「神戸」の検索結果
全体で104件見つかりました。
亡くなった人は、悲しみの言葉にばかり包まれて見送られるけど、その人の人生が確かにこの世にあったのだということは祝福されるべきだよね、とふと思ったことと、米国の劇作家・レーントン・ワイルダーの「死者にたいする最高の手向けは、悲しみではなく感謝だ」という言葉から思ったことをフィクションとして一本書いてみました。亡くなった人は、現実に生きて営まれていたオレの人生に乾杯したり祝福してくれてもいいんじゃない?なんて思っているかもしれません。お葬式の場で「祝福」なんていう言葉は使いづらいけれど、思い出を抱きしめて感謝することは同時に祝福することかもしれません。
東京の女性編集者神戸里衣はある冬の日、元婚約者の一周忌法要へ向かおうとして、いくつかの偶然が重なったことで北岩手の小さな駅前の神社に雪晴れの夜にだけ出現するという「冬の七夕祭り」という不思議なお祭りの庭に迷い込む。そこで亡くなった婚約者悠(はるか)と邂逅し、大好きだった彼のいいところをひとつずつ思い出し、大切に抱きしめながら、かつて二人の間に確かにあった幸せだった時間に、感謝と祝福を捧げていきます。祭りのあと里衣の悠への思慕は、
祭りの場で邂逅再会した悠本人の提案もあり新しい恋をすることで区切りをつけて、里衣は過去と折り合い、新しい道を歩きはじめる。
前作『ファーストライト』同様にテーマは「死者の魂の行方」じゃなくて、残された「死者の思いの行方」です。
自分の創作活動はライターとして震災後被災地取材を続けてきた中で感じたさまざまをフィクションとしてつづり始めたのが最初でした。
文字数 28,929
最終更新日 2024.11.29
登録日 2024.11.29
──1995年1月16日・深夜、神戸市長田区。
夜の住宅街を、自転車のライトが一本の線のように滑っていた。
17歳の西本慎吾は、コンビニで買った缶コーヒーを手に、人気のない坂道を下っていた。
「なんや…やけに静かやな。」
ポケットには、仲間からもらった安物のライター。彼はふと空を見上げた。
黒々とした雲の切れ間に、星が一つだけ浮かんでいた。
──神戸市中央区・中村家。
8歳の翔太は、布団の中で目をこすりながら母のぬくもりを探していた。
キッチンからは、夕食の残り物を片付ける音が聞こえる。
「ママ、明日も学校あるの?」
「もちろん。お弁当も作るよ。…焼きそばパン、入れとこうか?」
「やったー!」
そんな他愛のない会話が、日常の最後になるとは、この時はまだ誰も知らなかった。
──神戸市兵庫区・消防第3出張所。
佐伯修平は、詰所のデスクで仮眠をとっていた。
妻と口論して家を出たまま、今日で3日目だった。
「地震…なわけないか。」
小さく軋む鉄筋の音に、彼は目を開けた。
窓の外には、いつも通りの静かな街があった。
彼は、眠りの中に戻っていった。
数時間後、その静寂が音を立てて崩れることも知らずに。
──午前5時46分──。
空気が破れるような轟音とともに、地面が跳ねた。
アスファルトが裂け、建物が潰れ、天井が落ちる。
誰かの悲鳴、遠くで鳴る警報、火花、崩れる瓦。
恵子は、翔太の叫び声で目を覚ました。
「ママっ、こわいっ!!」
佐伯はヘルメットを掴み、無線機を手に怒鳴った。
「全隊員、出動準備急げッ! 震度…いくつだ、これッ!」
慎吾は、地面に投げ出され、瓦礫の山の中で意識を失っていた。
彼のそばには、まだ温かい缶コーヒーが転がっていた。
街は壊れた。
でも、それは始まりにすぎなかった。
文字数 12,895
最終更新日 2025.07.08
登録日 2025.07.08
1995年1月17日。
阪神大震災に遭遇した一真は、直前に喧嘩してそのままになっていた、恋人の麻美子の安否を確かめるべく神戸を目指したのだが…
著者の実体験とさまざまな証言をもとに、ほろ苦い青春の一瞬を描く。
全編セリフなし、という実験的な意欲作。
2017年ベリーズカフェ発表作。
登録日 2020.07.12
神戸ののどかな街に暮らす平凡な小学五年生の星野楓(ほしの かえで)。内気で優柔不断な彼はクラスでも目立たない平凡な小学生だが、彼には「動物と話せる」という特技があった。
ある日、裏山で楓が小鳥と話していると、人間が倒れているのを見かけたという。それを聞いた楓が見つけたのは、未来から来たという少女、如月翠(きさらぎ みどり)であった。
翠から世界が崩壊の危機にあることを聞いた楓は、幼馴染の司(つかさ)とともに、世界を救うため時空を超えた冒険に出る。
登録日 2024.10.13
十月も終わりに近づいたある日の夕方、就職活動中の霜鳥修(しもとり おさむ)は神戸にあるウェブシステム開発会社の入社面接を受けた帰り、JR三ノ宮駅へ戻る途中に早々とその会社から不採用の連絡を携帯メールで受け取る。修はそのショックから癒しを求め、家に帰る途中に王子動物園へ立ち寄った。動物達を眺めながら園内をとぼとぼ歩いていたところ、望月数歩(もちづき かずほ)という女子中学生にいきなり話しかけられ唐突に告白までされた。そのあと修は数歩に手を引かれ阪急電車に乗せられ、芦屋にある彼女の自宅まで連れて行かれ……
