第19回ファンタジー小説大賞

第19回ファンタジー小説大賞 結果発表

選考概要

2,952作と今年も多くの応募があった第19回ファンタジー小説大賞。その中で一次選考を通過したのは54作品。王道の異世界転生小説はもちろん、魅力的なキャラたちによるほのぼのした領地開拓モノ、心揺さぶられる復讐物語など、多彩な作品が集まった。

そこからさらに検討を進め、編集部内で大賞候補としたのは、「『聖女なんだから当然でしょ?』――は? ふざけんな」「無能スキルと追放された第三王子ですが、母様の再婚を成功させたら辺境伯を継がされそうです」「【完結】ご報告いたします。妃殿下が現場で神がかっております」「スキル〈散歩〉が最強すぎたので、のんびり旅をします〜」「【番外編更新】お心のままに動いた結果でしょう?【完結】」「『たった10人で砦を守った』事を信じてもらえず追放された最強の傭兵、『呪われた魔境の地』で匿った王女と理想の拠点に作り上げます」「王国一の美女と結婚してみせろと幼馴染に言われたので、 真面目に自分磨きをしていたら女性を沼らせてしまった件」「炎神龍の愛弟子~隠しダンジョンに転生した少年、裏ボスに育てられ最強の冒険者になる~」「転生第十王子は死にたくない!~辺境に追放されたけど、命が危ういのは変わらないので、怪しいスキルを駆使して生き延びます!~」の9作品。

これらの候補作の中で、編集部内で最も高い評価を集めた「無能スキルと追放された第三王子ですが、母様の再婚を成功させたら辺境伯を継がされそうです」を大賞に決定。また、ポイント最多として読者賞に「『聖女なんだから当然でしょ?』――は? ふざけんな」が選出された。そしてテーマ別賞では、『ヒロイン賞』に「【完結】ご報告いたします。妃殿下が現場で神がかっております」「【番外編更新】お心のままに動いた結果でしょう?【完結】」、『おっさん賞』に「『たった10人で砦を守った』事を信じてもらえず追放された最強の傭兵、『呪われた魔境の地』で匿った王女と理想の拠点に作り上げます」、『ジョブ・スキル賞』に「転生第十王子は死にたくない!~辺境に追放されたけど、命が危ういのは変わらないので、怪しいスキルを駆使して生き延びます!~」、『癒し系ほっこり賞』に「スキル〈散歩〉が最強すぎたので、のんびり旅をします〜」、『ネクスト・ブレイク賞』に「王国一の美女と結婚してみせろと幼馴染に言われたので、 真面目に自分磨きをしていたら女性を沼らせてしまった件」、『キャラクター賞』に「炎神龍の愛弟子~隠しダンジョンに転生した少年、裏ボスに育てられ最強の冒険者になる~」を選出した。なお、最終選考に残ったものの、惜しくも受賞に至らなかった作品を奨励賞とした。

「無能スキルと追放された第三王子ですが、母様の再婚を成功させたら辺境伯を継がされそうです」は、追放された幼い王子が、持ち前のポジティブさと家族を大切に思う心を胸に、規格外の便利スキルでほのぼのと領地開拓していく作品。家族愛に溢れた心温まるストーリーや、個性的な母親に心強い従者など、魅力あるキャラクターが織りなす賑やかな会話劇が高評価だった。

「『聖女なんだから当然でしょ?』――は? ふざけんな」は、聖女という肩書きを口実に無休で搾取され続けた主人公が、理不尽に耐えかねて国を捨てる痛快なざまぁストーリー。これまで我慢を重ねてきた主人公が本音を爆発させ、国や教会に強烈な啖呵を切るシーンが特に印象的だった。

「【完結】ご報告いたします。妃殿下が現場で神がかっております」は、有能すぎる王太子妃が、王宮での職場体験を通して次々と難題を解決していくストーリー。断章形式でテンポよく魅せる構成力の高さと、一癖あるキャラクターたちの軽妙な掛け合いに引き込まれた。

「【番外編更新】お心のままに動いた結果でしょう?【完結】」
は、主人公が不義の子である妹に婚約者を奪われたことから始まる復讐譚。愚かな王太子と妹を徹底的に追い詰める王道のざまあ展開を、確かな筆力で描き切った高い完成度が評価を受けた。

「『たった10人で砦を守った』事を信じてもらえず追放された最強の傭兵、『呪われた魔境の地』で匿った王女と理想の拠点に作り上げます」
は、褒賞の体で魔境に追いやられた伝説の傭兵が、ヒロインと共に新たな道を探る物語。ドラマが動く直前で連載が止まっている点が惜しまれるが、緻密に構成されたストーリーが見事だった。

