「悪寒」の検索結果
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件
「妹が帰って来たので、今日はこれにて。また連絡するよ、ルイゾン」
「えっ? あ……」
婚約中のティボー伯爵令息マルク・バゼーヌが、結婚準備も兼ねた食事会を中座した。
理由は、出戻りした妹フェリシエンヌの涙の乱入。
それからというもの、まったく音沙汰ナシよ。
結婚予定日が迫り連絡してみたら、もう、最悪。
「君には良き姉としてフェリシエンヌを支えてほしい。婿探しを手伝ってくれ」
「お兄様のように素敵な方なんて、この世にいるわけがないわ」
「えっ? あ……ええっ!?」
私はシドニー伯爵令嬢ルイゾン・ジュアン。
婚約者とその妹の仲が良すぎて、若干の悪寒に震えている。
そして。
「あなたなんかにお兄様は渡さないわ!」
「無責任だな。妹の婿候補を連れて来られないなら、君との婚約は破棄させてもらう」
「あー……それで、結構です」
まったく、馬鹿にされたものだわ!
私はフェリシエンヌにあらぬ噂を流され、有責者として婚約を破棄された。
「お兄様を誘惑し、私を侮辱した罪は、すっごく重いんだからね!」
なんと、まさかの慰謝料請求される側。
困った私は、幼馴染のラモー伯爵令息リシャール・サヴァチエに助けを求めた。
彼は宮廷で執政官補佐を務めているから、法律に詳しいはず……
文字数 18,790
最終更新日 2021.04.24
登録日 2021.04.18
クリスティナ・ファンファーニ伯爵令嬢は7歳の誕生日を迎えその数ヶ月後、魔力測定の儀式をする為教会へ行った。
教会には同じ年頃の良家の子息子女が集まっていた。
この日集まった者達の中で最も身分の高い公爵家の嫡男を目にした瞬間……
あ、今日って私がマクシミリアン様に一目惚れした日だ!
あれ?なんで私そんな事知ってるの?
それに、誰?マクシミリアン様って??
『お前の望みはなんだ?』
神様の言葉が脳内で再生される。
『マクシミリアン様と初めて出会ったあの日に戻って、出来るなら人生をやり直したいです』
そう返した女性の姿は16、17歳くらいだろうか。淡く色素の薄そうな金の髪は肩の長さでざんばらに切られ、覇気のない痩せこけた、けれど溢れそうに大きな紫色の瞳をした美しい顔。
薄汚れた牢に繋がれ涙を流す姿は悲壮感が漂う。
これは私だ。
そう思った瞬間に全身を悪寒が駆け巡る。
少し遠くに見える銀色の髪を視界に入れた瞬間に私の思考は停止する。恐怖を感じるのに目の裏を焼く程の憎しみを感じるのに。
一番感じたのは染み入る程の愛しさと悲しみだった。
文字数 77,687
最終更新日 2019.02.21
登録日 2019.01.30
私を寄宿学校なんかに閉じ込めたくせして、お父様が手紙を送ってきた。
『ミレイユ、お前は婚約した。お相手のアルマン伯爵が会いたがっている。伯爵が広場まで迎えに行くそうだ。外泊許可はこちらで取り付ける。失礼のないように。日程は下記の通り』
「──はっ?」
冗談でしょ?
そりゃ、いつかは政略結婚で嫁ぐとは思ってきたけど、今なの?
とりあえず、角が立たないように会うだけ会うか。
当日、汽車の窓から婚約者を見て悪寒がした。気持ち悪い中年男だ。私は見つからないように汽車を乗り継ぎ、別の町へ向かった。この生理的に無理な結婚から逃れるためには、奥の手を使うしかない。幼馴染のセドリックと結婚するのだ。
「あんな男と結婚したくないの、助けて!」
「いいよ」
親友同士、きっとうまくやれる。そう思ったのに……
「ところで俺、爵位いらないから。大工になるけど、君、一緒に来るよね?」
「……んえっ?」
♡令嬢と令息の庶民体験型ラブストーリー♡
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(完結済)
(2020.9.7~カクヨム掲載)
文字数 15,084
最終更新日 2020.08.01
登録日 2020.07.26
園宮依子は建材メーカーで働く建築物好きのアラサー。
ある日、後輩の付き添いとして参加したパーティーで、感じる謎の悪寒。
その正体は、中学卒業の前日に自分を犯した男、桐嶋冬馬だった。
冬馬は再会したその日に依子の唇を奪うと、翌日には依子が務める会社の重要な取引先の代表として依子に急接近。
依子は過去のトラウマと向き合い、受け入れることができるのか!?
