「sum」の検索結果
全体で258件見つかりました。
〈影咒記〉第四篇『黄泉灯籠迷図』は、
鏡師・蒼雲の初登場篇であり、のちの外伝『りんどうの空に』へと続く“祈りの系譜”の起点となる物語である。
舞台は江戸後期。
死者を弔う行灯師たちの間で囁かれる、灯籠に宿る“人魂”の噂。
火を絶やさぬことが祈りであり、絶やすことが“供養”であるという逆説。
その境で、蒼雲はひとつの選択を迫られる。
――生きるとは、誰かの祈りを灯すことか。
それとも、自らの灯を消すことか。
物語は静かに、夜の闇へと降りていく。
行燈の光、雨に濡れる石段、そして鏡に映る薄い影。
そこに映るのは、もうこの世の者ではない。
けれど、蒼雲は知っている。
「祈り」は死では終わらない。
消えるたびに、また新たな光として生まれ直す。
――それが〈影咒記〉に連なる“咒”の本質である。
本作では、江戸の葬送文化・灯籠師・寺社儀礼を背景に、
“死を見つめる職人”の心を描く。
鬼火や妖ではなく、あくまで人の記憶と祈りの象徴としての“光”を主題に据えた幻想譚である。
蒼雲が初めて「祈りの意味」を理解するこの物語は、
〈影咒記〉全篇に通底する“影=記録”“祈り=咒”の構造を明確に提示する。
後の外伝『りんどうの空に』で描かれる彼の“静かな再生”は、
この作品で生まれた祈りの火の記憶に根ざしている。
――咒は祈り、祈りは影。
人が誰かを想い続ける限り、その光は消えない。
本篇は〈影咒記〉シリーズの中でも、
“最も静かで、最も深い闇”を描く作品である。
そこに宿るのは恐怖ではなく、
死者と生者を繋ぐ、わずかなぬくもり――
灯籠の火のように、
消えかけてなお、誰かを照らす光である。
本作は〈影咒記(EIJUKI)〉の江戸咒譚 第四篇 ― 黄泉灯籠迷図(よみとうろうめいず) ―です。
【更新案内】
※毎晩21時頃 更新予定。
闇の中に灯をともすように、静かに物語を紡ぎます。
――夜の読書時間に、あなたの心の灯を少しだけ照らせますように。
文字数 42,654
最終更新日 2025.11.15
登録日 2025.10.19
魔物によって世界が壊され、人が生きられる場所は街オールドテイルひとつとなった。
魔法を操る“クォーツの民”が、その最後の街を支えていた。
光魔法の使い手である少年レイも、そのひとりだった。
だが、信じていた日常はある出来事をきっかけに崩れ始める。
師ロゼッタと共に、レイは世界の真実と向き合うことになる。
文字数 9,923
最終更新日 2026.01.04
登録日 2025.12.16
季節外れの朝顔が咲く庭。そこに現れた“名を呼んではならぬ女”と青年が出会う、祈りと記憶の幻想譚。
山深い旧家に派遣された若い庭師・湊。依頼書には依頼主の名もなく、ただ「庭の整備をせよ」とだけ記されていた。たどり着いた屋敷の庭には、秋にもかかわらず青紫の朝顔が五輪、音のない空気の中に咲いていた。風も鳥の声もない。不意に背を抜けた冷たい気配の先に、湊は青紫のワンピースを纏う女の姿を見る。月光の中、彼女は花を見つめ、囁くように言った。「……摘まないで」。それだけを残して、闇に溶けた。
翌朝も花は変わらず咲き続けていた。幻ではない。湊は屋敷を探り、埃をかぶった帳面の束の中から奇妙な一冊を見つける。そこには「朝顔咲ク夜、名ヲ呼ブコト勿レ」と墨で書かれていた。夜、再び女が現れ、湊はその言葉の意味を問う。彼女は微笑み、「咲いてはならぬ庭に、咲いてしまった人」と名乗る。名を呼べば花は散るという。湊は彼女の名を探す決意を固める。
納戸の奥で見つけたのは、祖父・榊原清三の日記だった。そこには同じ庭で“咲いてはならぬ朝顔”を見た記録があり、「咲けば忘れ、咲かねば憶え」と綴られていた。日記の筆跡は震え、「少女、名記せず。忘れ草なれば」と記されている。湊は悟る。祖父もまた、彼女に出会っていたのだ。
夜ごと現れる女は、次第に言葉を増やしていく。「咲くことは、忘れられること。わたしは、忘れたくないのに」と。湊は封印を解くように庭を掘り、朝顔の根元から一枚の木札を見つけた。そこにはかすれた墨で「澪」と書かれている。名を呼ぶことはできなかったが、彼女は微笑み、「忘れないでね」と囁き、月光の中に消えた。
やがて湊は知る。澪は愛されることに疲れ、誰の記憶にも残らぬよう咒となった存在だった。だが、湊の想いがその咒を変えた。彼女は再び現れ、涙をこぼしながら湊に触れ、「あなたに会えて嬉しかった」と告げる。ふたりの指が触れた瞬間、境界は消え、夜が光に包まれる。澪は穏やかな笑みを残して昇華し、朝顔は静かに散った。
一年後、湊は再び庭を訪れる。蔓は生きているが、花は咲かない。だがそれでいい。咲けば忘れ、咲かねば憶える。彼は風に向かい、「来年も来るよ」とつぶやく。花のない庭に、確かに“誰か”の気配があった。
咲くことは忘却、咲かぬことは祈り。澪が残したのは、咒いではなく、記憶を守る静かな美しさだった。
文字数 18,645
最終更新日 2025.10.18
登録日 2025.10.17
見た目に騙されたな!残念でした。俺、強いんです!
