SF 夫婦 小説一覧
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7件
1
妻は太陽系の外で死んだはずだった
廊下に果歩が立っていた。
打ち上げの日に着ていた、機構の薄い作業着。左の肩から腹までが、乾ききらない赤で塗られている。髪が首に貼りついていた。靴を履いていない。
「逃げて」
最初に出たのが、それだ。
俺は口を開けて、何も言わずに閉じた。もう一度開ける。
「……誰だ」
「直人」
「誰だって聞いてる」
果歩が上がってきた。土間で足を止めないことに、この人は気づいていない。裸足のままフローリングに赤い跡を置いて、俺の手首を掴んだ。
冷たい、という言い方は正しくない。氷は冷たい。これは、手首の内側から熱を引き抜いていく側の冷たさだった。二秒で指の感覚が鈍った。
俺は引き剥がした。
「あんたが誰か知らないが、あの人は今日、死んだ。全国で流れた。さっき見た」
「見たね。そう報じられることは、知ってた」
「じゃあ証明しろ」
果歩は玄関を振り返った。
「その鍵、まだ直してない」
「それは」
「直そうって言ったの私。今度やるって言ったのあなた。引っかかるたびに舌打ちして、そのあとで必ず謝るでしょう。誰にも言ってない」
俺は黙った。
鍵の話を外でしたことはない。舌打ちのほうは、自分でも忘れているつもりでいた。
2
ロスタイム・ベッド
妻が変なベッドを買ってきた。
3
ヒトシレズ
ある日、宏文(41)と妻の真紀(41)は宏文の父、栄一(76)にとある用事で電話をす事となる。弘文と父の栄一は長らく馬が合わず良い関係ではなかった。
真紀が電話をかけると知らない男が出たため、今度は宏文が電話をする事に。電話に出たのは栄一だった、が何か様子がおかしい。不思議に思った宏文達は後日、二人で栄一宅に行くことに‥‥‥‥
4
ボーナス払い併用で人造人間を買った
マサキはボーナス払い併用の35年ローンで人造人間を買った。
高額な買い物だったが、身の回りの世話をしてくれる機能に加え定期的な検診や治療とバージョンアップも含まれているから生涯をサポートしてくれると思えば安い買い物だと思った。
5
【短編010】 愛情スキャナー:分類できない愛情
妻を亡くした老人と、家庭用AI。
人間と結婚したAI。
そして、共に暮らした二体のAI。
三つの物語に共通するのは、「愛情」を定義できない存在たちだった。
それは恋なのか、依存なのか、友情なのか。 あるいは、どの言葉にも当てはまらない何かなのか。
人間とAIの境界が曖昧になった未来で、 誰かと共にいる意味を静かに問いかける連作短編集。
「夫婦とは何か」
その答えは最後まで見つからない。 けれど、理由を説明できなくても、ただそこにいたいと思う気持ちは確かに存在する。
猫のハルが見守る三つの愛のかたち。
6
ショートショート集 Ⅲ (スコシ・フシギ / SF風)
ショートショートとして書いた、SF風(スコシ・フシギ)な お話。
第一話:ようこそ 御伽の世界へ
(現在、非公開にしています)
第二話: テレパシー
第三話:落とし穴
第四話:(現在、非公開にしています)
7
彼方のエデン
時は24世紀。
世界規模で急速な少子高齢化が進む中、東南アジアで恐ろしい殺人ウイルスが発見される。ウイルスの猛威はとどまることを知らず、人類は減少の一途を辿っていた。
一方で、機械工学の飛躍的な進歩も見られていたのは、人類にとって明るいニュースだった。
ウイルスが蔓延する中、国際社会は手を取り合ってあらゆるインフラに人工知能が取り入れられ、やがて戦争というものは消え去った。
皮肉にもウイルスによって、人々は平和を手に入れたのだ。
そして、ここ日本に暮らしながら介護施設で働く、あるひとりの男性。
彼は、幼い頃母から聞かされた楽園、「エデン」に思いを馳せていたーー。
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