書道 小説一覧

8件
1

筆下ろし

私は京町家(きょうまちや)で書道塾の師範をしております。小学生から高校生までの塾生がいますが、たいてい男の子は大学受験を控えて塾を辞めていきます。そんなとき、男の子には私から、記念の作品を仕上げることと、筆下ろしの儀式をしてあげて、思い出を作って差し上げるのよ。
2

宮廷の筆跡~一筆の奏でる宮廷謎解き録~

ライバルの令嬢が詠んだ美しい詩に、主人公の優雅な書が重なったその一枚の紙。それはまるで、最初から一つの同じ魂が生み出した美術品のようだった。 ほんの数刻前、二人はお互いの父親の派閥をめぐって、青い火花を散らすような口論をしていたはずなのに。 「……悔しいけれど、やっぱりあなたの文字は素晴らしいわね」 ライバルの令嬢が、ふっと皮肉げに、けれどどこか嬉しそうに微笑んだ。 周りの貴族たちが「実務派の娘と、芸術派の娘が、こんな奇跡のような作品を作るなんて」とヒソヒソ囁き合う中で、二人は静かに視線を交わした。 このとき、二人はまだ知らなかった。 自分たちのこの「筆」が、やがて国を揺るがす大きな事件に巻き込まれていくことを――。
3

滲む墨痕

自己陶酔とは、このような感情を示す言葉なのかもしれない。そう思わせる字だった――。結婚して二年。夫が実家の旅館を継ぐことになり、思いがけず人生の転機を迎えた野島潤・三十歳。息抜きのため夫婦で足を運んだ藤田千秋という書家の個展で、潤はある作品に心を奪われる。藤田が営む書道教室を訪れたことをきっかけに惹かれ合い、急速に関係を深めるふたり。欲望に引きずられる恐怖を覚えながらも、潤はその激しさに身をうずめていく。秘愛は情愛に対立し、醜愛を呼ぶ――。複雑に絡み合う人間模様、そしてそれぞれが持つ秘めた想いの行方は。
4

【R18】4番目の彼女

筆耕士の高橋希はダンススクールのパーティで中学の同級生 会沢徹志と再会。 その勢いで一夜を共にしてしまう。 希がほかの女の影を感じ「何番目か」と問うと彼は「4番目」と言った。 思い込み激しい彼女のすれ違い現代恋愛。
5

朱墨口紅 ——彼らは書の道を愛した

宝石のような数々の才能に恵まれながら、どうにも不器用な千葉稔。彼は高校の書道教師に見出され、書家の息子として尋常でない稽古を重ねてきた青年、野菊昌之助と出会う。 ブドウジュース、コーンスープ、冬の公園、ひまわり、たんぽぽの花……。焔のように情熱を燃やし尽くした日々へ、静かに差しこまれるいくつもの大切な思い出の数々。 書への愛を誓った彼らの結末は、彼らの心だけが知る、大切な想いの結晶。
6

藺草と鉄

畳を張り替えた。横になって大きく深呼吸した。吸い込んだ空気は、爽やかな草の香りと、少しの墨の匂いが混じりながら鼻を抜けていく。ほんのわずかに鉄の臭いがした。
7

『黒がお似合い』

「書道部の陰キャメガネ」――。 そう呼ばれ、いじめを受け続けていた少女・久墨すみれ。 墨汁をかけられ、笑われ、暗い体育館倉庫へ閉じ込められる。 けれど彼女は、何も言い返さなかった。 ただ、“覚えていただけ”。 そして翌日。 今度は、いじめっ子達が体育館倉庫へと閉じ込められる。 真っ黒な墨汁。 真っ暗な空間。 響き渡る悲鳴。 ――“黒”がお似合いなのは、一体誰だったのか。 静かな狂気と復讐が染み渡る、書道ホラー短編。
8

【完結】魔力0の書道家が、底辺職から魔術師に成り上がるまで~異世界転移した先で、僕は魔法陣と出会った~

習字教室の生徒が、公園で妙な模様を見つけた。 バランスが微妙に気に入らなくて添削したら、魔法陣が発動して異世界転移してしまった。 召喚したのは勇者パーティ。週明けに魔王討伐に挑むから一緒に来てくれと頼まれた。 でも戦えないし、魔力も持ってないし……。 そしたら勇者に、〝ローラー〟という底辺職に就くように言われた。 ローラーの役割は、主に荷物持ちや食事、寝床の準備。……ただの使いっぱしりじゃないか。 でも、魔王討伐に付き合ったら元の世界に戻してくれると約束してくれたので、仕方なく同行することにした。 ……裏切られたけど。 ◇◇◇ 残念美人司書に溺愛され、 残念エルフ(♂)に可愛がられ…… 果ては魔王の子どもに懐かれる、 彼女いない歴=年齢の、 書道家アサヒが繰り広げる異世界ファンタジー!
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