「丸」の検索結果

全体で2,208件見つかりました。
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幻の11代将軍、徳川家基が生き残っていたらどのような世の中になっていたのか?田沼意次に取立てられて、徳川家基の住む西之丸御納戸役となっていた長谷川平蔵が、田沼意次ではなく徳川家基に取り入って出世しようとしていたらどうなっていたのか?徳川家治が、次々と死んでいく自分の子供の死因に疑念を持っていたらどうなっていたのか、そのような事を考えて創作してみました。
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文字数 84,621 最終更新日 2024.06.01 登録日 2024.05.31
ある日、丑丸(うしまる)の父親が流行病でこの世を去った。 貧乏裏店(長屋)暮らしゆえ、家守(大家)のツケでなんとか弔いを終えたと思いきや…… 脱藩浪人だった父親が江戸に出てきてから知り合い夫婦(めおと)となった母親が、裏店の連中がなけなしの金を叩いて出し合った線香代(香典)をすべて持って夜逃げした。 齢八つにして丑丸はたった一人、無一文で残された—— ※不定期更新ですが、6/30までに完結する予定です
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文字数 306 最終更新日 2024.05.30 登録日 2024.05.30
興国寺城主として大国今川家の駿河侵攻の先鋒をつとめる伊勢新九郎盛時は、優れた軍才の持ち主でありながら、人並外れて慎重な性格であった。彼は近在の寺の老僧秀実としばしば碁を愉しんだが、肝心なところで決め手となる一手を躊躇い、負けを重ねていた。その寺に小間使いとして働く楓という少女がいた。少女は盛時に仄かな憧れを抱き、盛時もまた可憐な少女を好もしく思っていたが、その性格が災いして最後の一歩を踏み出せずにいた。そんな折、堀越公方の「若御所」こと足利茶々丸が楓に目をつけて…。後に戦国の梟雄と呼ばれる北条早雲が、未だ北条早雲となる前の、秘められた悲恋の物語。
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文字数 18,676 最終更新日 2024.05.30 登録日 2024.05.29
老若男女が楽しめる【本物】の【時代小説】が、ここにある! 挿絵として、秋田書店月刊ミステリーボニータに『酒処 春來荘日乗』を連載中の【プロ漫画家】丸岡九蔵先生描き降ろしのイラスト及び 【早稲田大学漫画研究会】の現役学生精鋭による描き降ろしのイラストを掲載しております。 是非そちらもお楽しみください! 【あらすじ】 信州松代藩鬼無里《きなさ》村周辺には、遥か古より鬼女が棲むという。 そして寛延四年(1751年)のこの頃、鬼無里村にある山寺には、鬼の子として忌み嫌われる少年「鬼助」が暮らしていた。 自らの出自も知らぬ鬼助は、里の人々から睥睨の眼を向けられながらも、仲間の助けもあって強く生きている。 ある日鬼助は山の中で、とある怪異に遭遇する。 それは言い伝えにある鬼女なのか。 或いは─── その日を境に、鬼助の運命は、思わぬ方向へと向かっていく。 一方、松代藩では政治が腐敗し財政は逼迫。 武士は汚職と裏金作りに執心し、領民の負担は増すばかりであった。 領民を苦しめる巨悪を倒すには…… 複雑に絡み合う伏線が、やがて一つになり、謎がすべて明かされる─── 史実を基に、紅葉伝説の里を舞台にして描く、超本格王道感動巨編時代劇! あらゆるところに伏線が張られていますのでお見逃しなく。
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文字数 80,156 最終更新日 2024.06.01 登録日 2024.05.06
本能寺の変によって織田信長が討たれた後、後継者争いに勝利した羽柴秀吉は天下統一の事業を推進。 服属を拒む紀伊・四国・九州を制圧し、朝廷より豊臣の姓を賜り、関白・太政大臣に就任した秀吉は、最大の敵対者である徳川家康を臣従させ、実質的な天下人に。 そして天正18年(1590年)、秀吉は覇業の総仕上げとして関東の大部分を支配する北条氏の討伐を開始。 しかし、圧勝が約束されていた合戦は、北条方の頑強な抵抗と豊臣家内部で起きた予期せぬ事件によって失敗に終わる。 この事態に焦った秀吉が失政を重ねたことで豊臣政権は不安定化し、天下に乱世へと逆戻りする予感が広まりつつあった。 凶悪犯の横行や盗賊団の跳梁に手を焼いた政府は『探索方』と呼ばれる組織を設立、犯罪者に賞金を懸けての根絶を試みる。 時は流れて天正20年(1592年)、探索方の免許を得た少年・玄陽堂静馬は、故郷の村を滅ぼした賊の居場所を突き止める。 賞金首となった仇の浪人へと向けられる静馬の武器は、誰も見たことのない不思議な形状をした“南蛮渡来の銃”だった―― 蹂躙された村人と鏖殺された家族の魂、そして心の奥底に渦巻き続ける憤怒を鎮めるべく、静馬は復讐の弾丸を撃ち放つ!
