冥府庁シリーズ小説一覧

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——この世とあの世の境を、踏み越えたのは“まだ死んでいない”青年だった。
京都・六道の辻。
地獄の釜の蓋が開くと言われる八月朔日、民俗学に興味のある彼は友人達と現地を訪れていた。その途中、突如として冥府へと迷い込む。
行き場を失った生者は、常世の戸籍に名前のない“異端”として冥府庁に保護され、冷静沈着な調査官・黒野アイリの補佐役として働きはじめる。
冥府庁に残るための試験、黒野の厳しい指導、そして自らの“存在がなかったことにされた”現世での記憶の空白——
忘れられた者として、それでも歩き続けるしかなかった彼が選んだ道は?
今、冥府の扉が再び開く。
そこに記されるのは——名前すら残らなかった《神崎イサナ》の、もう一つの記録。
⸻
《更新について》
毎週水・土曜に更新予定です
本編や他の冥府庁異聞シリーズもぜひお楽しみください♪
文字数 46,349
最終更新日 2025.05.17
登録日 2025.04.20
春の訪れとともに、吉野の山に“奇妙な眠り”の噂が広がっていた。
夜桜を見に訪れた人々が、翌朝目を覚まさない——。
発見された彼らはまるで深い夢に囚われたように静かに眠り続け、
七日後、目覚めた者たちは決まってこう言うのだ。
「……なにも、覚えていません」と。
冥府庁・調査課の神崎イサナと黒野アイリは、この不可解な現象を調査するため、
奈良・吉野の山奥へと向かう。
そこで彼らが辿り着いたのは、地図にも記されていない場所——
誰にも気づかれず、誰かを待ち続ける一本の桜の木だった。
春の風、桜の香り、胸の奥を締めつけるような懐かしさ。
そして、神崎の中にある“消えかけた記憶”が、静かに目を覚まし始める。
これは、春に取り残された小さな約束と、ひとつの優しい別れの物語。
文字数 11,372
最終更新日 2025.04.24
登録日 2025.04.18
「あの世(冥府)」には、現世で起こる不可解な死亡事件を調査する機関がある。
冥府庁・調査課の職員たちは、二人一組のバディを組み、日本各地で起きている怪異事件や神秘現象など、あらゆる異変の真相を追う。
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生者でありながら冥府庁の一員となった、異端の新人調査員・神崎イサナ。 冷徹な先輩の調査官・黒野アイリ。
二人は共に、日本各地に残る怪異や神秘、そして迷える魂の調査に挑む——
見た目も性格も正反対の凸凹コンビは、今日も新たな事件へと挑もうとしていた。
※この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
文字数 25,845
最終更新日 2025.03.22
登録日 2025.03.13
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