社畜のお仕事!本日も晴天なり✨

​「おはようございます、死に損ないの私」
​南野綺羅々(みなみの・きらら)、二十八歳。職業、営業事務。

毎朝、労働基準法への怒りを象徴するような目の下のクマを、厚塗りのコンシーラーで「抹殺」し、彼女は偽りの聖女としてオフィスへ滑り込む。

​彼女に与えられた任務は、無能な部長が吐き出す「パッション」という名の精神論を拝聴し、カピカピに乾いた加湿器を磨き上げること。

だが、その丁寧な指先は、日常の澱(おり)を数値化し、組織のバグを静かにデバッグするための「キャリブレーション」に過ぎなかった。

​ある日、部長の横暴を「事務的」に社長へリークしたことで、彼女は報復人事として、新入社員の子分・犬飼を引き連れ、炎天下の「外回り」へと追放される。

​「事務職が現場で何ができる? せいぜい愛想笑いでも振りまいてこい」

​鼻で笑う上司たち。しかし、彼らは知らなかった。

彼女の脳内には、あらゆる理不尽を論理で粉砕する「最強のExcel」がインストールされていることを。

​取引先の無理難題はVLOOKUP関数で因果関係を暴き、傲慢な要求はIF関数による条件分岐で自滅へと追い込む。

内勤という名の檻から解き放たれた「社畜女神」が、事務職の矜持を武器に、腐りきった業界のシステムそのものを上書き保存(オーバーライト)していく――。

​アスファルトが焼ける空の下、彼女は最高の笑顔でジャンプする。

​「本日も、晴天なり。……さて、どの無能から削除(デリート)しましょうか?」
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