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文字数 10,433 最終更新日 2024.06.01 登録日 2024.05.31
 大坂西町奉行所の仮役与力、阿刀籐伍は芝居好きのまだ半人前の廻り方役人である。ある日、吟味方より奉行からの下命として大坂市中を騒がせる骨董品専門の盗賊「鬼没盗」の探索を命じられた。  籐伍は盗賊探索など全く初めてだったが、従兄弟の同心、真壁恭一郎や定町廻りの河原崎などの協力を得て、鬼没盗の足取りを追おうと苦闘する。そうしたときに、表で売買できない盗品の密売競市「閻魔の市」の情報を得る。籐伍は鬼没盗の次の押し込み先として閻魔の市に注目した。そして閻魔の市に潜入して探索し、鬼没盗に接敵することに成功した。市から逃げる男・巨勢渦彦と戦うことになってしまう。彼は賊一味ではなかったが、渦彦の追う死んだ父の仇も鬼没盗なのではなかと推察し、互いに協力しようと申し出たのだった。こうして渦彦と籐伍は互いの探索の相棒になったのである。  次の探索に行き詰まった籐伍は、父念十郎の親友、東町奉行所の与力・大塩平八郎より鬼没盗を誘う餌、「聖徳太子の未然記」と、囮策の助言をもらう。籐伍は渦彦の紹介で豪商鴻池家の御隠居に協力を要請し、鬼没盗を罠にかける囮一座を開始する。見事に鬼没盗を誘い出すことに成功したが、同時に渦彦は自分と同じ蹴速術を使う賊の首領を取り逃してしまう。  渦彦は一族の門外不出の蹴速術をなぜ使う者がいるのかを確かめる為に、師である叔父・椎根津の元に向かった。姿を消した渦彦を追って籐伍もまた大和に向かう。椎根津の元で二人はある事実を知る。椎根津の弟子であった古瀬稀人という男が蹴速術を学び、渦彦の実家徳陀子神社の秘薬・鬼変薬をも求めているらしいと。鬼変薬は肉体能力を鬼にまで高め、蹴速術を使うと無敵の鬼神術になるという。渦彦の父は鬼変薬譲渡を拒んだので殺されたらしい。鬼変薬入手に失敗した稀人は、薬再現のための記録を求めて歴史遺物を盗んでいるのではないかと想像された。鬼変薬は古代唐の渡来薬だった。全てを語り終えた椎根津は様々な責任を背負って自害した。  大和から戻った籐伍と渦彦は、鴻池の御隠居から噂を聞いた。賊の出現する夜の天保山に灘と行き来する船があらしい。籐伍は鬼没盗が船を足として移動していると考えた。灘で船の船屋を発見した籐伍は鬼没盗を一網打尽にすべく天保山と灘に捕り方を配置して捕縛を決行する。天保山に臨んだ籐伍と渦彦は蹴速術を使う複数の賊と戦い、稀人らを船に逃してしまった。だが二人は出航直前の船に乗り込み船上での決戦に挑んだ。渦彦と稀人は兄弟弟子になるが技は兄弟子稀人が上だった。渦彦は最後の助言「蹴速を忘れろ」を実行する。そして格上の稀人と相討ちに持ち込むことに成功した。そして籐伍も想像しなかった結末を迎えることになるのだった。
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文字数 192,263 最終更新日 2024.05.30 登録日 2024.05.30
戦国時代、北伊勢(三重県北部)に実在した山路三兄弟(山路種常、山路正国、長尾一勝)の波乱万丈の生涯を描いてまいります。 非常に長い小説になりましたので、三部形式で発表いたします。 第一部・山路弾正忠種常編では、三兄弟の長兄種常の活躍を中心に描いてまいります。 戦国時代を山路三兄弟が、どう世渡りをしていったのか、どうぞ、お付き合いください。 (タイトルの絵はAIで作成しました)
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文字数 12,011 最終更新日 2024.06.01 登録日 2024.05.29
