名古屋小説一覧

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フィリピン・マニラ。
高層コンドミニアムから見下ろす、夜の街。
雑踏、湿った空気、止まらないクラクション。
仕様もルールも計れない、生のにおいが、そこには満ちている。
そこに、ひとりの日本人、山岸がいる。
名古屋生まれ、名古屋育ち。
白く塗りつぶされた街。
逸脱を許さず、仕様どおりに生きることだけが美徳とされる、管理社会。
だが山岸は、そこにすら乗りきれなかった。
非正規。
正規コースから外れたまま、押し流されるようにマニラへ渡った。
彼女を探そうとしても、そこに待っていたのは、
仕様最適化された「WBS婚活文化」。
家事も、感情も、愛情も、仕様書どおりに分担される世界だった。
ディレクターは言った。
「あなたの階層は、代々、恋愛してこなかった」
「だから、仕様で恋をするしかない」
そんな世界に、山岸は居場所を見つけられなかった。
ターキーディナーをチンする夜。
マッチングアプリでスワイプされるだけの恋。
すべてが、最適化され、管理され、冷凍されていく世界。
それでも山岸は、信じていた。
仕様では還元できない、生のかすかな匂いを。
アンジェリカ、岡本。
サンミゲル・ジンの瓶。
そして、夜のモッシュピット。
名古屋で唯一見た祝祭――競艇選手・阿波勝哉の「大外一気」の記憶が、
彼の中で甦る。
勝つためでも、正解のためでもない。
ただ、生きた一瞬のために、世界へ飛び込む。
管理された仕様婚活社会を越えて、
マニラの雑踏で、においを嗅ぎ取り、生きる。
これは、仕様社会の外に咲く、
祝祭のかすかな火を守り抜く者たちの物語だ。
文字数 60,284
最終更新日 2025.04.29
登録日 2025.04.27
高校1年生の夏休み。
母親の紹介で名古屋市内にある古本屋さんでアルバイトをはじめた春咲うらら(16)は、『ファンタジートラブル受付課』という部署でのお仕事を任されることになる。
そこは、物語の世界の中でのお困りごとを解決するコールセンターだった。
文字数 5,860
最終更新日 2025.01.05
登録日 2024.12.31
遠距離恋愛、会いたいときに会えない寂しさ、すれ違ってしまう思いに疲れた心を埋めてくれたのは、自分を欲する真っ直ぐな愛だった。
ちょっぴりシリアス、ラストはハッピーエンド。リーマン×リーマン(年下包容攻め×平凡健気受け)
文字数 65,792
最終更新日 2020.02.14
登録日 2020.01.01
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