ライト文芸 料理・グルメ 小説一覧

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古民家宿の恵みごはん ~二本の尻尾の猫と共に~

 何年書いても、小説家として芽が出なかった。たった一冊だけ、紙書籍になったけれど、その後は鳴かず飛ばず。ライター仕事を少しずつ受けてなんとか食いつなぎながら、バイトで入ったゲーム会社では始発終電。私はある日吐血した。胃潰瘍だった。もう、ダメだと思った。そんなとき、SNSである写真を見たら――そこには、只見線の写真が掲載されていた。なんて、美しい景色なんだろう。少しだけ、そう、少しだけ、自分に自由を許してみようと思った。だから私は、僅かなお金を手に、福島県只見町の古民家を改装したという民宿・ねこまたへと訪れた。そこには二本の尾がある猫がいた。これは、猫と民宿と私のお話。※都会に疲れた女性が癒やされていく物語です。(実在の土地をモデルにしていますが、実在の物事には無関係のフィクションです)
2

【完結】四季のごちそう、たらふくおあげんせ

田舎に住んでいる七十代の高橋恵子と、夫を亡くして田舎に帰ってきたシングルマザー、青柳美咲。 恵子は料理をするのが好きで、たまに美咲や彼女の娘である芽衣にごちそうをしていた。 四季のごちそうと、その料理を楽しむほのぼのストーリー……のつもり! ※方言使っています ※田舎料理です
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夫婦パスタ日記

夫婦の数だけ、パスタがある――年代が異なる様々な6組の夫婦の、日常におけるパスタにまつわる物語を描いていくオムニバス小説。得意なパスタ、料理アプリを見ながら作ったパスタ、ふと思いついたパスタ、ヒントをもらったパスタ、思い出のパスタ……それぞれの夫婦の生活の中に、様々なパスタが登場する。
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『5分間のこもれび』 ―標高1,000メートル,高原駅のパン屋さん―

標高1,000メートル。 スイッチバック駅のホームに,小さなパン屋がある。 店の名前は『こもれび』。 古い待合室を改装した,天窓から光が差し込むだけの,ささやかな場所。 停車時間は,わずか5分間。 急勾配を登る列車が,進行方向を逆転させるために,ここで一度だけ息を止める。 その5分間だけが,乗客と店主が触れ合える,唯一の時間だ。 店主の麦は,元・都内有名店のパン職人だった。 完璧な層を折り込み,完璧な発酵を管理し,完璧なパンだけを世に出そうとした。 そうやって追い求めた果てに,自分自身が「過発酵」を起こして,崩れた。 逃げるように辿り着いたこの駅で,麦は毎朝パンを焼く。 高原バターのクロワッサン。 ミルクたっぷりの白パン。 ドライフルーツのカンパーニュ。 やって来るのは,どこかに欠けたものを抱えた人たちだ。 挫折を押し込めたまま出張へ向かうサラリーマン。 育児の孤独の中で,自分の輪郭を見失いかけている若い母親。 「正解」を探して,地図にない場所へ来てしまった少年。 麦は多くを語らない。 ただ,その人が手を伸ばしたパンを,丁寧に袋に包む。 人の「心の欠落」は,その人が選ぶパンの種類に,静かに滲み出る——麦はそう知っている。 5分間が終われば,列車は山を下りていく。 麦にできることは,焼きたての熱が手のひらに残るほんの一瞬に,何かを手渡すことだけ。 それでいい,と今の麦は思っている。 かつての自分が,過発酵で崩れた生地のように,修復できないものもあると知ったから。 ここは終点ではなく,折り返しの場所。 後退することが,次のルートへの転換になる——スイッチバックが,そう教えてくれている。 痛みを知る大人のための,山の上の,5分間の物語。
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川向こうのアトリエ喫茶には癒しの水彩画家がいます

 真白(ましろ)は埼玉の国道沿いのレストランで働くウェイトレス。  彼女にはずっと忘れられない人がいた。  それは幼馴染の青司(せいじ)。十年前に引っ越していったきり消息不明になっていた青司は、突然真白の地元に帰ってくる。青司はいなくなっていた間、海外で一流の水彩画家となっていた。そんな青司から真白はある頼みごとをされる。 「この家で、アトリエ付きの喫茶店を開こうと思うんだ。良かったら手伝ってくれないか、真白」  困惑する真白。  しかし結局、店づくりを一緒に手伝うことになる。  店にはかつての仲間たちも集い、青司の料理と絵に癒され、それぞれが前へと進んでいく。  大人になった人たちの、青春と成長の物語。 ※当作品は、第六回書き出し祭りに参加したときの作品を長編にして、さらに今回リライトしたものになります。
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