明治12年琉球処分があった直後の大阪、松島遊廓の用心棒、鳥辺野火夏はヤクザ者に襲われる青年、龍真魚と出会った。彼は琉球拳法の使い手で、不思議な技「縮地」を操った。真魚と火夏は意外にも気が合い、ともに武術修練を始める。やがて真魚の住む琉球商館がヤクザ者に襲われた。真魚は奪われた宝物を奪還に後を追った。それを知った火夏もまた真魚を追う。火夏は襲撃者賽王組の倉庫で真魚を見つけ、ともに賽王組を叩き潰して宝物を奪還した。そして火夏は、真魚が琉球宮家の護衛者で、清への亡命工作のために大阪にいることを知る。果たして真魚は宮家を無事に清への亡命をさせることができるのか。火夏はそれを助けられるのか。
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文字数 32,500 最終更新日 2024.05.29 登録日 2024.05.29
時の関白豊臣秀吉を嫌う茶々姫はあるとき秀吉のいやがらせのため自身の養父・故柴田勝家の過去を探ることを思い立つ。主人公の木下半介は、茶々の命を受け、嫌々ながら柴田勝家の過去を探るのだが、その時々で秀吉からの妨害に見舞われる。はたして半介は茶々の命を完遂できるのか? やがて柴田勝家の過去を探る旅の過程でこれに関わる人々の気持ちも変化して……。
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文字数 114,769 最終更新日 2024.05.28 登録日 2024.05.04
山で家族と暮らす、元忍びのカザリ。念願の奉公先が決まったが、そこは(幽霊屋敷)として有名な武家だった。しかも、家族は全員、鬼の面をつけている。奥座敷に出るという恐ろしい幽霊と、面の呪いの噂。カザリは弟の星丸と共に、謎を解き明かそうとするが…。
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文字数 104,784 最終更新日 2024.05.29 登録日 2024.05.29
紀元前8世紀、黄河流域中国古代。戦乱の春秋時代に滅亡の際に立たされた国があった。 晋という小国は、本家と分家に分かれ、血で血を洗う争いをしていた。それはまさに、晋の滅亡につながる。本家の重臣である欒成は少年君主を支えながら、晋の滅亡にあらがっていく。
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文字数 1,460 最終更新日 2024.05.30 登録日 2024.05.30
 その男は、幼名を“奇妙丸”という。人の名前につけるような単語ではないが、名付けた父親が父親だけに仕方がないと思われた。  父親の名前は、織田信長。その男の名は――織田信忠。  稀代の英邁を父に持ち、その父から『天下の儀も御与奪なさるべき旨』と認められた。しかし、彼は父と同じ日に命を落としてしまう。  明智勢が本能寺に殺到し、信忠は京から脱出する事も可能だった。それなのに、どうして彼はそれを選ばなかったのか? その決断の裏には、彼の辿って来た道が関係していた――。  ◇この作品は『小説家になろう(https://ncode.syosetu.com/n9394ie/)』でも同時掲載しています◇
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文字数 562,006 最終更新日 2024.02.03 登録日 2023.12.23
時は千年前――日ノ本の都の周辺には「鬼」と呼ばれる山賊たちが跋扈していた。 そこに「百鬼の王」と怖れ称された「鬼童丸」という名の一人の男――。 鬼童丸のそばにはいつも一人の少女セナがいた。 セナは黒衣をまとい、陰にひそみ、衣擦れの音すら立てない様子からこう呼ばれた。 「愛宕の黒猫」――。 そんな黒猫セナが、鬼童丸から受けた一つの密命。 それはのちの世に大妖怪とあだ名される時の帝の暗殺だった。 黒猫は天賦の舞の才能と冷酷な暗殺術をたずさえて、謡舞寮へと潜入する――。 ※コンセプトは「朝ドラ×大河ドラマ」の中高生向けの作品です。  平安時代末期、貴族の世から武士の世への転換期を舞台に、実在の歴史上の人物をモデルにしてファンタジー的な時代小説にしています。 ※※誤字指摘や感想などぜひともお寄せください!
