美食 小説一覧
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大手広告会社を退職した雨宮ほのかは、祖父の遺言で東京の片隅にある古い喫茶店
「カフェ・ルミエール」を継ぐことになる。
常連は少なく、豆の在庫は半端、店内の時計はどれも少しずつ遅れている。
再就職も考えながら店を片づけていた彼女は、祖父のレシピ帳に奇妙な一文を見つける。
「二十七秒、三周半、最後に一粒。記憶は香りに宿る」。
半信半疑で淹れた一杯を飲んだ客は、突然“前世の断片”を思い出す。
それは超能力でも奇跡でもなく、今を生きるために必要な感情の整理だった。
職場で声を上げられない新人は、前世で仲間を守れなかった後悔から勇気を得る。
離婚寸前の夫婦は、前世で結ばれなかった二人の未練を知り、今度こそ言葉を交わす。
失くし物を探す少年は、前世の職人の手の記憶で、家族に渡すべき本当の贈り物に気づく。
一話完結で積み重なる小さな再生の物語。
客を見送るたび、ほのか自身も「失敗した自分は価値がない」という思い込みを少しずつ手放していく。
そして閉店間際に必ず現れる、古い懐中時計を買い付ける無口な古董商・槙野。
彼が時折見せる懐かしい眼差しの理由は、ほのかの前世にも繋がっていて――。
湯気の向こうに、誰かの明日がやわらかく見えてくる。
美味しさと救いを一緒に届ける、東京路地裏ヒーリング・グルメ小説。
文字数 15,392
最終更新日 2026.03.17
登録日 2026.03.17
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第一王子に濡れ衣を着せられ、悪役令嬢として辺境の村へ追放された公爵令嬢エリアーナ。絶望の淵に立たされた彼女は、前世の現代農業知識と類稀なる探求心、そして料理への情熱を武器に、荒れた土地で一歩ずつ農業を始める。貧しかった村人たちとの絆を育みながら、豊穣の畑を築き上げ、その作物を使った絶品の料理で小さな食堂「エリアーナの台所」を開業。その評判はやがて王都にまで届き、エリアーナを貶めた者たちの運命を巻き込みながら、壮大な真実が明らかになっていく――。これは、逆境に負けず「食」を通じて人々を繋ぎ、自分自身の居場所と真の幸福を掴み取る、痛快で心温まる追放・ざまぁサクセスストーリーである。
文字数 24,131
最終更新日 2025.07.19
登録日 2025.07.19
3
大伝馬町、木綿問屋街にある葉茶屋三好屋の一人娘『おみつ』は、
他の江戸娘と比べ少しふくふくとした娘である。
『おみつ』がふくふくとする原因は『おみつ』のとある力にあって……。
歌舞伎役者のように美しい藍屋若旦那『一太』からの溺愛に気づかず、
今日も懸命に菓子などを頬張る『おみつ』の少し不思議な日常と恋のお話。
第五回歴史・時代小説大賞で大賞&読者賞を頂きました。応援ありがとうございます。
文字数 62,551
最終更新日 2020.10.29
登録日 2019.04.15
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