「横断歩道」の検索結果
全体で86件見つかりました。
僕らは自由である。
今は夜、目の前の横断歩道の中央に、小さなおばぁさんが大きな荷物を背負い、杖をついて歩いている。
信号機はすでに赤になり、車が動き出した。
トラックの運転手を見ると、彼は年を取った男性だった。
彼はぼぉっとすました顔をしていた。
文字数 439
最終更新日 2020.07.02
登録日 2020.07.02
第1章 スローモーション
その日、僕は伸び過ぎた後ろ髪の処理に、悪戦苦闘していた。何故か右側の、襟足だけ伸びてくると癖っ毛になる。解り易く言えば、『田村正和』の あの、もっさりとした後ろ髪風になってしまうのだ。僕のイメージのヘアースタイルは、あくまで『尾崎豊』であって、決して鼻の詰まった猫背の、オッさんではない。どうにかして、古畑任三郎風襟足をなんとかせねば。手鏡を片手に洗面台に映った後頭部に、くしで髪をとかすが反射されて動作が逆になる為、なんとも勝手が悪い。かれこれ10分は格闘している。早くせねば、集合時間は刻々と迫っている。こんなことなら昨日やっぱり、美容院に行っとくべきだったか。でも、そこまで気合いを入れる程、今日の【催し物】に期待も興味もなかったのだが。むしろ、行くのが億劫なくらいだ。会社の行事だから仕方がない、半ば強制参加。それに僕は、若干21歳にして班長という役職につき将来を有望視された人材である(自分で言うのもなんだけど)尚更、会社の行事には、休日であろと参加せざるを得ない。たとえ、それが 【集団見合い】だろうと…
ほどなくして僕は、集合場所である東岡崎駅のロータリーに着いた。自宅からここまでは車で来て、駅前パーキングに停めた。集合時間の15分前、僕は時間にはわりかし、きっちりしている方だ。辺りを見渡すがまだ誰も来ていない。ここから会場である蒲郡の『三河湾リゾートリンクス』には電車で行く手筈となっている。地下に伸びている駅階段から、加藤君と工藤君が現れた。「早いね~気合い入ってる人は!」開口一番、加藤君が冷やかした。本日の男性陣リーダーである。仕事は、何をやっても橋にも棒にもならないが、遊び、特にオンナ絡みの事には俄然威力を発揮する男で、2歳上という事もあり僕は彼に一目置いている。工藤君は相変わらず、にゃァ~としているだけの男である。黙っていたら、そこそこハンサムなのだが、喋ると東北訛りが凄く、しかも小声で毎回何を言っているのかよくわからない。きっと今日は顔だけで抜擢されたのだろう。「工藤君、今日は喋らなくていいよ。ずぅ~っと黙っときな」アドバイスしてやったが、にゃァ~と笑うだけだ。イマイチ何を考えているのかよくわからない。俗に言う頭がピーマン。神様は残酷だ、何故その顔にその頭を付けたのか?まさに天は二物を与えず。そうこうしていると、歩道橋を渡って小森君がやって来た。方向からして彼も車で来たらしい、同い年同じB型いわゆるライバルってやつで会社でも何かと比較される。こういう時の彼は闘志むき出しだ、今日は並々ならぬ決意できたのであろう身体からの、オーラがハンパない。あえて無視をした、面倒くさいからである。最後の一人、山門君が横断歩道から走ってきたとこで、ちょうど集合時刻となり、僕らは電車に乗り蒲郡に向った。
文字数 1,670
最終更新日 2018.09.29
登録日 2018.09.29
日常は簡単に壊れ、異世界へ。あの女神本気か?
公務員の共稼ぎ両親に、とびぬけた才能なんかなくても良い。普通の暮らしのできる普通の人であれと、普人(ひろと)と名付けられ、その思いに答えるように、標準偏差の中央値を目指して努力?をする主人公、佐藤普人。
高校生なら「彼女の一人でも居るものだ」と言う友人の一言からの流れで彼女ができた。それから1週間後。帰宅時に家の方向が違うため、彼女と別れるいつもの交差点……。
青信号で横断歩道を渡り始める彼女。途中でふとこちらを振り返り、俺に向かって笑顔で手を振る彼女。俺も手を振り返し、そして彼女は向き直り歩き始める……。
それが……彼女を見た最後となった……。
そして異世界へ……俺が……。
管理世界が発展しないから、お前ら何とかしろと言う女神。
そこは……。
技術と恋愛は両立するのか?
昔書いたもの、推敲しつつアップします。
文字数 207,934
最終更新日 2023.06.19
登録日 2023.05.22
月曜日の早朝、私は車に轢かれた。相手は中型のワンボックスカー。
出勤前に自治庁舎に出す国からの支援金の書類を郵便ポストに出そうと思っていたのだった。
私は横断歩道の向こう側にある郵便ポストに青になった瞬間、走った。
その時、何故か右手に止まっていたその車が急発進した。私の足を巻き込みながら三メートル程、前進した。
救急車、パトカーを呼ぶべきだったのだろうが、呼ぶ気力、意識がなくなり、仰向けになって倒れてしまった。
次に意識を回復したのは、救急隊の大きな呼び掛け声だった。
「高本さん、意識戻りましたね、失礼して財布見させてもらいました。大学病院二つ診察券を持ってらっしゃいました。今、どちらにも連絡入れています。ちょっと待ってて下さい」
サイレンの音が鳴り響く。
時間が過ぎる。随分と明るい室内だ、この救急車は。
「受け入れ病院は東邦大学総合病院!」
「一件だけ電話をする事が出来ますよ!はい」とスマート端末と財布を手渡された。
この時間、会社の上司には繋がらない。警備室なら繋がるはずと私は閃いた。警備担当に事故の事、大学総合病院で救急治療がいる事、定時になったら上司に伝言して欲しいと伝え、端末を切った。
「何故一件だけなんだ?」私は聴いた。
「それがこう言う状況下では一番効率がいいんだ。安心してほしい、足の痛みはないのか?」
「ああ、不思議とあまり痛みはないが、重く鈍い感覚はある」小声で私は救急隊の一人に伝えた。
「両足は応急処置で簡易ギブスをしているから。病院到着まで四十分見込んでる」その一人の救急隊員が説明した。
救急車の内部の異様な程、空間の白く明るい内部は二つの眼球に痺れを与えそっと瞼を閉じた。暫くして私は眠りについた。
乗ってるストレッチャーが、ガタッと横揺れした時、目が覚めた。
「高本さん、病院着きました。ストレッチャー降ろします」
後部ドアが開き、数人がストレッチャーを車内から引っ張り出して、私は病院の救急の入口に連れて行かれた。
廊下を走らせている時、呼吸器マスクを口元に着けられた。暫く後、私の意識は徐々に遠のいていく途中、手術のサインを求められ、私は誓約書にサインした。これが後に病院との軋轢を生んでしまう。
長い病院の廊下をストレッチャーで運ばれて行く感覚だけを残して、私の一抹の不安を残して、私の意識はなくなっていった。
次に意識を取り戻した時は、狭い個室の病室にいた。私の身体のほとんどは布団で覆われていた。
前に聞いた事がある。病院の個室に入院したら退院の時、法外な差額ベッド代を請求される事を。急に不安になってきて、ナースコールボタンを押した。
暫く待ったが反応がないので、もう一度押した。焦りながら。すると扉が二回開く音がした。この個室は二重扉になっている!
若いパンツスタイルの女の看護師が入ってきた。
文字数 14,241
最終更新日 2024.11.11
登録日 2024.11.02