魔王軍の四天王に攫われて早5年、誰も助けに来ないので勇者を迎えに行ってきます

 魔王城に囚われて早5年、勇者は一向に助けに来ない。それは魔王軍にとっても、人質の少女にとっても、深刻な悩みであった。

 怖がりで人見知りの勇者。なんであんな人が勇者となってしまったのか……。

「勇者が来ない件について! 五年経っても何もしてこない勇者に、ちょっかいをかけようと思います!」

 自由奔放な魔王の勢いに飲まれ、人質の少女シエルと魔王軍四天王レインは、勇者にちょっかいをかけることに。

 これ本当に意味はあるのか? と思いながらも、ときに冒険の手助けをし、ときに試練を与え、勇者をうまく魔王城へ誘導する。

 プニプニのカメに癒されたり、船旅をしたり、「竜封じの結界師」なんて呼ばれちゃったり、ファンができたり、竜の背に乗って空を飛んだり。

 村にいたときより、人質になってからのほうが自由な気がする。正直このままでいいかな、とも思うけど、やっぱり……

 いつか勇者に助けられ、人質としての役目を全うしたい!

 人々の想いを背負った勇者一行と、強大な力を持つ魔王軍との戦いが、今……え、始まらない?

 これは、勇者の冒険の裏方で活躍していた、人質の少女の物語である。



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