を速めるだけだ。
「ミリア! ミリア!」
叫びが喉を切り裂く。胸を抉られるような沈黙の後、兄は何もできずに立ち尽くした。やがて、目に浮かんだのはあの声の冷たさと、告白のような一語だった——「生きていればいいな」。
静寂の中で、ナイフが落ちているのが見えた。女神が渡したという、ただのナイフ。彼はそれを拾い、血まみれの手で刃を確かめる。震えながらも、目は決まっていた。
「……必要だから」
次の瞬間、闇が深く、世界は回った。――ここから始まる、とだけ彼は思った。
文字数 13,517
最終更新日 2025.10.14
登録日 2025.10.04
霊が強い力を持ち、超常現象を起こす世界の日常
ジャンル ・現代伝奇 ・日常
*この作品は、アルファポリス・小説家になろう・カクヨムに掲載しています。
文字数 220
最終更新日 2025.10.19
登録日 2025.10.19
50代半ばになってからある日突然1型糖尿病になった男の一人語り。
体の異変から始まり、転院先での喜怒哀楽の激しい糖尿病専門医、木戸藍洛先生との攻防。
美味しいものが食べたい。甘いものだって食べたい。運動は嫌いではないけれどキツいのは嫌。
5台という単位が望ましく6台では要注意と言われる中、12を越えてしまった男の日常。
文字数 18,852
最終更新日 2026.06.30
登録日 2025.11.18
俺はただ、怠惰な日常を送りたいだけなのに・・
乙女ゲームのキング・オブ・クズの第一王子に成り変わった主人公。
彼は、作中の中でも最低最悪を極める男だった。
父親の国王より王太子の立場を奪われ、国を追放され、そして彼を憎む民衆らの手によって殺害されるという最期を迎える。
そんなバッドエンドは嫌だ!でも、追放も嫌だし、処刑も嫌だ!
ならば、幽閉という名の一生だらけ切った生活を目指し立ち上がるが、
「今まで辛い思いをさせて申し訳ありません」「殿下!これからはなんでも相談してください」「一生お仕えします」と、ちょっと、いやかなりヤバくなった周囲と、是が非でも一人でグータラ生活をしたい主人公との勘違い物語。
文字数 18,687
最終更新日 2025.12.13
登録日 2025.11.29
「ちょっとスーパーまで行ってくわね」奥の居間から「いってらー」と娘の声が聞こえる。
私、岡野順子は50歳前の子持ちのおばちゃんやってます。娘は流行りだと言う乙女ゲームや悪役令嬢の小説を読み漁っているその影響で私も少し読んでいるがいまいち良くわからない。
そんな私が「悪役令嬢になってる?どういうこと?」
そう私はスーパーからの帰りに車にひかれて・・・・・超極悪趣味の部屋に寝かされていた。
文字数 3,204
最終更新日 2026.03.03
登録日 2026.01.25
“運命の相手と出逢える”という噂のある神社に閉じ込められた2人が紆余曲折を経て脱出を目指す話。
一部にホラーとグロ要素ありですが、怖い描写は初めて書くのであまり怖くはないかと思われます。
佐伯 純×出雲 叶翔のつもりの3話から攻め視点です。
文字数 17,674
最終更新日 2026.03.12
登録日 2026.02.01
一緒に下校するのが楽しみだった親友を、突然従兄の美矢に取られた弓佳。話し足りない事を分厚い手紙で交換し合うようになったが、ある日彼女の転校が決まり…。
※「平成イツキヒメ」番外編。本編より10年前の話。元服式を弓佳視点で描いたものです。
登録日 2014.07.17
それほど遠くない未来の東京。長期に渡る経済の混迷と移民の増加によって治安は著しく悪化していた。ある日、都内で調査会社を経営する尾藤誠は行方不明になった女子中学生の捜索依頼を受けるが、その捜索過程において女子児童生徒を狙った連続誘拐事件と、首都圏の地下に潜伏し生贄の儀式を執り行う危険なカルト教団の存在を知ることになる。女子中学生救出のためにカルト教団を追う尾藤だったが、度重なる刺客の襲撃、そして毎夜悍ましい悪夢に苛まれ始め・・・
登録日 2014.12.01
野菜や果物にかけると意思を持つ、不思議なドレッシングが巻き起こす日常コメディー。
成岡家三姉妹の長女、高校一年生の成岡菜々実(なるおか ななみ)は三女の桃音(ももね)が小学四年生になっても苦い・特有のにおい系野菜嫌いなことに悩んでいた。そこで彼女の所属する一年五組の担任で、家庭科教師の緑川先生に相談すると、お手製のドレッシングを渡してくれた。菜々実は幼馴染の一橋晴彦(はるひこ)と西薗優利子(にしぞの ゆりこ)を連れて帰宅後、桃音の最も苦手な緑ピーマンにそのドレッシングをかけてみる。するとなんと、目と口がついてしゃべり出したのだ。当然のように驚く三人、ほどなく帰宅した次女で中学二年生の時葉と桃音もこの現象に驚いていたが、そのピーマンを食べてみてかなりの美味だったことが分かる。三姉妹はこのドレッシングのことは両親には秘密にしておくことにしたが、面白がっていろんな野菜や果物に意思を持たせた。
登録日 2015.10.07
文字数 1,236
最終更新日 2015.11.19
登録日 2015.11.19
小説のヒロインに転生した私は、原作通りに魔法学園で王太子と出会う。しかし嫉妬して私を虐めるはずの悪役令嬢は、どうしてだかとっても優しい。平和で楽しい毎日だけど、このままでは王太子が覚醒せずに世界が滅ぶ。そう判断した「強制力」によって悪役令嬢は身体を乗っ取られ、悪役を演じさせられ…物語は軌道修正されて正しく終わった。
けれど――裏側を知ってしまった私は、「ヒロインの幸せな結末」を選べなかった。
これは、強制力がものを言う世界で、悪役令嬢が悪役になれなかった場合はどうなるのか、というお話。
※小説家になろうにも投稿しています
文字数 5,055
最終更新日 2026.04.20
登録日 2026.04.20
乙女ゲーム世界に転生したものの、転生した先は悪役令嬢の取り巻き!?
主人公、ゾフィーが転生したのは、ゲーム内での表記は取り巻きの令嬢2…。ゲームではキャラボイスすら付いてない、何なら顔もまともに描かれてない、ヒロインにちょっとした嫌がらせ(令嬢1が足を引っ掛けて転ばせるのを見てクスクス笑いをする)をするだけの女…。
前世から長いものに巻かれる主義のゾフィーは親から言われた通り、ゲームシナリオの通りに悪役令嬢の取り巻きになった。
けれどある日、婚約者であるケビン(これもゲーム内ではモブ)が、ヒロインを襲ったと濡れ衣を着せられて、貴族社会を追放されてしまう。
「あの女…絶対に許しませんわ!!」
モブ令嬢の復讐の火蓋が切って落とされる…?!
※エンタメ小説大賞応募作品
※AI使用は表紙、校正のみです
文字数 89,400
最終更新日 2026.08.03
登録日 2026.06.30