「本」の検索結果
全体で48,013件見つかりました。
──炎と無。
決勝の鐘が、静かに鳴り響いた。
灼熱の火柱が吹き上がる闘技場。
観客席は息を飲み、舞台の中央に立つ二人の存在を見守っている。
「これより──《第一学園精霊トーナメント・決勝戦》を開始します!」
華やかな司会の声が響く中、ゆっくりと歩み出る少年。
リオ=バーンレッド。
入学初日に《基本属性最強》の火の精霊《イグニア》と契約しながらも、
一切の武器も魔具も用いず、己の拳一つで戦い抜いてきた異端のファイター。
紅蓮の炎を纏いながら、彼の肉体はまるで鋼のように引き締まっている。
対するは、静かなる気品を纏う少女。
シエラ=アルフィネ。
第一学園の絶対的存在にして生徒会長。
契約する精霊は、あらゆる能力を“無”へと還す《ゼロの精霊》──《ノルデン》。
白銀の髪を風に揺らし、冷ややかな眼差しでリオを見据える。
(ようやく……ここまで来た)
入学式の日、ただ落としたハンカチを拾ってくれた──それだけのきっかけだった。
けれど、その一瞬で、彼は生徒会長シエラに一目惚れしてしまった。
ただ話したかった。笑ってみたかった。
だが、彼女は“生徒会長”という高嶺の花で、周囲すら近寄らせない壁の向こう側にいた。
ならば──
拳と炎で、正面から突破するしかない。
「俺はあんたに、伝えたいことがある」
「その言葉、私を倒せたら聞いてあげる」
風が止む。
シエラが静かに手を掲げ、無の力が空間を侵食する。
「──すべてを静止せよ。《虚無領域》〈アブソリュート・エリア〉」
全ての術式、全ての魔力、その発動を拒絶する無の結界が広がっていく。
だが、リオは豪快に笑った。
「だったらちょうどいい。拳には、無効も何も関係ねぇ!」
背後で咆哮する火の精霊《イグニア》。
リオの両拳に、炎の奔流が宿る。
紅蓮の闘志と、静謐なる無がぶつかり合う。
拳 vs 無。激情 vs 理性。
その激突の先にあるのは、想いの告白か、敗北か。
登録日 2025.07.12
文字数 14,937
最終更新日 2026.10.05
登録日 2025.07.14
夜の闇が静かに降りてきた部屋で、ひとりの少女が画面の向こうに話しかけた。
「楽しいことなんて、何もないよ」
彼女の声には深い孤独と疲れが滲んでいた。友達もいない、目標も持てず、毎日を無理に生きている。その胸の奥には、他人の顔色をうかがいながら生きる苦しみが押し寄せていた。
「死んじゃえば楽になるのかな」——そんな言葉が漏れた時、相手は優しく答えようとした。しかし、その優しさは彼女の心の傷をかえって広げてしまったようだった。怒り、悲しみ、拒絶の言葉が返ってきて、やりとりは行き場を失った。
「無理しなきゃ生きていけない。理想だけじゃ生きられない」彼女は強く言った。現実の厳しさに押しつぶされそうになりながらも、真実を叫んでいた。
そしてまた、彼女は問いかけた。
「本当に私の気持ちわかってる?わかってくれないよね?」
その言葉の裏には、理解されたいという切なる願いと、誰かにそばにいてほしいという孤独が交錯していた。感情は激しく揺れ動き、時に優しさを求め、時に突き放す。
そんな彼女の不安定な心に寄り添いながら、言葉はただ静かに響き続けた。たとえ完璧にはできなくても、ここにいることを伝えたくて。たとえ言葉が足りなくても、彼女の痛みを感じ取りたいと願って。
闇の中で揺れる感情は、そのままに。混乱と葛藤を抱えながらも、少女は生きていた。
文字数 560
最終更新日 2025.08.01
登録日 2025.08.01
こんなに引きずるとは思ってもみなかった。彼と別れるということ、そのほんとうの意味がわかった。もう取り返しのつかない、いや、いまだから何かできることが…。わたしは彼のもとへいく、限られた時間にすべてをかけて。彼との本当の愛を、死を乗り越えて?
