「。」の検索結果
全体で235,475件見つかりました。
アフリカ東海岸のモザンビークで生まれた青年ヤスフェ。
彼は幼い頃から、奇妙な夢を見続けていた。
巨大な湖のほとりにそびえる異形の城。
燃え盛る楼閣。
炎の中で静かに舞う男。
そして、無数の槍に囲まれた未来の自分――。
やがてヤスフェはポルトガル人に雇われ、故郷を離れる。インド、マカオを経て、宣教師の護衛として極東の島国・日本へ渡った。
天正九年。
京の本能寺で、天下人・織田信長と運命の出会いを果たす。
信長は黒い肌を持つ異国の巨人に強い興味を抱き、自ら「弥助」の名を与えて家臣として召し抱えた。
異国人ゆえに人々の好奇の目にさらされながらも、弥助は森蘭丸、前田利家、前田慶次、羽柴秀吉ら戦国の英雄たちと交流し、武士として成長していく。
しかしその裏で、彼にはもう一つの役目があった。
宣教師たちから託された密命――信長を監視する「耳」としての任務である。
忠誠か、使命か。
故郷を失った男は、激動の戦国時代の渦へと巻き込まれていく。
これは、歴史の陰に埋もれた実在の黒人武士・弥助が見た日本の物語。
そして、あの夢が示した炎の――本能寺へと続く運命の記録である。
文字数 58,157
最終更新日 2026.06.01
登録日 2026.05.30
江戸の町外れの長屋に暮らす生真面目すぎる同心・十兵衛はひょんな事に出会った謎の自称天才絵師である青年・与平を住まわせる事になった。そんな与平は人には見えないものが見えるがそれを絵にして売るのを生業にしており、何か秘密を持っているようで……町の人と交流をしながら少し不思議な日常を送る二人。懐かれてしまった不思議な黒猫の黒太郎と共に様々な事件?に向き合っていく
三十路を過ぎた堅物な同心と謎で軟弱な絵師の青年による日常と事件と珍道中
「ほんま相変わらず真面目やなぁ」
「そういう与平、お前は怠けすぎだ」
(やれやれ、また始まったよ……)
また二人と一匹の日常が始まる
文字数 32,007
最終更新日 2026.06.14
登録日 2025.03.13
江戸城だけではなく、地方の大名家の城にも、同じように奥がある。
大奥ほど巨大でも、厳格でもないが、主君の家族の暮らしを支え、守るのは同じ。
殿さまの妻子は江戸住まいなので、国元の城には、一年ごとに往復する殿さまと、側室であるお部屋さまとその子どもたちが暮らしている。
おようは、下級武士の娘だが、奥女中として、城で働くことになった。
武芸も学問もパッとしないおようが得意なのは掃除。
奥中どこでも掃除して回るおようが目にするのは・・・。
お家を支えているという自負を胸に、おようは今日も奥女中としての勤めを果たす。
架空の藩のお話です。
文字数 26,084
最終更新日 2025.09.27
登録日 2025.05.31
骨董商を営む弥吉は、あちこちをめぐっては珍しい品を仕入れ、その道の酔狂な道楽に売りさばいている。
今日も弥吉の大の得意先、さる藩の家老の家で品物を広げては、家老の気を引こうと熱弁をふるっていた。
この家老は、若い時は切れ者で通っていたようだが、最近は年のせいかいくらか判断能力が劣ってきたのかもしれない。弥吉が持ち込んだ『珍品』をいい値で買い込むこともしばしば。
概してこのような好事家は、一般の人は見向きもしない物、特に『掘り出し物』という言葉に興味を惹かれるようだ。
さて、今日は弥吉からどんな品を買わされるのか。
弥吉が買い集めた商売の品は、濡れ手に粟の儲けにつながるか、はたまた?
