椿落ちる頃

 ___どうやら自分は、神様を拾ったらしい。

 何の変哲もない人生を送っていた社畜の椿カンナ(つばき・かんな)はある夜、仕事帰りに奇妙な格好をした美しい青年を拾った。
 自信過剰で高飛車なその青年は記憶喪失ながら自らを「なんかすごい神だった気がする」とし、一宿の恩義を返すとして椿の生活に転がり込んだ。

「よし、とりあえずお前の勤め先を燃やす!」
「……なんて?」

 自称神のトンチキな青年に振り回されながら、椿の細波も立たない人生が奇天烈な驚きにねじれていく。
 
 そしてそのねじれはいつしか、固く縛り付けられていたある”秘密”を暴いていくことになる。
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