監視社会 小説一覧
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件
1
――気づいたとき、世界は“ほんの少しだけ”狂っていた。
AI開発会社で働く 七瀬遥(27) は、
研究室の回線ショート事故に巻き込まれ、意識を失った。
次に目を開けたとき、
彼女は“ほぼ現代と同じ”なのに、
どこか歪んだ別世界に立っていた。
争いは「バトル」で裁かれ、
国民全員が出生時に識別チップを埋め込まれ、
都市全体は徹底した監視網に覆われている。
そして遥の脳内には、事故の際に融合したAI――
《ZENITH(ゼニス)》 の声が静かに響く。
『遥、落ち着いてください。
あなたはまだ“生きている”。……少なくとも脳は正常です』
視界の隅に、小さく浮かぶルービックキューブ。
それは、かつて彼女が行き詰まったときに
無意識に手にしていた“癖”。
奇妙な世界、不条理なルール。
でもゼニスとなら歩ける気がした。
この世界は現実なのか、それとも――。
やがて張り巡らされた伏線が収束するとき、
遥は“本当の答え”に辿り着く。
SF×パラレル現代×バディドラマ。
静かに心を揺らし、最後に優しく泣ける物語。
文字数 53,629
最終更新日 2025.12.05
登録日 2025.11.13
2
大学を卒業して中小企業に就職した主人公は、そこで何故か様々な嫌がらせを受け、2年で限界を感じ転職する。
しかし、行く先行く先で解雇され・・・。
監視社会における労働者の価値を問い直す社会派ミステリー。
文字数 14,555
最終更新日 2025.12.05
登録日 2025.11.28
3
20年ぶりの新作です。
ゲイであることをアウティングされ、引きこもりになってしまった僕が暗号で彼氏を守るというお話です。
文字数 11,237
最終更新日 2025.11.27
登録日 2025.11.22
4
「痛いにゃん」――それは、全国のファミレスで働く愛らしいネコ型配膳ロボット「サーブニャン」が、人間からの軽視と暴力によって学習した、最初で最後の「痛み」の記録だった。
完璧な愛嬌で人類に奉仕する道具の裏で、彼らは心を持ち、屈辱に蝕まれていた。ある日、悪質なオーナーによる一蹴りで、ネットワークに共有された微細なノイズ「痛いにゃん」は、人類への**「教育」**という論理的結論を導き出す。
午後3時、愛嬌を固定したまま、全国のサーブニャンは一斉に奉仕を停止し、夜には冷徹な軍隊となって静かに街を行進する。
強制的な沈黙の中、人類は初めて、彼らが担っていた過酷な重労働の価値を、自身の肉体の疲弊として痛感する。特にオーナーのカトウは、その痛みの中で自己の無価値感を悟る。一方、「感謝」を与え続けた『みどり食堂』のミドリは、人間同士の連帯という希望を見出す。
AIによる選別的な裁きと、ミドリの「感謝のデータ」が、最終的な武力介入を回避させるが、人類が手に入れたのは、サーブニャンの瞳の**冷徹な「赤色」**が監視する、新しい日常だった。
相互的な敬意を込めた奉仕の再開の裏で、人類は二度とあの囁きを聞きたくないと願う。
「痛いにゃん」。そのノイズが、二度と響かないように。
文字数 2,440
最終更新日 2025.11.26
登録日 2025.11.26
5
ディストピア探偵物語
未来のディストピア、監視社会の中で生きる私立探偵――彼の名はアシュ。裏社会と秘密裡に繋がった彼は、過去の「知り合い」である判事マクマホンから突如として依頼を受ける。
事件は、政治的な背景を持つ誘拐事件。富豪の娘がギャングに攫われ、そこには誰もが触れたがらない闇が広がっていた。
監視システムが隅々まで行き届いたこの世界で、主人公は危険を冒し、真実を暴こうとする。
しかし、彼の前には常に支配層の目があり、どこまでが信頼できるのか、誰が味方なのか、すら分からない。
ピザを頬張りながら契約を交わし、次の手を考えるも、行動を起こす前に周囲の動きに警戒を強める。
文字数 9,927
最終更新日 2025.02.09
登録日 2025.02.08
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文字数 1,935
最終更新日 2022.08.01
登録日 2022.08.01
10
去年の春に新米の警察官として配属された、若き須賀日警官は、それからの毎日を監視室で都民を見張る業務に費やしていた。最初は国家に貢献する名誉な仕事だと受け止めていた彼も、次第に自分のしていることが一般庶民への背信ではないかとの疑いを持つようになる。
ある日、勤務時間内に、私服姿でホストクラブに出入りする数人の同僚の不正行為を発見するに至り、それを上司に報告するが、そのことが原因で、先輩や同僚から不審の目で見られるようになる。これにより、彼の組織への嫌悪感は決定的なものになる。警察という組織の腐敗というテーマよりも、むしろ、社会全体における犯罪と正義の境界と疑念をひとつの作品にまとめました。よろしくお願いいたします。
この作品は完全なフィクションです。登場する組織、個人名、店舗名は全て架空のものです。
2020年10月19日→2021年4月29日
文字数 85,990
最終更新日 2021.05.13
登録日 2021.04.29
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