昔々、ある所にお房という娘がいた。
同じ村に暮らしている者たちも男衆に混じり、大きな口をあけてアハハと笑っている豪快な様子に、お房が年頃の娘だということをすっかり忘れているようだった。
お房は村の男たちに交じって猪や鹿を撃つこともあれば、一人で鳥を狙うこともある。
撃つばかりでなく、罠を操って猪や狐も獲っていた。
ある時、間抜けな子ウサギと出会って……という所から始まるお話。
可愛い風味のお話です、
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昔話風の異類婚姻譚。
文字数 4,725
最終更新日 2021.10.03
登録日 2021.10.03
部活が終わって、帰宅しようとしたら、自転車がパンクした。
どうしよう? なんて少し悩んだけれど、おにいちゃんに連絡する。
通話してすぐ、おにいちゃんは来てくれた。
兄弟になった日から、困ったときはすぐに助けに来てくれるお兄ちゃん。
おにいちゃんと私は、本当の兄妹じゃない。
だから、これは本当の意味を伝えちゃいけない言葉だけど、妹の顔でサラリと告げる。
「お兄ちゃん、大好き」
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文字数 1,945
最終更新日 2021.09.26
登録日 2021.09.26
陽菜はショッピングモールのクレープ屋さんで働いている。
常連の強面のお客様は週に二回はクレープを買いに来る。
鋭い眼光に、頑強な体つき。
そんな彼についたあだ名は、鬼瓦さん。
本当の名前は知らないけれど、一途なまでにチョコバナナを買っていく鬼瓦さんのことが、ものすごく気になって……
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文字数 4,978
最終更新日 2021.09.25
登録日 2021.09.25
思わず膝を抱えて、泣いてしまった。
ベンチにこもって泣くなんて、情けないとは思う。
県大会の予選で転倒してしまったぐらいで、たそがれてしまうなんて。
そんな時、ピタリと冷たいものが腕に当たった。
顔をあげると山崎君がいた。
「おまえの分も僕が走るから、泣くな」
スポーツ飲料のCMのイメージを目指したアオハル
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文字数 1,075
最終更新日 2021.09.10
登録日 2021.09.10
ある日の昼休み。
ハシビロコウに似ているねって、小泉君に言われた。
あたしだって、もっと可愛い小動物に似ていたかったのに、あんまりだ。
というところから、動物園に行くお話。
小学三年生の浜田さんと小泉君のお話。
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文字数 4,428
最終更新日 2021.09.01
登録日 2021.09.01
天涯孤独なシャナは、ある日、狼を拾った。
狼はシャナにもなれ、村の一員として大きく育っていく。
ある時、次期領主になるソルという青年が村に訪れ、シャナの運命は大きく動き出すのだった。
お題は、動物の出てくる小説
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全11話 一日0時と12時の二回更新
完結まで予約投稿済み
文字数 18,283
最終更新日 2021.08.28
登録日 2021.08.24
お隣に引っ越してきた葛城くんは、高校時代のクラスメイトだった。
特に仲が良かったわけでも、かといって仲が悪かったわけでもないから、はじめましてのふりをした。
だけど、しょっちゅう顔を合わせることになって……というお話。
藍緒さん主催の ちょっとしたパーティへの招待状 企画に参加
文字数 12,635
最終更新日 2021.08.19
登録日 2021.08.19
夏の短編マラソン・お題「宿題」
終業式の日の朝。自室のエアコンが壊れた。
夏休みが始まるというのに、不意に訪れた悲劇を嘆いていたら、委員長の本郷くんが教えてくれた。
「図書館なら無料だし過ごしやすいよ」
そこで通い始めた図書館には、情報を教えてくれた本郷くんもいて……というお話。
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文字数 4,612
最終更新日 2021.08.13
登録日 2021.08.13
お題・アイスコーヒー
私の愛はニセモノらしい……でも好き!の航太君のお話
航太君から見た海月ちゃんはこんな感じ
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文字数 4,407
最終更新日 2021.08.04
登録日 2021.08.04
「ひさしぶり、元気にしてた? 昔、助けてもらったクラゲですよ」
「あのな、海月。つまんねー冗談は、いい加減にやめろ」
小学一年生の時から定番になっている挨拶に、航太はいつも不機嫌になる。
しょっぱさ満点で、クールな対応をされるけど、でも私は航太が好き。
海の漂流物はおまけかも?
