「い」の検索結果
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午後十一時四十五分。台風接近により、これが今夜最後のフライトだった。
羽田発札幌行き、JAL873便。出版社営業マンの桜井真一は、急ぎ東京に戻るため最終便に飛び乗った。だが、機内に乗客はわずか十人。異様に少ない乗客数に、漠然とした不安を感じる。
離陸直後、機内放送が緊急アナウンスを流した。
「この便に、爆弾が仕掛けられているという通報がありました。午前一時に爆発するとのことです」
あと五十五分。台風で羽田空港は閉鎖済み、引き返すことはできない。パニックに陥る乗客たち。そして追い打ちをかけるように、さらなる事実が告げられる——「犯人は、この機内にいる」
必死の捜索の末、後方トイレで発見された時限爆弾。だが、飛行中の機内からは投げ捨てることができない。残り時間は刻々と減っていく。
突然の停電。そして一人の乗客が姿を消した。照明が戻ると、黒いフードの人物がコックピット前に立っていた。手には拳銃。
「私の名前は安藤由美。七年前、この航空会社の客室乗務員でした」
彼女が語ったのは、七年前に起きた墜落事故の真実。整備不良が原因で百二十三名が死亡したが、会社は事故を隠蔽し、責任を現場のパイロットに押し付けた。
そして、この便に乗る十人の中に、当時の隠蔽工作に関わった人間たちがいるという。元整備部長、元広報部長、元社長夫妻——安藤は彼らを予約システムのハッキングによって、意図的にこの便に集めていた。
「全ての真実を告白すれば、爆弾を止める」
機内には隠しカメラが設置され、すべてが録画されている。告白するか、全員で死ぬか。究極の選択を迫られる乗客たち。
だが、機長が仲裁に入る。「こんな方法は間違っている。一緒に真実を明らかにしよう」安藤が銃を下ろしたその瞬間、元整備部長が襲いかかった。
銃声。
男は胸を撃たれて倒れた。
爆弾のタイマーは残り五分を切っていた。解除コードを入力するスマートフォンが見つからない。三分、二分、一分——残り三秒で、ようやく爆弾は停止した。
着陸後、安藤は逮捕される。だが、桜井は気づいていた。何かが、まだ終わっていない。
不自然な点があった。機長の反応、そして元整備部長の死の状況。銃口の角度が、物理的におかしい。
真実を追及した桜井が突き止めたのは、衝撃の事実だった。
元整備部長を撃ったのは安藤ではなく、機長本人。彼は安藤の復讐計画を利用し、七年前の隠蔽工作で親友を失った自分の復讐を遂げていた。復讐は、さらなる復讐を呼んでいた。
一万メートル上空の密室で繰り広げられる、恐怖と緊張の二時間。爆弾、銃、そして人間の憎悪が交錯する中、真実は次第に明らかになっていく。
生き残るのは誰か。そして、本当の犯人は——。
これは、最後の乗客たちが体験した、極限のサスペンス。
文字数 6,903
最終更新日 2026.01.04
登録日 2026.01.04
貧富の差が広がった東京。 金持ちから富を奪い貧民に配る超能力集団が居た。 その一人テレポーターの葉隠皐月(17歳)バイブを手裏剣のように投げ瞬間移動させて尻に突き刺し敵を倒す。
文字数 12,094
最終更新日 2026.01.13
登録日 2026.01.06
ただ、魔法少女になりたいだけだった
魔法少女に憧れる、どこにでもいる普通の女子高生・春野日和。
放課後の帰り道、白くてふわふわな妖精に声をかけられたことから、彼女の夢は現実になる――はずだった。
変身。箒。ステッキ。
誰もが知る“魔法少女”の始まり。
しかし、試験の最中に発覚する残酷な事実。
日和には、魔法を使う才能がなかった。
それでも彼女は諦めなかった。