ダイスで色々と決めるダイスラッククエストを始めたエットは、とっぱじめからダイスに振り回される。ステータスからモンスター出現、そしてドロップまでダイスを振って決める運ゲー。
主人公エットは、最小値HP10からスタート。でも魔力は最大値1,000! 見た目はヨワヨワ、でも魔法攻撃は最強なのです!
文字数 151,762
最終更新日 2020.03.01
登録日 2019.12.24
ある夏の終わり、突然、僕の目の前から大切な幼馴染がいなくなった――。
とある田舎町に暮らす足達蒼平の幼馴染である羽川奈緒は、十七年間一緒だったにも関わらず、一言も告げることなく黙って東京へと引っ越してしまった。
その黙って去られたという事実があまりにもショックで、来る日も来る日も蒼平は奈緒のことばかりを考えて、現実の生活もままならないほどだった。
しかし、夏のように暑い九月のある日、東京に行ってしまったはずの奈緒が蒼平の前に現れて……?
(この作品は、小説家になろう様、エブリスタ様にも、掲載しています)
文字数 19,359
最終更新日 2019.10.14
登録日 2019.10.14
17歳、トオルは事故で死んだ。何のとりえもないトオルは死の直前、一度だけでいいから何かの主役になりたかったと強く思った。例えば、同じクラスのユウヤのような人間にーー。
目覚めたら、トオルはユウヤになっていた。
人気者のユウヤとして取り巻きのシュウ、リク、アリユキと過ごしていたトオルだったが、なんとユウヤはその三人から凄惨ないじめをうけていた。
3人からおもちゃとして扱われる絶望的な状況の中、事故で大けがをしてしばらく学校を休んでいた『トオル』が登校してくる。自分ではない自分の登場。
なんとトオルの中には本物のユウヤの中身が入っていた。
トオルとユウヤ、二人は協力し今の現状を変えて元の体に戻るために協力することにする。
その二人をシュウ、リク、アリユキの3人は不審に思うのだった
感想よければ…
https://odaibako.net/u/chimusubu_tmy
現世転生企画参加作品
https://twitter.com/NatsumeTama/status/1620584206652035072?s=20
文字数 104,811
最終更新日 2024.12.05
登録日 2024.11.03
Endress Summer ~終わらない夏~ 番外編
佐々木仁に送る序曲です。
気になる仁の次のチャプターは?!
