港町小説一覧

件
5
件
潮の匂いが、暮れなずむ町にゆるやかに満ちていく。
港町ルアーナ。
その一角、名もない居酒屋の火が、今宵もまた静かに灯る。
店を預かるのは、かつて剣を振るった男──ベネリオ・ファルカ。
冒険の時代を過ぎ、今は炭を起こし、魚を焼く。
潮と火の香りが交わるとき、人もまた、何かを交わしにやってくる。
誰もが、ひと皿の料理とひとときのぬくもりを求め、
朱色の庇の下に腰を下ろす。
火を囲み、語らずとも伝わるものがある。
それは潮の記憶、焦げ目の香り、季節の影。
変わらぬ炭火のなかで、変わりゆく心がぽつり、ひとつずつほぐれていく。
──これは、名もない店と、その夜ごとの物語。
潮の香りに引かれ、誰かがまた、戸を開ける。
※毎日19時更新。
※投稿はアルファのみです。
※サブタイトル変更
文字数 89,758
最終更新日 2025.06.29
登録日 2025.06.05
数々の国を荒らして遊んでいた海賊オリョールはある時、女王陛下の命により港町ダークヘイヴンの領主に選ばれる。しかしこの領地には数々の問題があった。
当面の問題は冬越しの金だ。
海賊上がりの青年が、友人の娘と共に領地であるダークヘイヴンを再建していく。
文字数 80,159
最終更新日 2024.10.30
登録日 2024.01.20
文字数 13,622
最終更新日 2021.03.09
登録日 2021.02.27
海辺の町の高校に通う坂本宗一郎は、海を見下ろす高台にある一軒家で暮らしている。
部活動が終わり、いつものように自宅へと続く「月見坂」を上って帰宅する途中、道中で出会う猫たちの様子がおかしいことに気づいた。そこには、多くの猫たちに囲まれ、うずくまる一匹の灰色の猫の姿があった。
文字数 5,958
最終更新日 2021.02.27
登録日 2021.02.27
5
件