現代文学 心温まる 小説一覧
8
件
1
2
この世で最も厄介なのは、死者(ゴースト)か、生者(人間)か――。
神山ジンは、この世に未練を残した霊たちを浄化する、腕利きのゴーストバスター。しかし、その信条は「霊はただのバグだ。感情を挟まず、処理するだけ」。過去に大切な人を失ったトラウマから、彼は心を固く閉ざし、誰にも深入りせず、ただ淡々と仕事をこなす日々を送っていた。普段はお調子者で明るく振る舞うが、ひとたび現場に立てば、一切の感情を排したクールな機械へと変貌する。それが、彼が自分を守るための、唯一の方法だった。
そんな彼の孤独で完璧な日常は、二人の厄介な「侵入者」によって、音を立てて崩れ始める。
一人は、太陽のように明るく、猪突猛進な押しかけ助手、桜井ミソラ。ジンの除霊姿に一目惚れし、「師匠!」と呼びながら、台風のように彼のテリトリーに踏み込んでくる。彼女の存在は、ジンの閉ざされた心に、温かい光と、絶え間ない騒動をもたらす。
そして、もう一人(一体?)は、彼が初めて「処理」できなかった幽霊の少女、サキ。古い一軒家に囚われていた彼女の、あまりにも悲しい記憶に触れてしまったジンは、これまでの信念を曲げ、彼女を事務所に連れ帰るという禁忌を犯してしまう。
こうして始まった、腕利きゴーストバスターと、人間と幽霊、二人のワケあり助手による、奇妙で騒々しい共同生活。たった一個のプリンを巡って繰り広げられる、人間と幽霊の仁義なき戦い。軽口とツッコミが絶えない、笑いに満ちた日々。
しかし、物語は単なるドタバタコメディでは終わらない。SNSの炎上に心を砕かれたアイドル、長年の想いを伝えられなかった老夫婦……。ジンたちが向き合うのは、様々な「心残り」を抱えた霊たちの、切ない魂の叫びだ。「なぜ、彼らはそこに留まるのか?」――その問いは、やがて、人間の愛と執着、そして「伝えることの大切さ」という、深く普遍的なテーマへと繋がっていく。
サキの過去を辿る旅は、いつしかジンが自らの心の傷と向き合う旅へと重なっていく。仲間との絆を通して、彼は本当に「救う」とは何か、そして「人の価値」とは何かを知る。これは、魂を解放する物語。そして、残された者たちが、再生していく物語だ。
「幽霊」がもたらす切なさと、「プリン」に象徴される笑える日常。そして、「師匠」と呼ばれることで育まれていく、不器用で、どうしようもなく愛おしい絆。
笑って、泣いて、最後には心がじんわりと温かくなる。そんな不思議な日々を、あなたも一緒に覗いてみませんか?
文字数 149,008
最終更新日 2025.09.19
登録日 2025.06.17
3
4
5
「その匂いだけは、ずっと嫌じゃなかった。」
――“におい”から始まる、静かであたたかい再会の物語。
図書館司書として働く28歳の綾香は、極度の嗅覚過敏を抱えながら日々を生きている。
満員電車の香水、職場の柔軟剤、すれ違う誰かの整髪料……「におい」が原因で、人との距離をうまく取れずにきた。
そんな彼女がある日、返却された古本に、ふと“懐かしい匂い”を感じる。
それは高校時代、美術室の午後に隣にいた、あの人の匂いだった。
名前も声も交わせなかった過去。
けれど「匂い」だけが記憶の中で確かに残っていた。
静かにすれ違う再会。
香りでしか距離を測れなかった彼女が、はじめて“人と寄り添う”ことを願いはじめる──。
「匂いは、思い出じゃない。
いまも、ここにいる証なんだ。」
五感が揺れる、心の再生ストーリー。
文字数 279,629
最終更新日 2025.07.05
登録日 2025.06.14
6
東京で編集者として働く美月は、五年ぶりに実家へ戻る。倒れた父の容体を心配してのことだったが、久しぶりの帰郷は、忘れかけていた記憶と感情を呼び覚まし始める。
かつては当たり前だった日々の光景。母の作る朝食の匂い、父との将棋、庭の梅の木。それらは美月の中で、いつの間にか色褪せていた。しかし、日々を過ごすうちに、美月は自分が気づかぬうちに閉ざしていた心の扉が、少しずつ開いていくのを感じる。
父の書斎で見つけた古い日記、丁寧に保管されていた子供の頃の作文、そして父が密かに読んでいた美月の小説。言葉にできなかった想いは、別の形で確かに存在していた。
「人間は言葉にできないことが多すぎる。だから、お前のように言葉を紡げる人間は大切なんだ」
父のその言葉が、美月の人生を変えるきっかけとなる。
繊細な筆致の本作は、普段は口にしない感情や、心の奥底で灯り続ける家族の絆を静かに、しかし力強く描き出す。そこには悲劇的な出来事はなくとも、日常の中に潜む小さな感動と再生の物語があり、読む者の心に静かな余韻を残す。
雨音のように繊細に降り注ぐ言葉たちが、心という名の小さな花を育んでいく―。
文字数 12,789
最終更新日 2025.05.20
登録日 2025.05.20
7
ある精神病院に入院している患者目線からのお話。なんだか希望が持てる、良い話系を目指しました。2000年、つまり20世紀最後の年は、2000年問題が騒がれたり、ミレニアムが流行語になったり。まだ、宇多田ヒカルがデビューして間もない時代だったもんなあ。
追記:精神病院関連の話をシリーズとしてまとめることにして、シリーズタイトルを変えました。
文字数 3,900
最終更新日 2024.01.24
登録日 2023.12.02
8
私は、ある日特殊な能力を持っていることに気付く。
それから街で苦しむ人の心から発せられる叫びを探しては、様々な人の命を救う。
しかし、その能力には副作用があって、その副作用に気付くのにはあまりにも遅すぎた。
小説家になろう・カクヨム・エブリスタ・NOVEL DAYS・LINEノベルでも掲載。
文字数 12,730
最終更新日 2020.05.29
登録日 2019.10.16
8
件
アルファポリスの現代文学小説のご紹介
アルファポリスの現代文学小説の一覧ページです。
ヒューマンドラマや純文学を中心とした現代文学が満載です。
人気のタグからお気に入りの小説を探すこともできます。ぜひお気に入りの小説を見つけてください。