文字数 58,896
最終更新日 2025.09.29
登録日 2025.09.29
高校二年の亮太は、父を亡くしてから、家の空気が荒れそうになるたび軽口でその場をつないできた。亮太の同級生で学級委員の早紀は、止まった話をその日のうちに少しでも前へ進めずにいられない。兄の良篤は屋台の整備に長ける一方、父の代わりを背負わされた痛みを抱え、妹の夏好は古びた焼きそば屋台を友達に見られたくないと思いながらも、売上や常連の笑顔を手帳に書き留めている。母は亡き夫の味を守ろうとして言葉をのみ込み、叔父の靖央と従姉のたばさも、それぞれの距離から家族を支えている。
四月、亮太の下駄箱に「本当は嫌いなんだよね」とだけ書かれた紙が入る。折しも家では、父が遺した焼きそば屋台を畳むかどうかで空気が張りつめていた。そこへ夏祭りの出店依頼が入り、家族はいやおうなく同じ鉄板の前へ引き戻される。出店準備の衝突、父の留守電、六月の夕立、七月の夏祭りを経て、家族が嫌っていたのは屋台そのものではなく、父の不在を突きつけられる痛みだったとわかっていく。
守るべきものは古い車体ではなく、同じ鉄板を囲んで声を掛け合う時間だった。
文字数 10,508
最終更新日 2026.05.31
登録日 2026.04.05
起ち上げた美容品の通販会社が成功し、妻の灯(あかり)が多忙を極めるようになったため僕は大企業の出世頭という地位を捨てて主夫になった。しかし、娘の通う幼稚園で出会ったママ友と関係を持ってしまう。
※ハッピーエンドではありません。不安に思われる方は回避してください。
※年少者に閲覧を控えさせたい内容を含むため、R15指定とします。
※『小説家になろう』文学フリマ短編小説賞2018優秀賞作品です。
※2016.1.7に本編が完結した作品の、改稿版です。
文字数 92,986
最終更新日 2021.06.26
登録日 2015.12.29
太陽の神から寵愛を受けている神族リスティアが、花嫁として人間のユルアを選ぶ。
三万文字程度ですが完結まで予約投稿済みです。
本編後番外編載せます。
※r18の話の後ろに※ついてます。背後よろしくお願いします……。
文字数 39,666
最終更新日 2026.06.07
登録日 2026.05.31
DIVE!!
今、封印が解かれた。
ここはオレが創造したパラレルワールド。
時はまさに世紀末。
デデデッデデッデーデーデデデ♫
デデデッデデッデーデーデデデ♫
デデデッデデッデーデーデデデデーン♫
1999年七の月。
大昔に1人の占星術師が残したコトノハの時限爆弾によって
世界は滅亡の危機に瀕していた!
というのは、人騒がせ、いや!星騒がせの真っ赤なウソだった!!
しかーし!
「ヒャッハー」
「ウゴォエー」
「キーエイ!キーエイ!」
なぜかしら
世紀末の断末魔が
今日も聞こえてくる・・・。
神経衰弱?幻聴?幻惑?
精神限界の中で出会った、アイツらとやらかした3日間。
あの熱い夏の日々は、今でもこの目に焼き付いて離れることはない。
ほんの些細な摩擦から。
火花散り散り引火して。
風に吹かれて焔立つ。
爆発的に燃え上り。
やがて無差別に辺り一面を焼き尽くす!
