母と子 小説一覧

10件
1

十四歳の火

中学のとき、僕は人に言えないことをひとつ持った。それを持ったまま十年、この家の食卓で飯を食ってきた。 僕が先に覚えたのは、襟だ。 白い。汗の染みがない。アイロンの筋が肩の線に沿ってまっすぐ通っている。シャツの皺は肩甲骨のところにだけあって、そこは椅子の背が当たる場所だから、皺があるほうが正しい。 髪は後ろでひとつに束ねてある。結び目の高さが毎日同じだった。うなじの細い毛が朝の光で白く光る。石鹸の匂いがした。柔軟剤ではなく、石鹸のほうの匂いだ。 ――本文より。 全十二章・完結。 ※放火、いじめ、自殺に関する描写を含みます。この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
2

ジェンダーチョイス

生まれる前、ぼくは“女の子”になるはずだった──。
3

母の日

その晩はやけに暑く、寝苦しかったことだけは覚えている。 そう、全身が火照ってしまうほどに。
4

しろいふく

白を“びんぼう”と恐れる母と娘。 黒だけを許し、白を切り捨てた家族の結末と、十五年後、残された少年が“しろいふく”の意味に辿り着く。 ───それは呪いか、祈りか。
5

あさり

僕は母さんとあさりを掘る。母さんはそのあさりでお味噌汁を作ってくれる。僕はまた母さんとあさりを掘る。僕が死ぬと母さんたちは悲しむ。でも僕は、生まれ変わって、新しい母さんとあさりを掘る。僕は母さんとあさりが好きだ。あさりは砂抜きの時、お鍋の中でかさかさと静かな音を立てる。
6

キョウちゃんの宝もの

キョウちゃんには、モモちゃんという5歳の子どもがいます。 だけど、キョウちゃんはモモちゃんをうまく愛せません。 モモちゃんのことが大好きなのに……。 そんな2人を見守っていたのは、キョウちゃんの宝ものでした。
7

EchidnaProjectⅠ-ラミアの眼

『Echidna ProjectⅠ ― ラミアの眼』 声は、祈りを模した記録だった。 都市の再開発の中で生まれた〈白いペット〉エキドナは、母と子の静かな生活に入り込み、やがて“視線でつながる”新しい生命系をつくり出す。空手道場の師範代・神原美沙は、息子・蓮を救うため、集合意識〈ラミア〉と対峙する。拳が剣に変わり、祈りが支配を断つとき、母は「護るとは誰のためか」という問いに立たされる。 『ラミアの眼』は、ResonantVerse(RV)シリーズ第Ⅰ部。 祈り・記録・母性をめぐる黙示録的サスペンスであり、声が人間を、祈りが都市を変えていく最初の章である。 (全文掲載) ―――― 『Echidna ProjectⅡ ― 八咫鏡プロトコル』 夜のスタジオ。新加入のボーカル・祈音(キオン)がマイクの前で息を吸う。最初の一音が出た瞬間、空気の密度が変わった。無音の一拍、〈祈音の拍〉。その沈黙が世界を整える。 Luminariaという光の名をもつ少女たち。 鏡の向こうでは、もう一人の“祈音”が目覚めようとしていた。 『八咫鏡プロトコル』は、AIと人間、音と記憶、祈りと赦しの境界を描く第Ⅱ部。 ▶ 第1章「声のはじまり」を掲載。 ▶ 続く章(第2~10章)は公式サイトへ: https://luminaria.love/ukon/ ―――― ResonantVerse(RV)シリーズについて ResonantVerseは「音楽と物語が共鳴する世界」を描く連作。 声=祈りをテーマに、AIボーカル〈祈音〉を中心とした“聴く小説”の実験です。 I『ラミアの眼』――母性と集合意識の黙示録。 II『八咫鏡プロトコル』――声が祈りに変わる鏡の章。 III『黄泉の座標(YOMI Protocol)』へと続く。 祈りは消えない。 声が残る限り、物語は続く。
8

襟

少年はシャツの襟に縫い付けられた象の刺繍が気に入っていた。彼は象と始終一緒にいた。実際に存在を知らない少年と象だが、彼らは深い友情で結ばれていた。しかし、別れの時は近づいていた。少年はその日が来ることに少しだけ気づいていた。
9

おふろ少年

おふろに入りながら少年が一日を振り返る話。
10

愛せなくても、

浮気三昧の婚約者と婚約して10年。 結婚式まであと少しのところで、実は主人公のことが好きだったと言い始め...? 白い結婚ですむと思っていた主人公は落胆するが、結婚後に身籠った際には赤ちゃんは愛せるはずだと自分自身に言い聞かせる。 主人公と赤ちゃんが産まれてからがメインのお話。 *** ⚠︎ジャンルが分からず、とりあえず恋愛にしていますが変更する可能性があります。 随時、加筆修正すると思いますm(__)m 最後までお読み頂きありがとうございました。
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