※暴力的な表現がありますので、苦手な方はご遠慮ください。
文字数 207,413
最終更新日 2020.05.17
登録日 2019.04.30
俺の名は萬尾亜門
昼は高専でCAD図面を引き、課題に追われる18歳。
昨秋、中国・武漢で開かれた国際Eゲーム大会で優勝した夜、すべてが狂い始めた。
裏通りの薬膳料理店。半茹でのコウモリ、酒に酔った巨大なサソリ。
震える手で噛み砕いた瞬間、背筋に冷たい悪寒が走った。
帰国後、熱にうなされ三日間の昏睡。心肺停止と蘇生を繰り返し、目覚めた時、身体はもう別物だった。
無駄な脂肪は消え、筋肉は鋼のように締まり、反応速度と視力は人間離れ。
壁の向こうにいる人間の気配、年齢、感情まで鮮明に“視える”能力を手に入れていた。
噂では、武漢には秘密のウイルス研究所があり、コウモリやサソリを使った兵器研究が密かに行われているらしい。
あの店の皿に並んでいたものの正体は、今も闇の中だ。
夜な夜な見る夢。無機質な実験室。
俺は巨大なサソリとなり、感情を切り捨て、淡々と虫を喰らう。
世界は悪意で満ちている。
その悪意は、もう俺の血となり肉となった。
文字数 8,082
最終更新日 2025.11.08
登録日 2025.11.08
「わははっ、勝てば良かろう!なのだ!!」
わははっと大声で笑い飛ばす少女──いや、自らを“女神”と自称する正真正銘の女神が今、正に婚約破棄を申し出た男を伸して、その上に胡座を掻いていた。
「ぐぅぅ…っ。」
かろうじて意識のある男──さらさら金髪の男は“女神”に座椅子にされても一切起き上がれないのか、苦悶のうめき声をあげるのみだ。
「実に愉快、愉快!若人はこうでなくてはな♪…うむ。私は満足だ!実に愉快な“茶番”だった!!」
豪快に笑い飛ばしてから、すくっと“立ち上がった”女神は
「ぐぅぅ…っ!!」
鋼板入りのピンヒールが女神自身の体重も加味され鋭い“突き”となったようで背中にめり込んでじくじくと赤い染みが広がっていく…。
「天に唾吐くはこの愛の女神たるアフロデーテである私に婚約破棄…だったか?その代償は“この程度の痛み”で済むものではないぞ。
…そうだな、私は別に貴様などどうでもいい──と言うか“この身”は公爵令嬢のソフィア・マール・イグニス・シュヴァルツァーには“些か”不愉快な汚点だな。
うむ、お前は煉獄に連れて行こう…ああ、そこの男爵令嬢(ゴミ)も“ついで”に連れて行ってやろう!
きっと気に入ってくれるだろうな!わっはっはっ!!」
“女神”の高笑いと共に件の男爵令嬢(ゴミ)と踏みつけていた男──元婚約者の青年は女神と共に消えた…。
次の瞬間には女神だけが、その場に帰還した。
「!?フェリペは?あの女は…!?」
“女神”──現在は公爵令嬢の彼女は自身の護衛騎士の言葉にうむ、と寛容に頷いた。
「案ずるな、ヨルム…“あれら
”は『まだ』生きている。──まあ、生きているだけ、だがな」
「そ、それはどういう──!?」
ふふふと妖艶に笑うと、女神──の金瞳がきらん、と光る。
「──聞きたいか?」
ワントーン低い声で問われるとぞくり、とヨルム──女神(ソフィア)が呼んでいた護衛騎士の愛称──ヨルムガンドはとてつもない悪寒に背中を走り首をブンブンと左右に高速で振った。
「い、いいえ!!聞きたくありません!何も仰有らないで下さい!!」
「なんだ?…つまらんやつめ。」
まあ、いい──と彼女は語り始めた。
<煉獄>の恐ろしさを。
女神の恐ろしさを。
文字数 10,287
最終更新日 2019.09.12
登録日 2019.03.11
恋をしたことが無い青年、相良悠人は実家にある倉の掃除をしていた。
昼食の時間になり、母の元に戻ると言われたのは…
「孫がみたい」
お見合いの話を持ちかけられるが断り、倉の掃除へと戻る。
数時間掛け、掃除を一段落させた悠人は子供のころに遊んでいたビー玉を拾う。その直後に謎の悪寒が!
頭痛に苛まされるも、無事に倉から出ることが出来た悠人の見たものとは…!!
登録日 2019.09.23
携帯しているスマートフォンに何件もの着信があったという事に山下宏典が気づいたのは、その最後から数えて大凡で小一時間は経過した後であった。愛機であるところのそのスマートフォンのディスプレイに表示されていた着信の数は十三件。そして、そのどれもこれもが同一人物からのものだという事を知った山下は、その人物からのものという事実に逡巡する。何故ならその人物とは、約半年前に別れてからこの日まで疎遠となっていた笹原由奈だったからだ。
逡巡が焦燥にクラスチェンジする中、山下は笹原にコールする。暫しして聞いた半年ぶりの声は、暗く沈んだ音色をしていた。イヤな予感がする。付き合っていた頃の事が蘇る。悪寒が走る。そしてそのとおり笹原が発した次の言葉は、自殺を仄めかすものだった。
結局のところ、笹原が命を落とすという事態にはならなかった。しかし、違う問題が提示された。笹原が自殺を図っていた際、何者かによる放火も同時進行していたのだ。全身に火傷を負った笹原は現在、病院で生活している。山下は足繁くお見舞いに通う。半年ぶりの再会と笹原が背負う現状に、山下の心は激しく揺れ動く。罪悪感。そして、背徳感。山下は笹原に溺れていった。
そんな中、笹原を担当する医師でもある芹澤が殺害される。犯人は放火も実行した人物だった。山下は複雑な心境を内包しつつ、笹原との今後を考える。
一方で笹原は、事態の経過に大満足していた。これは、恐ろしい企みと危ない賭けによって漸く手にした幸せだったからだ。
そう、全ては。
笹原の思惑どおりに進んでいた。
………、
………、
筈だったのだけれど。
文字数 254,710
最終更新日 2019.10.13
登録日 2019.10.13
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