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文字数 177,909 最終更新日 2024.03.24 登録日 2024.03.22
 織田信長によって「鬼武蔵」という異名をつけられた若き武将・森長可。主君の命により敵味方に恐れられるべき鬼として振る舞い続ける猛将の人生は、本能寺の変という歴史的大事件の発生によって激変していく。寄りかかるべき大樹であった主君と実弟・蘭丸を喪い、生きる意味を見失いかけた彼であったが、偶然見つけた槍の好敵手に狂気そのものの執着をすることで自らを奮い立たせ再び修羅の道へと突き進んでいく。  狙うべきは―――かつての僚友であった、岩崎城の丹羽氏次と美貌の弟・氏重兄弟の首のみ。  まず、歴史・小説大賞の応募作として一部完結とさせていただきます。第二部では羽黒の戦い、岩崎城の戦い、最後に小牧・長久手の戦いが中心となりますのでご期待ください。
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文字数 121,617 最終更新日 2018.06.02 登録日 2018.04.30
神坂(こうさか)藩の家老、谷崎家の用人として仕える老剣客、テラモンこと寺田文右衛門の日常を描いた連作長篇💬🤗 ※現在、アルファポリスだけの公開です💡 主な登場人物 (全編共通) ○寺田文右衛門 ○弥七︰谷崎屋敷の中間 ○谷崎家老 (第一話 家宝は寝て持て!) 長山権兵衛︰浪人。ゴンさん。 佐吉︰弥七の知り合いの大工 お珠︰佐吉の娘。実は、幼い頃、盗賊に一家皆殺しにされたのを佐吉が育てている。 平野屋︰山陽、山陰を中心に勢力をのばしつつある新興商人 (第二話 羞恥の向こう側) 多恵︰山本家の長女 山本正二郎︰多恵の叔父 (第三話 殺らずの雨) ふさ恵︰藩主直属の忍びの組織“御筆組”の女忍 木下太左衛門︰ふさ恵の祖父。 小野寺次郎右衛門︰仇討ち旅の若者 田所源吾︰水夫頭、実は浪人 福島兵庫︰謎の若侍 琴江︰舟宿の女将 (第四話 感謝の対価) 佐々木世之介︰感謝の言葉を一切口にしない不思議な青年 種田武雄︰勘定吟味方副支配 桃華︰武雄の妹。藩公の側室。桃華の方。 (第五話 譲りの善右衛門) 井上善右衛門︰一羽流三羽烏 丸目吉之助︰一羽流三羽烏 谷沢藤兵衛︰一羽流三羽烏 (第六話 神様お願い……) 矢杉八右衛門︰ちえの父 ちえ︰八右衛門の一人娘 初︰はつ。謎の美女 おヨネ婆︰稲荷社に棲んでいる謎の老婆 (第七話 橋の上の女……) ※表紙イラスト︰武藤 径 さん。いつもありがとうございます、感謝です🤗 武藤径さん https://estar.jp/users/157026694 タイトル等は紙葉が挿入しました😊
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文字数 101,815 最終更新日 2024.05.31 登録日 2022.07.31
 中国古代×オカルトコメディ怪異譚。そして青春のモラトリアム。  紀元前6世紀、春秋時代。中国は山西省に晋という大国があった。いずれ大臣として国を担う若い貴族たちは研鑽どころか、怪異に巻き込まれたり踏み入れたりとドタバタしていた。  大貴族の後継ぎ、有能だが傲岸不遜な青年『士匄(しかい)』は、難癖をつけてきた狂人を返り討ちにする。 しかし、それは怪異の始まり。 雑多な霊に憑かれはじめ、果てには親子ともども処刑の危機へ。 後輩で相棒の『趙武(ちょうぶ)』と共に怪異に立ち向かう。【一章】  史記や春秋左氏伝に多く描写される軍事大国・晋にて、宰相たちの若い頃。  文武両道でイケメンだけど傲岸不遜かつ自信家すぎてざんねんな主人公・士匄(しかい)と、美少女風美青年で生真面目ド根性な後輩・趙武(ちょうぶ)がバディとなり、呪い、祟り、怪異の謎を解いたり対峙する、中編連作。  春秋時代といえば、夢で祟られたり、兎が二足歩行で踊っていたり、五日前に死んだ人が生き返ったり、青い虹が出たり。そんな不思議な部分を拡大解釈した怪異譚。
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文字数 131,522 最終更新日 2023.06.30 登録日 2023.05.24
父の仇(あだ)に許された 郤缺(げきけつ)は謀議に巻き込んできた大貴族に無理やり犯された。それは共犯者の道であった 舞台は紀元前630年頃。現在の山西省に晋という国があった。いわゆる春秋時代の大国である。 逆臣を父にもつ郤缺は野に隠れていたが見つかり、文公に仕えるようになる。人々にとってて賢君の文公であるが、郤缺にとっては跡目争いのあげくに敵方だった郤缺の父を処刑した男であった。 郤缺は、父の仇に許され生き長らえることとなる。 春秋左氏伝を元に好き勝手ストーリーをねじ込み、人間関係を想像の翼を思いきり働かせて捏造構築、史書には脇役のように出てくる郤缺さんの半生を中心とした群像劇です。 序盤数話に五十代半ばのおじさんが三十代半ばの郤缺を囲って愛人にしているBLシーンがあります。具体的な性描写はありませんがR15