登録日 2015.10.30
神戸惷(こうべしゅん)は、7歳の小学一年生。
妹の陽(よう)は、いつも元気で、みんなに可愛がられる存在だ。
放課後の約束、親戚の集まり、何気ない公園の帰り道――。
どれもよくある日常なのに、惷だけが少しずつ“輪の外”に押し出されていく。
誰も怒鳴らない。誰も悪人ではない。けれど優しい言葉や善意の段取りが、惷の心に小さな冷たさを残していく。
「お兄ちゃんなんだから」
その一言を飲み込みながら、惷は今日も笑う。
妹の前では、笑う。
しゅんとしてしまう気持ちは、誰にも見えない場所へしまって――。
これは、静かな日常の中で“しゅん”が積み重なっていく、ほろ苦い物語。
文字数 9,946
最終更新日 2026.01.25
登録日 2026.01.25
異国情緒あふれる神戸北野坂にそびえ立つ、ゴシック建築の”ドラクリヤ邸”は、歴代の所有者には必ず不運が訪れる通称『怪異城』と呼ばれていた。そこの執事として仕えるべく、主人であるヴラド伯爵と、そのご家族の奇奇怪怪なご要望に応えていく青年執事のお話し。(十万字程度でとりあえずは完結予定)
文字数 89,955
最終更新日 2019.12.28
登録日 2019.12.27
文字数 9,584
最終更新日 2022.06.02
登録日 2022.05.18
家政婦静子と令嬢恭子の視点で
恭子の継母、実母との家族の形、亡き父、実母の夫婦の形を描きます。
◇印で視点が変わります。
大富豪長田家の家政婦の採用試験で合格した遠野静子は一人娘の長田恭子の専属の家庭教師も兼任することとなった。
恭子は幼い頃、両親の離婚で母と離れ離れとなり、その後、父も他界し、今では家に寄りつかない継母との二人暮しをしている。けれど、恭子は寂しさを微塵も出さない強い女の子だ。
そして恭子を優しく見守る家政婦の静子は少し慌てんぼさんだ。
大きな邸宅での意地悪な継母とのやり取り、授業参観でのおかしな道徳教育、うっかり買ってしまった漫画の雑誌、町の人々との交流、ピアノコンクールなどを通して静子と恭子の間に心の絆が構築されていく。
家政婦の静子は亡くなった長田家の当主ヒルトマンと離婚した妻とのこと調べるうちにおかしなことに気づく。
それはヒルトマンはかつて元妻を桜の花に例えていたことがあり、彼女を迎えるように邸宅の庭の小道に桜の木々が植えられていることだ。
更に邸宅を東京から神戸に移したその場所の近くには元妻の実家があること。
邸宅の中には元妻の部屋があり、家財、衣服、書籍が全て残されていることなど。
恭子の亡くなった父ヒルトマンは前妻の家の近くに家を建て、妻が戻ってくることを願って待っていたのではないだろうか? と考えるようになった。
それは花言葉の桜の花が意味するものの一つが「あなたを待つ」だからだ。
フィッツジェラルドの小説「華麗なるギャツビー」とヒルトマンが折り重なりながら物語は進み、
ある事件がきっかけで静子は前妻の家には藤棚が植えられていることを知る。
藤の花言葉・・「あなたを歓迎する」
桜の「あなたを待つ」藤の「あなたを歓迎する」
まるで離婚した夫婦が再び結ばれることを望んでいるみたいではないか?
と静子は考える。
恭子のピアノコンクールの招待券を携え前妻の邸宅を訪れた静子は藤の花言葉の本当の意味を知ることになる。
藤の花言葉には反対、真逆の意味があった。
花言葉の本当の意味が明かされる時、恭子と実の母親との真の決別の時が訪れる。
【シリーズ小説の時系列】
春 「遠野静子の憂鬱」
↓ ↓
夏「水を守る」
↓
秋「水の行方」
↓ ↓
冬「水をすくう」 「長田多香子の憂鬱」
文字数 112,539
最終更新日 2019.06.04
登録日 2019.04.17
神戸に暮らす小学五年生の白銀蒼輝(しろがね・さふぁいあ)は、棋士・女流棋士の両親をもつ将棋指し。
ある日、彼女のクラスに、イギリスからの転校生――アルフレッド・ウィリアムズがやってくる。
転校初日からクラスメイトたちに快く迎えられたアルフレッドだが、彼には意外すぎる趣味があった。
「おれ、ずっと、誰かとやってみたかったんだ――将棋!」
将棋クラブに所属している縁から、アルフレッドと毎日のように将棋を指すようになった蒼輝。
アルフレッドの純粋な『将棋が好き』という思いに突き動かされ、蒼輝自身の将棋と向き合う姿勢も少しずつ変化し始めていく。
やがて二人は、神戸で開かれる小学生向けの将棋大会・『神戸こども竜王戦』を目指すことに。
果たして二人は、決勝の舞台で盤を挟むことができるのか?
そして、『将棋が好き』という思いに再び熱をともした蒼輝が、戦いの果てに見る景色とは――
文字数 66,153
最終更新日 2025.07.21
登録日 2025.07.12