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文字数 5,011
最終更新日 2021.07.30
登録日 2021.07.30
私は、打ち上げ花火を見たことがない。
そんな話をきっかけに、隣の席の榊君と親しくなった。
そして夏休みになる。
夏の短編マラソン・打ち上げ花火
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文字数 4,990
最終更新日 2021.07.23
登録日 2021.07.23
お題は秘密基地・ロマンチックに
不器用なウィリアムと長年連れ添ったパティ
思い出の映画と、憧れのハーレーダビッドソン。
秘密基地から、第二の人生を始める二人のお話。
ハーレクイン風味を目指してみました
作中の映画は実在しません
文字数 4,841
最終更新日 2021.07.16
登録日 2021.07.16
それは、雨の日の図書室で。
「七夕の夜の雨を、催涙雨と呼ぶんだよ」
甘く熱っぽい囁きとともに、唇に花崎君の熱が落ちた。
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文字数 2,105
最終更新日 2021.07.07
登録日 2021.07.07
遥か南方の小国の姫であるヴィスカは、帝国の黒獅子と呼ばれるグレン第三皇子殿下の元に嫁いだ。
政略結婚であるはずなのに、グレンの態度はなんだかおかしくて……?
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文字数 5,187
最終更新日 2021.07.03
登録日 2021.07.03
「僕もう大人だよ」
切なくなるような甘い声。
至近距離から見つめられて、私は息を飲んだ。
私が成人式の歳に、和人は小学六年生だった。
幼馴染と呼ぶには年齢差がありすぎるのに……
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文字数 1,710
最終更新日 2021.06.27
登録日 2021.06.27
張り合い続けてきた種族である、鬼の若君と竜の姫君の結婚が決まった。
初顔合わせの宴の最中、互いに杯を差し出すタイミングが重なった。
「俺の酒が呑めぬというのか?」
「我の酒を呑まぬというのか?」
互いを責める言葉が同じように口からこぼれ出て、そして同時に「勝負だ!」と叫んだ。
「誰か樽を持てい! 先に飲み干したモノの勝ちだ」
「よかろう! 我が勝てば、そなたが先に我の杯を受けよ」
どちらが先に相手の酒を受け入れるかを決する、飲み比べが始まる…
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文字数 2,489
最終更新日 2021.06.24
登録日 2021.06.24
すすり泣きが聞こえる。
窓を開けているから、網戸から入ってくる風に乗って、かぼそい嗚咽が室内に入ってくる。
また、お隣さんがベランダで泣いているらしい。
賃貸マンションに越してきてから数カ月。
お隣さんと交流はあるけど、特別に部屋を行き来するほど親しい訳ではない。
だけど、知らない相手だ、とも言えない。
会話はするけど、顔を突き合わせることのない、不思議な関係なのだ。
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文字数 4,665
最終更新日 2021.06.20
登録日 2021.06.20
土曜日の朝。
できたてほやほやの彼女から、メールが入った。
どうしても家から出られない事情があるから、彼女の代わりに買い物をしてほしいといった内容だった。
ドキワクの自宅訪問で、僕はとんでもない体験をすることになる……!?
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文字数 4,930
最終更新日 2021.06.18
登録日 2021.06.18
エレベーターの中で、別れた人と再会した。
克彦さん。あなたが誰もが知っている大財閥の御子息とは知らなかった。
取引先との婚約が決まったとあなたのお母様から聞いて、逃げるように引っ越したのに、どうして……
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文字数 2,406
最終更新日 2021.06.16
登録日 2021.06.16