「転生第十王子は死にたくない!~辺境に追放されたけど、命が危ういのは変わらないので、怪しいスキルを駆使して生き延びます!~」
は、王位継承争いに巻き込まれた第三王子が、生き残りをかけて悪戦苦闘する作品。「エセ霊媒師」というユニークなスキルに加え、兄弟が次々に断罪される一筋縄ではいかない展開が目を引いた。

「スキル〈散歩〉が最強すぎたので、のんびり旅をします〜」
は、〈散歩〉という一見外れに思えるスキルを引いた少女が、その真価を開花させながら成長するゆるりとした旅物語。心優しい人々との交流が描かれ、作品全体を包む温かな空気が魅力的だった。

「王国一の美女と結婚してみせろと幼馴染に言われたので、 真面目に自分磨きをしていたら女性を沼らせてしまった件」
は、幼馴染に振られたことをきっかけに、王国一の美女と結婚するため騎士を目指す主人公の物語。無自覚に女性を"沼らせてしまう"展開が面白く、強烈な個性を持つヒロインたちも好印象だった。

「炎神龍の愛弟子~隠しダンジョンに転生した少年、裏ボスに育てられ最強の冒険者になる~」
は、転移先の隠しダンジョンで最強の裏ボスに育てられた少年の、痛快な無双劇。主人公の感情表現が豊かで楽しく、圧倒的な強さで敵を倒すカタルシスと、テンポのよいコメディ描写が秀逸だった。


また、上記以外にも、是非出版化を進めたい、あるいは出版化の道を探りたい魅力のある作品については、編集部で改めて検討し、個別にオファーあるいは出版化への挑戦の打診をしていきたい。

受賞作

応募総数2,952作品

開催期間2026年09月01日〜末日


編集部より

無能スキルと判定され追放された転生王子が、母親の幸せとのんびりスローライフを目指して領地改革していく様子にとても温かみがあり、かわいらしい物語だと感じました。軽快な会話劇を軸に終始とても楽しく読み進めることができ、それぞれのキャラクターの魅力も十二分に表現されていました。


編集部より

ポイント最上位作品として、”読者賞”に決定いたしました。本作はキャラクターづくりが丁寧で、主人公の見せたギャップに惹きこまれました。その二面性がもたらす緩急が物語を印象深くしているだけでなく、テンポのよいストーリー展開も相まって、迫力満点の作品でした。


編集部より

王太子妃が身分を隠して「職業体験」をするという設定がとにかくユニークでオリジナリティがあり、冒頭からぐっと物語に引き込まれました。どんどん状況が変わっていくテンポのよさや、脇を固めるキャラクターの多彩さも魅力的です。


編集部より

気高く冷静な公爵令嬢アンネリーゼと、王太子を奪うアマーリエ、二人の母ゾフィーにただならぬ因縁がある点がとても面白く、先の展開が常に気になる作品でした。終盤で、国盗りモノを思わせる大胆な展開に至るのも新鮮です。


編集部より

冒頭から展開が緻密に計算されており、物語の世界観に一気に引き込まれました。主人公のおっさんと逃げてきた偽王女のキャラが非常に魅力的で、年齢を超えたスローライフ仲間として描かれているのが好印象でした。


編集部より

前世でエセ霊媒師だった主人公が、独自の能力を駆使して危機を切り抜けていくという設定が印象的でした。特に、その場に応じてさまざまな死者の霊を使い分けていく展開は、コメディでありつつ納得感もあって秀逸です。


編集部より

〈散歩〉というユニークなスキルを駆使して歩いていくうちに、どんどんチートな能力を獲得していくという設定が印象に残りました。チートだがチートすぎない、ひた向きな主人公のほのぼのスローライフな展開が魅力的です。


編集部より

女性側視点であることが多い”婚約破棄モノ”の男女を逆転させた発想に、オリジナリティを感じました。無自覚なハイスぺ主人公のキャラクターと、彼に惚れ込む女性陣のいずれも個性豊かで、先へと読み進めさせる力を感じました。


編集部より

炎神龍の弟子になるところから始まる壮大な王道バトルファンタジーで、安心感がありつつ、わくわくしながら読むことのできる作品でした。個性的なキャラクターたちとの賑やかな掛け合いも、とても面白く描かれていました。

受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。

奨励賞

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