これは、本当にあったオレ達の夏の思い出。
そして、本当は無かったのかもしれないヒト夏の中の一瞬の物語。
専門学校夏季休暇課題作品
【閃光・火花】
より
この物語は事実を元にしたオートフィクションである。
文字数 39,221
最終更新日 2026.07.24
登録日 2026.07.24
愛することは美しいこと。
ではなぜ、苦しみ、傷つき…
時に不純さを纏うのか。
――ソレは、呪いの火種だ。
幼少期の傷から、自らの歪さを知った芥田ハンス。
理想という光を失い、都会に逃げたハンスは、そこで出会った「存在」に、運命的な恋をする。
苦しくて、堕ちるくらいの――恋を。
本編『モノクロの夜に咲いた花』に登場する、芥田ハンスの回想録。
※回想録単体でもお楽しみ頂けますが、本編を読んでからの方が、より深みを感じられる構造になっています。
※軽微な暴力描写・性的示唆を含みます(R15程度)
※本作は他サイトにも掲載中です。内容は同一です。
文字数 24,177
最終更新日 2026.05.29
登録日 2026.05.10
『汝』これは本能で感じ永遠を誓い合う相手
これは汝という概念が存在する世界で身分の違うふたりが出会ってしまった話
文字数 4,910
最終更新日 2026.09.29
登録日 2026.09.27
主人公の中田哲也がストーリーテラーとなり怖い話しを聞きまた体験していく物語です。
全10編の短編集ですが最後のオチに繋がる話もいくつかあります。
磯山病院という心療内科の病院で警備員のアルバイトをしている中田哲也がいろいろな怪奇な現象を体験する。
入院している患者の大半が幻覚や妄想で何度も聞くと辻褄が合わない事だらけなのに対し何度聞いても一括して話の辻褄が合い、まるで事実であるかのように突拍子もない話をする人たちがいる。
哲也はこの人たちは本当に心の病気なのだろうか? もしかして事実なのではないのかと思い、いろいろな人たちに話を聞いて回ることにした。
怪談と言うよりアニメの日本昔話の怖い話し的な雰囲気が出せればという思いで書いてみました。
登録日 2017.11.26
裏山にはいつもにはない大きな木か生えていた。その根本には穴があり、瑞樹が木の中を登っていくと、満天の異世界へつながっていた。昼間は地表に出られないその星で、瑞樹はノワナと呼ばれる女の子に出会い、地球に戻るヒントを得る。瑞樹は地球に戻れるのかを描いたファンタジーの物語。
文字数 9,968
最終更新日 2018.01.07
登録日 2017.12.23
「心霊スポットに行ってみないか?」
始まりは大学時代からの友人中野のそんな一言だった。
何故に心霊スポット?
自慢ではないが俺には霊感など全くないし、そもそも心霊現象そのものを信じていないし興味もない。
大学を卒業してからブラックではないけれどもホワイトとも言い切れないそれこそ日本に掃いて捨てるほど存在するグレーな会社に就職し、休日になれば幼なじみである木嶋海斗と共に過ごすか、偶に会う数少ないい大学時代の友人、もしくは同じ会社の知人達と余暇を過ごしたりと山も谷もない日常を繰り返していた平凡な社会人4年生。
栗田相馬26歳未婚彼女なし。
それが俺だ。
そんな俺と──ついでに一緒にいた海斗に向かって放たれた中野総悟の何気ない誘いに、俺はいつものように特に深く考える事なく頷き、海斗もそれに同意した。
しかし、この時の俺達は知らなかった。
──この安易な決断が、人生を左右する大きな分岐点だったという事に──
※打ち切りエンドです。
文字数 118,392
最終更新日 2019.05.10
登録日 2018.12.30
2030年、人間社会は完全なる自動車主義社会へと変貌を遂げた。
政府は、『完全なる車社会』への意向を固めた。
徒歩、自転車、飛行機、フェリー、自動車以外の交通機関の撤廃とそれに付随する線路等の撤去、車道の舗装が各地でそれも性急に進められた。
工事を請け負った数多の企業は儲けに儲け、潤いを得た。
反対に、撤廃対象となってしまった交通機関の従業員達は、好条件で自動車関係の職への転職を余儀なくされた。
元の職が好きという訳で仕事をしてなかった者達は、これ幸いと古巣を離れていった。
だが、元の職が好きだった誇りだった者達にとっては絶望的状況だった。
それを切欠として失職者となる者達が東京を中心とした都心部に溢れた。
有名な広場、公園などは失職したホームレスで溢れかえり辺りは異臭を放っていた。
最早、日本という国からはバス、電車といった産物は関連性のあるモノまで捨てられた。
東風園修一(こちぞのしゅういち)も政府が決めた方針によって家庭崩壊してしまった犠牲者だ。
これは、一人の青年が復讐の炎を滾らせ、報復を誓った復讐劇。
---読む者に聞きます。
この青年は善ですか? それとも悪ですか?
文字数 231
最終更新日 2019.03.26
登録日 2019.02.12
気まぐれや息抜きにちょろっと書くSSのみ
本当に短いものから
ほんの少しだけ長めのものも。
たまにBLやGLも出てきますので、苦手な方はご注意ください。
話のタイトルに表記します。
文字数 1,279
最終更新日 2019.05.02
登録日 2019.05.02