文字数 4,257
最終更新日 2021.12.10
登録日 2021.12.10
高校生活最後の春。花の季節に淡く芽生えた恋の話。
※本編にエロはありません。
後日、番外編を書くかもしれないので連載にしています。
夏芽玉さん(@NatsumeTama)主催のTwitter企画、『とある学園に、3年に1度だけ、手に入れると絶対に恋が叶う花が出現する』という共通設定を使った #恋が叶う花BL 参加作品です。ツイノベとして投稿した作品に加筆修正したものです。
文字数 7,424
最終更新日 2023.06.11
登録日 2023.06.11
毎晩、隣の部屋から、聞こえてくる喘ぎ声。
ふとした親切から、巻き込まれ、始まるのは淫らな夜。
*女性との行為を思わせる表現がありますが、あくまでもBLです。
こちらの作品は、夏芽玉様(@NatsumeTama)主催のX(旧Twitter)企画『#オラネコBL』(2023/9/15-9/30)参加作品です。
文字数 12,070
最終更新日 2023.03.04
登録日 2023.02.28
九龍城を再建した異界都市「クーロンズフォート」。
ここを支配するのは、タオ教系の術者集団 赤焔(せきえん)。
その中核には、かつて九尾狐を召喚し暴走に呑まれた
李劉偉が君臨している。
横浜中華街で暮らす高校生・五十嵐陽斗は、
火玉の術を宿す青年であり、
その火玉は“笛を使わない術者”――
五十嵐小夜(元:李王芳) にだけ制御される。
小夜は、九尾封印によって 5年の時間を失い若返った元召喚士。
赤焔の刺客に襲われ工事現場に落下した際、
地中の妖獣 〈太歳〉 と自然契約が成立し、
地形操作や感知能力を得る。
二人は、転校してきた符術士 呉 方麗 と共に
異界「クーロンズフォート」へ足を踏み入れ、
赤焔の召喚獣――三尸、瘧鬼、化蛇と激突する。
しかし本当の脅威は、
暴走し始めた九尾狐=李劉偉の“再覚醒”だった。
最終決戦で、小夜は太歳の第三の目
《LUMINOUS EYE》 の真の発動条件を悟る。
それは符術ではなく、“目に触れること”。
残されたのは、
名前を捨て、ただ “五十嵐小夜” として生きようとする少女と、
彼女の隣に立ち続ける陽斗の姿だった。
📌 1〜3話公開中。続きは公式サイトへ
https://luminaria.love/ukon/
文字数 14,094
最終更新日 2025.11.22
登録日 2025.11.18
互いに意識してるのに、なかなか言い出せない二人。
ガチムチ男と小柄な可愛い系の男の恋愛事情をウダウダと綴りました( ̄▽ ̄;)
オラオラしたい二人…。
R18です。
よろしくお願いします。
夏芽 玉さま(@NatsumeTama)主催のX(旧Twitter)企画『オラネコBL』参加作品。
文字数 5,986
最終更新日 2023.09.29
登録日 2023.09.29
おかしい。お姉さまの婚約者の王太子を奪うヒロインが登場しません。私が知っているお話と違う!?でもこのままだと、バットエンドだわ!だったらお姉さまから婚約者を奪う役(ヒロイン)を私がやりましょう。許してねお姉さま。これもこの国を救うためですわ――。
文字数 58,403
最終更新日 2020.02.01
登録日 2020.01.29
その日はウンザリするくらいの熱帯夜だった。
暑さに浮かされたように覚えた劣情、それは悪戯好きな妖精の仕業だろうか、それとも―――。
「『夏の夜の夢』って、あるじゃん」
「あ? ――あー……確か『平家物語』」
「それは『春の夜の夢』だろ。『おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし』、儚いものの例えだ。――じゃなくて、オレが言ってるのは『夏の夜の夢』だよ、シェイクスピアの戯曲の方」
※当作品は、シェイクスピア作『夏の夜の夢』とは一切の関係も関連性もございません。あくまでもフィクションですので、ご了承くださいませ。
※BLにつき念のためR15とさせていただいてます、そこまで過激な描写はありません。
※今後もし続編や番外編などが増えた場合、R18へのレーティング変更をする可能性があります。予めご了承いただけると幸いです。
※当作品は、fujossyにて開催の《Summer Nights ~真夏の夜のBL短編小説~》に応募しています。
↓詳細は下記にて。
https://fujossy.jp/contests/11
文字数 9,996
最終更新日 2018.08.27
登録日 2018.08.27
ダンジョンにはびこるモンスターを倒す為、スキルや魔法を授かった者はダンジョンハンターになる。それがこの世界の共通の認識だ。ただし、祈りのスキルを授かった者は聖女になれて、ダンジョンハンターにならなくてもよかった。
だから祈りが欲しい。そうでなければ、普通の農民でいいです!
どうか神様、魔神様!
その願いは聞き入れられなかったクラドは、『スキル増殖』というスキルを手にする。
このスキル、ダンジョンの下の階に下りる度に増えるけど、ダンジョンを出たら全部消滅!
残念スキルだった――。
文字数 40,881
最終更新日 2024.09.08
登録日 2024.08.29