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5件
1
「婚約を解消して彼女に求婚する。いつものように手紙は君が書いてくれ」と婚約者に言われました。では、ご自分でどうぞ
子爵令嬢アメリアは、婚約者ローレンスの手紙を代筆してきた。
礼状も、招待状も――そして、彼が公爵令嬢セレスティアへ送る恋文も。
家のために必要な婚約だった。愛される妻にはなれなくても、役に立つ妻にならなれる。そう自分に言い聞かせ、気づけば恋文は百通になっていた。
けれど百通目を書き終えた夜、ローレンスは新しい白紙を差し出す。
「君との婚約を解消したら、セレスティアに正式に求婚する。その手紙を書いてくれ。彼女が喜ぶ言葉は、俺より君のほうが分かるだろう?」
婚約を解消したあとも仕事なら用意してやる。公爵家と縁ができれば、アメリアの家の面倒も見てやれる。
そう語る彼を前に、アメリアは初めて代筆を拒んだ。
そして、その白紙に別の手紙を書く。
これまで届いた百通の恋文を、すべて持ってきてほしい――と。
百一通目だけは、ローレンスではなく「アメリア・ノーウッド」の名前で。
一方、初めて自分の名で書いた原稿を出版商へ持ち込んだアメリアは、その文章を「あなたのもの」として読んでくれる編集者ユージンと出会う。
そして百通の恋文を大切に保管していたセレスティアもまた、そこに綴られた言葉を覚えていた。
「これは、あなたの文章ではありません」
十通ずつ束ねられた十束の恋文を前に、百通の言葉が本当は誰のものだったのかが明らかになっていく。
他人の名前のために言葉を使い続けてきた令嬢が、百一通目から、自分の名前で仕事も未来も恋も選び直す物語。
2
侯爵夫人の手紙
侯爵夫人ルイーザは、王都の邸を離れて湖畔の別荘にいた。
別荘は夫の祖父が終の棲家にしていた邸宅で、森と湖畔があるだけの静かな場所だった。
ルイーザは庭のブランコを揺らしながら、これといって考えることが何もないことに気が付いた。
今まで只管忙しなく暮らしてきた。家の為に領地の為に、夫の為に。
ついつい自分の事は後回しになって、鏡を見る暇も無かった。
それが今は森と湖畔以外は何もないこの場所で、なんにもしない暮らしをしている。
何故ならルイーザは、家政も執務も社交も投げ出して、王都の暮らしから飛び出して来た。
そうして夫からも、逃げ出して来たのであった。
❇後半部分に出産に関わるセンシティブな内容がございます。関連話冒頭に注意書きにて表記をさせて頂きます。苦手な方は読み飛ばして下さいませ。
❇例の如く、鬼の誤字脱字を修復すべく公開後に激しい修正が入ります。
「間を置いて二度美味しい」とご笑覧下さい。
❇登場人物のお名前が他作品とダダ被りしておりますが、皆様別人でございます。
❇相変わらずの100%妄想の産物です。妄想なので史実とは異なっております。
❇妄想遠泳の果てに波打ち際に打ち上げられた妄想スイマーによる寝物語です。
疲れたお心とお身体を妄想で癒やして頂けますと泳ぎ甲斐があります。
❇座右の銘は「知らないことは書けない」「嘘をつくなら最後まで」
3
憧れた研究室の先輩は年下の男の子でした
「ここって幽霊研究員がいるって聞いたんですけど……本当ですか?」
王立研究所の植物再生研究室に勤めるシュリは、おしゃれに無頓着の研究者。研究室に勤めて三年目になるが、一度も姿を見たことのない先輩が一人いる。彼の名前はミハイル・ヴェルディーク。謎に包まれた彼の正体をまだシュリは知らない。
4
戒め
戒め
5
言ノ葉魔法の代書屋さん
通りの端にひっそりと店を構える代書屋『レティ』。
店主にして唯一の従業員であるレティシアは、言ノ葉魔法の使い手だった。お客様の依頼を受け、レティシアは今日も魔法の言葉を紡ぐ。
ある日訪ねてきたのは、いつもとは少し毛色の違うお客様。
頬に傷のある強面な彼が望んだのは、なんと恋文の代書で――?
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