恋愛 手話 小説一覧
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私の声で王子に求婚した妹へ、返事は私の手で伝えます
七日前、熱で声を失った妹に、リディアは自分の声を貸した。期限は、王宮の冬の音楽会が開かれる今夜の十二時。
ところが妹のセラフィナは、喉が治っても琥珀の首飾りを返さない。継母は母の遺した手話教室の土地を盾に、声の貸与を一年延ばせと迫る。
「あの方が愛したのはセラフィナの姿と、あなたの声。二つを合わせて、ようやく価値があるのよ」
声を奪われたまま王宮へ連れていかれたリディアは、指で伝えた言葉に、指で答えてくれる青年と出会う。宮廷通訳官のエドガー。かつて母の教室に通っていた、あの少年だった。
『では、必要な時は僕を呼んでください。あなたの言葉を、誰にも消させません』
偽の指印で出された更新申請、持ち去られた原本、閉じ込められた資料室。妹がリディアの声で王子に求婚するその場で、リディアは声ではなく自分の手で、真実を告げる。
奪われた声と母の教室を、自分の言葉で取り戻すまでの物語。
2
モールス・サイン・ラブ
前書き
聴こえなくても…話せなくても…触れられなくても…隔てられていても…見えなくても…離れていても…交信できるのが、モールス・サインです。
振動さえ感じられれば、何でも伝えられます。
最後の最後に残る交信手段だと思います。
モールスで『愛してる』と交信出来たら、最高に感動するでしょう。
作品の紹介
ここは、とある総合大病院。
僕と彼女の職場だ。
彼女は、松本 恵里香。
僕は、加藤 紘一。
彼女は聾唖の看護師で、僕は機械の面倒も診るシステム・エンジニアだ。
彼女は聾唖者でありながら看護師の国家資格を取得した頑張り屋の努力家で、その一点だけでも尊敬に値する。
ひょんな事で彼女と知り合った僕は、時間を観て彼女から少しずつ、手話を習うようになる。
その代わり僕は、モールス・サインを彼女に教えるようになった。
変な事を言われたり、冷やかされたりもしたけど、僕達は気にしなかった。
勿論、応援してくれる人もいて…僕達はいつも感謝していた。
でも……あんなに大きな出来事が起こるとは…全く想像もしていなかった。
— — ・— — あ
・ — い
— — ・— ・ し
・ — ・ — — て
— ・ — — ・ る
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