それで、これは時代小説なのだろうか、コメディかもしれない。
文字数 133,768
最終更新日 2026.05.28
登録日 2026.05.06
江戸時代中頃、徳川七代将軍家継の生母に仕える大奥の御年寄・江島は、主人の名代として徳川家の菩提寺である上野寛永寺から芝の増上寺へ墓参りに赴いた。その帰り、芝居を見物し、そこで帰城することなく役者を招いて茶屋で宴会を開く。そして大奥の門限に遅れる。この件が露見すると規律の乱れが問題視され、関係者が大勢処罰された。
これが「江島生島事件」として残されているという。
この物語は、この事件からヒントを得て創作したもので、実際の事件、人物とは無関係で架空のものであります。
文字数 44,264
最終更新日 2026.05.28
登録日 2026.05.25
平安の京、按察使の大納言家に仕える女房・揚羽は、美しく奥ゆかしい小百合姫の将来を心から案じていた。いつか麗しい貴公子に見初められ、誰もが羨む良縁を結んでほしい——そう願い、日々奔走する。
しかし、小百合姫が求めてやまないのは、貴公子ではなく、幼い頃からそばにいる揚羽自身だった。
数々の求愛をことごとく拒み、揚羽にだけ熱烈な想いを寄せる姫の行動に、揚羽は困惑しながらも「普通の恋」をさせようと画策する。
ある夜、揚羽が手引きした夜這いの相手——近衛少将・藤原尚夜は、噂に違わぬ美男子だった。完璧な縁と思いきや、姫は冷たく拒絶し、さらには揚羽こそが自分の想い人だと堂々と宣言してしまう。
「それでも好きです!」と諦めない尚夜まで巻き込み、三角関係はますます混乱を極めて……。
古典『虫めづる姫君』をひねった、ちょっとおかしくて甘酸っぱい百合コメディ。
文字数 6,886
最終更新日 2025.12.29
登録日 2025.12.29
戸の町を焼くのは、炎か――それとも、人の欲か。
深川を縄張りにする町火消し「鴉組」の頭・黒瀬弦十郎は、ある夜、日本橋の大火に駆けつける。燃え落ちる乾物問屋。逃げ惑う人々。怒号と火の粉が夜空を埋め尽くす中、弦十郎は“妙な臭い”を嗅ぎ取った。
ただの火事じゃねぇ――。
同じ頃、北前船商人の若旦那・伊三郎は、江戸で不可解な足止めを受けていた。荷受先の問屋が火事で消えたことで、物流が止まり、米相場が揺れ始める。
火事の後に消えた帳簿。
焼け跡に残された謎の船印。
そして、江戸各地で続く不審火――。
最悪の出会いを果たした火消しと商人は、互いに反発しながらも、やがて巨大な陰謀へ巻き込まれていく。
火事で儲ける者は誰だ?
誰が江戸を燃やそうとしている?
だが、この物語は陰謀だけではない。
炊き出しのけんちん汁。
焼き味噌と熱い飯。
潮の匂いが漂う品川湊。
笑い声あふれる深川長屋。
泣きながらも生きる町人たち。
焼けてもなお、人は明日を作ろうとする。
火事と喧嘩に明け暮れる不器用な火消し。
損得勘定で動くはずの若き商人。
居場所を失った少女。
江戸で懸命に生きる人々。
彼らの想いが繋がった時、
“町”そのものが立ち上がる。
圧巻の大火災。
息を呑む海上戦。
胸を熱くする人情。
そして、止まらない謎。
これは、
炎の中で“生きる理由”を探す者たちの物語。
『潮煙りの鴉』
――江戸は、まだ燃え尽きちゃいない。
文字数 18,054
最終更新日 2026.06.04
登録日 2026.05.29
江戸時代。
蝦夷地を治める松前藩にはわずか十二歳で藩主の座についた松前道廣という男がいた。
傲慢で遊び好き、浪費家な性分でありながら文武に優れ、人々からは遅れてきた武士(もののふ)と謳われる男。
側室に加え、吉原遊女を二人も身請けして藩政を傾かせた上に幕府に逆らい続けて終身刑である永蟄居(えいちっきょ)をいい渡されて晩年を過ごした。
そんな男にはかつて正室がいた。
輿入れからわずか五年でその生涯を閉じた花山院家 敬姫(かさんのいん すえひめ)。
この物語は敬姫の足跡を辿りつつ、松前道廣の生涯を綴った随筆である。
文字数 7,390
最終更新日 2026.05.23
登録日 2026.05.23