魔法少女になる条件は、ただ一つ――
魔物を倒すこと。
魔法が使えないなら、殴ればいい。
ステッキは、振るためにある。
これは、
ただ魔法少女になりたかった少女が、
魔法の使えない魔法少女になってしまう話
文字数 5,350
最終更新日 2026.01.13
登録日 2026.01.13
こぢんまりとした集合住宅地区「かりふぉるにあ・ふらっと」。そこに暮らすのは、しっかり者の小学生から大学生&高校生兄弟に長女気質の女子高生、一人娘のOLさん。素直になれない女子高生の“近所のお兄ちゃん”への片思いSunday、年上彼女へと言いたいことを伝えられない大学生男子のブルーなMonday,腐れ縁の高校生コンビの恋バナTuesday…夢追う管理人“はらさん”理想の「のんびりした西海岸の空気が漂うフラット」を舞台に、そこに暮らす人々の少し‘変化した’一週間のお話をお送りします。***基本的にはほのぼの・切ない恋愛&青春&日常ストーリーです。R15は完全なる保険になります。
登録日 2015.03.10
古びた頁の匂いと、西日の中に舞う塵の粒。
図書委員・羽鳥圭の「静かな城壁」を壊したのは、太陽を凝縮したような陸上部の少年・織田准だった。
文字数 10,117
最終更新日 2026.03.01
登録日 2026.03.01
ある日、世界に飲み込まれた。そうして、言われたのは「この世界を救ってほしい」・・・って、冗談じゃない!一緒に来た子と違い、小春は拒否って、下働きにされた。別に構わないけれど。元の世界に戻るため、旅に出て、精霊たちの国に辿り着いた。そこには・・・え、魔王!?
登録日 2015.11.29
能力を持つ人々が現れた世界
当然悪用しようと考える者も少なくはなかった。世界が下した決断は「能力を持って能力を制す」というもの。
世界各地に反能力犯罪組織【アビリティ・リバティ】を展開し、能力のある者無いもの問わず志願者を募った。
日本の支部にまた1人、個人の復讐を遂げるため、入隊を希望する少年があらわれた…
2/12 1話~3話のサブタイトルを変更しました。
文字数 28,996
最終更新日 2017.06.11
登録日 2016.02.03
失脚、拘束、拷問、釈放、蟄居。
落ちぶれた元フィレンツェ共和国官僚ニコロ・マキャベリ四十四歳は、再就職のために一冊の書物を書き始める。
添付資料――『君主論』。
ニコロ・マキャベリ、四十四歳。
前フィレンツェ共和国勤務。元第二書記局書記官。外交・軍事・政務一般。
特技は交渉、観察、文書作成、他人の本音を嫌になるほど正確に読むこと。
退職理由は政変。
【応募先】
ロレンツォ・ディ・ピエロ・デ・メディチ殿
【提出書類】
一、献辞
一、政務提言書
一、君主統治実務に関する所見
一、添付資料『君主論』
以上
再就職、未だ叶わず
文字数 5,487
最終更新日 2026.04.22
登録日 2026.04.21
人と人の間の因果と情念――
戦国の世に杉の坊という山伏がいた。近江の山中にて、彼はたまたま行き会った武将を危機から救った。
それから四百年近く後の昭和二十年。
フィリピン・ルソン島の戦場で、何の因果か彼らの子孫たちが再び出会い、とある丘陵地で激戦を共に戦うことになる。その二人は同じたこつぼ壕に籠り、助け合って戦闘するが、米軍の火力は凄まじく彼らの運命は風前の灯に。
そしてその二十数年後、ところどころ白い花の咲くこの丘陵地にささやかな奇蹟が訪れる。
(全十三話、約二万六千字)
※ちなみに、最後の音のエピソードは作者の身内に起こった実話をモチーフにしております。
毎日正午に更新、六月七日に完結します。
文字数 26,356
最終更新日 2026.06.07
登録日 2026.05.26