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文字数 505,591 最終更新日 2023.04.16 登録日 2023.02.08
応仁の乱から六十年。信長登場以前の戦国時代がここにある。 第一章 動乱前夜  茶聖・千利休誕生の前年、将軍義稙公が出奔。天皇践祚の儀に将軍が列席しないという前代未聞の事態に幕府は動揺する。しかし、細川高国は一顧だにせず、次の将軍義晴公を擁立した。  そんな中、堺の今市町にある千屋では、赤子の誕生を今か今かと待っていた。風雲急を告げるかのような雨が俄に降り始めたが、赤子は無事産み落とされる。のちに茶聖と呼ばれた千利休であった。  その千屋に赤子の千熊丸を連れた三好家の重鎮・三好之秀が訪れたのはその年のことである。三好之長が討死して以後、之長の四男・元長が家督したが、三好氏は主君細川澄元とともに阿波へ逼塞し、澄元亡き後は澄元の子・六郎|元《もとい》を奉じていた。斜陽の三好宗家を余所に之長の異母弟・|長《なが》|尚《なお》は高国に通じ在京して力を付けていく。危機感を覚えた之秀は千屋の当主・与右衛門と組んで十河氏への介入を強めた。  翌年に入ると、堺を潤していた日明貿易に陰が差した。大内氏と細川氏の対立が、貿易先の明で激化、寧波の乱を引き起こす。博多からの知らせで事件を知った津田宗柏は田中与右衛門に話して聞かせるのであった。  大永四年、細川尹賢への褒美として典厩邸御成を快諾した義晴の御前に高国が伺候する。御成の準備に余念がない同朋衆・千阿弥に義晴は高国饗応の茶を点てるよう命じた。  数日後、細川典厩邸御成では、細川一門が勢揃いし、評定衆らも名を連ね、虎益丸と宮寿丸の元服が話題に上る。宴は盛り上がったが、香西元盛が酔って尹賢を詰った。元々仲が悪い二人であるが、面目を失った尹賢は元盛を陥れることを画策しはじめる。  御成から半年弱が過ぎたある日、細川京兆邸にて高国、稙国、持国、虎益丸、聡達丸が夕餉を囲んでいた。話題に挙がるのは、先年総州家の家督を継いだ畠山義宣挙兵の噂である。稙国出兵を決めた高国だったが、事態は思わぬ方向へと進む。    稙国出兵と入れ違うように、武田元光が京の警固の任に就くため若狭を立った。これは、細川高国が細川元常のくわだてた河内・和泉の奪還作戦に対して稙国以下三〇〇〇の兵を畠山稙長の援軍として派遣したためである。武田元光は一路、朽木谷を目指した。  朽木谷に入った武田元光は、朽木稙綱と酒を酌み交わす。外様衆であり、将軍家直参の朽木氏は将軍家の盾であったが、六角氏の圧力によってその傘下に収まりつつあり、独立不羈を願う朽木氏としては苦々しさを隠せなかった。武田元光と朽木稙綱は細川高国政権に危うさを見ていたが故に歩調を合わせようとする。
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文字数 91,593 最終更新日 2023.07.01 登録日 2022.03.17
(時代小説新人賞最終選考落選歴あり、別名義、別作品) 密偵斬りの任を人吉の領主である相良(さがら)義陽(よしひ)から命じられている丸目蔵人佐長恵(まるめくらんどのすけながよし)。  彼はある時、特別の命を受けて平戸の地へと向かう。目的は、他の国が南蛮の最新式の兵器を手に入れるのを防ぐこと。弟子にして中国拳法の遣い手の明人、伝林坊頼慶(でんりんぼうらいけい)、偶然蔵人のもとを訪れていた兄弟子の疋田文五郎(ひきたぶんごろう)と共に目指す土地へと旅する一行は、野武士(のぶせり)に襲われ廃墟となった村で夜襲を受ける――
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文字数 74,891 最終更新日 2024.05.26 登録日 2024.05.25
「思い出乞ひわずらい」の続きです。先にそちらをお読みになってから閲覧よろしくお願いします。 織田信長の嫡男として、正室・帰蝶の養子となっている奇妙丸。ある日、かねてより伏せていた実母・吉乃が病により世を去ったとの報せが届く。当然嫡男として実母の喪主を務められると思っていた奇妙丸だったが、信長から「喪主は弟の茶筅丸に任せる」との決定を告げられ……。
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文字数 17,990 最終更新日 2024.04.10 登録日 2024.04.01
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