異世界で配信始めます〜滑舌が悪くなるスキルのせいで、魔王を倒すことになりました。勇者じゃなくて勇太なんだが?〜

技術革新により、超長距離ワープが可能となった日本では、別の世界に行けるようになっていた。
ワープの際に肉体が変質し、スキルと呼ばれる特殊能力に目覚めることが判明した。
別世界での冒険を配信する異世界配信が流行し、
若者達は有名配信者を目指した。

主人公の後藤勇太(ごとうゆうた)もその一人。
一攫千金を夢見て旅に出た。

「よし、やるか! 一発逆転を狙うには異世界配信しかない!」

世界的な異世界配信サイト『ワールドキャスト』に接続し、配信を開始した。

「あ、あー。えっと、初めまして勇太って言います。これから異世界配信を始めます」

コメ:初見です。
コメ:アタリのスキルを引けるといいね!

ワープの光に包まれると、体が浮いたような不思議な感覚に陥る。
脳内にスキルの情報が流れた。

「あなたはスキル『絶望的な滑舌』を獲得しました」

足裏に地面を感じて目を開けると、赤い絨毯が敷き詰められた広い場所に居た。

「じぇちゅびょうちぇきにゃきゃちゅじぇちゅぢゃっちぇ?」
※絶望的な滑舌だって?

コメ:滑舌ワロタwww
コメ:ハズレスキルキターw

どうやら、滑舌が悪くなるだけのスキルのようだ。

「この光は! もしや、伝説の勇者ではないか?」

声の先には王様のような男が座っている。

「世界は魔王により滅亡の危機に瀕している。勇者よ、世界を救ってくれぬか?」

滑舌が悪くなった一般人に何を期待しているのだろうか。

コメ:そのスキルで魔王倒したら三億のマネーチャットやるよw

……三億だと?

「みゃおうちゃおしましゅ!」
※魔王倒します!

コメ:無理だろ!w
コメ:お前に何ができんねんwww

三億のために俺は魔王を倒す!


――――――――――――――――――――――――――
勇太のセリフは、滑舌が悪いため※で翻訳しています。
24h.ポイント 0pt
0
小説 184,047 位 / 184,047件 ファンタジー 42,265 位 / 42,265件