歴史・時代 職人 小説一覧
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7件
1
小石川養生所 薬師控 〜匂わぬ毒〜
天明七年、春。田沼意次が失脚し、白河の殿様の名が囁かれはじめた江戸。
上坂健次郎は、小石川養生所の薬師見習いである。十五で薬研を握って三年目。旗本家の次男とは名ばかりの部屋住みで、祖父は百姓から身を起こした男だった。
健次郎は鼻がきく。
相模の陣屋で、代官が急死した。医師は病死と断じ、銀の毒見針も変色しなかった。だが健次郎は、遺された薬包に、あるはずの甘い香りがないことに気づく。
勘定方に勤める兄・優一郎とともに、健次郎は陣屋へ向かう。それは相模から日本橋へ、そして江戸城の奥へと続く道の入口だった。
和漢の毒から、南蛮渡来の未知の毒へ。
薬師は人を殺さない。その一線を守ったまま、毒を解き明かすことはできるのか。
滝川健四郎の事件帖の五十三年後、孫の代の物語。単独でもお読みいただけます。
2
長崎『唐物古道具 藍凪屋』〜再生と縁結いの物語〜
江戸『古道具 藍凪屋』続編!
文政元年、初夏。
女商人・おめいと天才職人・徳三が辿り着いたのは、坂の町・長崎だった。
異国の香りと、最新の科学「セイミ」が渦巻くこの地で、二人は新たな店「藍凪屋」を構える。
狙うは、出島のオランダ船が運んでくるという幻の西洋染料。
「江戸で磨いたこの技術、長崎の海より深く染め上げてみせますわ!」
曲者揃いの長崎を舞台に、職人の魂と商人の意地が火花を散らす。
失ったものを取り戻すため、そして世界に届く「真の青」を創り出すため。二人の新たな挑戦が、今始まる。
3
泥濘の聖域 〜 澱みと濁流 〜
天正二年、長島。
雨が止んだ。それは、織田の鉄砲が再び「火」を噴く合図だった。
周囲を囲むのは、美しくさえある鉄と逆茂木の檻。逃げ場はない。
泥濘が兵の足を呪いのように掴み、死臭が混じった風が水路を撫でる。
坊官は、その絶望を冷徹な数字に置き換えていた。
残存兵力、食糧、矢じりの数。そして、これから失われる命の「割合」。
「私は、勝つと思っていない」
ふなは血に染まった水路を漕ぎ、重蔵は熱を失った炉で矢を打ち、かわは絶望に狂いゆく民を観察する。
英雄もいなければ、救済もない。あるのは、巨大な暴力に摩耗されていく肉の音だけだ。
歴史が「根切り」と呼んだ、凄惨な消耗戦の記録。
その最深部で、坊官はひとり筆を執る。
包囲網を、呪わしき理で解体するために。
泥濘の聖域外伝
カクヨム:長島異聞録 ―― あるいは、泥濘の流路
https://kakuyomu.jp/works/2912051600145715300
4
仙吉の猫
Some 100 stories of cats(猫にまつわる小篇たち)のシリーズ第20作目。
5
江戸おでん人情帖 味噌田楽の町に醤油の湯気が立つ
文化十年、冬。江戸で豆腐といえば、串に刺して味噌を塗る田楽が当たり前だった。日本橋裏の料理屋を追い出された若き板前・勘太は、野田から届く濃口醤油に出会い、豆腐を焼かずに醤油出汁で煮る屋台を始める。最初は「黒い豆腐」と笑われ、客も銭も足りない。それでも鍋は、船頭の故郷、夫婦の嘘、職人親子の意地、長屋の子どもの空腹を少しずつ温めていく。やがてその新しい味は、味噌田楽を守る者や老舗料理屋の反発を招く。だが、町の人々の舌と湯気が、名もなき煮込みを「おでん」と呼び始める。古い味を捨てず、新しい味を煮直す、江戸の食と人情の物語。
6
さねよき鎧
鎌倉時代末期に腕を振るう頑固な鎧師と、その息子伊助の物語。某小説雑誌新人賞最終候補作の改訂版で、興味をもっていただけるなら少しずつ公開していきます。
7
砥石に語りて
月桜国(げつおうこく)の地方で砥師(とぎし)として生計を立てる兵藤玄馬。
優れた腕は口伝いに広まり、地方領主の耳にも入る。
評価を得ながらも、そこに生きる場所を求めない。
玄馬は砥石に語る。守るべきものはなんなのか。
(2016年11月8日完結)
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