「よくここまで逃げ延びたな、聖女エルシィ」
「私を殺しても何も変わらないわ!」
「殺す? 違う、生贄に捧げるんだ」
国王が病に臥せってから7年、11人の聖女が生贄に捧げられた。この国の神話に、聖なる乙女を神に捧げ不老不死を手に入れた古代王の伝説があるせいだ。
「どうしても嫌か」
私を追い詰め、彼は言った。
「だったら俺の女になれ」
「え?」
「生娘しか生贄にはなれない。俺に抱かれて生き延びるか、純潔を守って俺に連行されるか。自分で選べ」
こうして私は将軍ノア・ラングフォードの床に入った……ひとりで。
実はノアもこの悪習を正そうと目論んでいたのだ。
行動を共にするうち、私はノアに惹かれていった。
でも彼が愛しているのは、生贄にされた5人目の聖女オーレリア。
守ってくれるのは、私を愛してるからじゃない。
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(完結済)
文字数 19,546
最終更新日 2020.08.26
登録日 2020.08.22
難病を背負い余命宣告を受け、限られた命を精一杯生きるメイクアップアーティストの古賀毬依。その運命を変えたのは、日露共同公演のミュージカル《アグネス・コード》だった。主演を務める歌手の専属スタイリストとして携わることになった毬依は、振付師のドミトリー・M・クズネツォフに強く惹かれていく。恋に消極的な毬依だが、ある夜、ドミトリーに命を救われて彼の裏の顔に気づき……───混沌のクラムサスペンス×ラブストーリー!
(話数のあと性描写に♡、残酷表現に※をつけています)
時系列的に『星空のコシュカ』の続編で、弟のドミトリーをヒーローに据えた物語です。裏社会メインでかなりカラーが違うため単体でお読みいただけます。
お楽しみ頂ければ幸いです。
〇完結済
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※この作品は特定の宗教や思想を推奨或いは差別・中傷するものではありません。また政治的意図もなく、反社会的行為を肯定・容認するものではありません。
文字数 194,291
最終更新日 2020.08.22
登録日 2020.06.20
私は伯爵令嬢ルシンダ・レイク、バージル卿の晩餐会に来ている。
まったく、たまったもんじゃない。5日前、ハワード・ウォーターズ卿から婚約破棄を言い渡されたばかりで、ずっと笑いの種にされている。しかも謂れもない汚名まで着せられた。
「やってらんない」
「本当、やってられないよ」
広間を抜けだして花壇の端に腰掛けたとき、薔薇の向こうから声がした。
「あんた誰」
「僕はアレン・アームストロング」
聞いた事ある。
2ヶ月前、婚約者を侯爵に寝取られた可哀相な伯爵だ。
「ごめん。私あんたの事、笑ったわ」
「仕方ないよ。それで、君はどうしたの?」
──そして私たちは、愚かしい一夜を共にした。これが運命の恋だなんて、思ってもみなかった。
文字数 6,036
最終更新日 2020.08.22
登録日 2020.08.21
幼馴染であるテオ・シャイトの妻ヘレナが心臓の病で亡くなった。
「サブリナ、彼には君の助けが必要だ。行ってやれ」
夫のルドルフ・ディストラーはそう言って私を送り出した。
咽び泣く彼を抱きしめたとき、私たちの間にあったのは清らかな友愛だった。
「サブリナ、君は俺の妻だ」
「もちろん、わかっているわ」
「テオとはもう会うな」
「え?」
「知ってるぞ。君たちは以前から愛しあっていた」
「何を言っているの……?」
「試したんだよ。君は今も彼に夢中だ」
「違うわ!」
「じゃあ証明して見せろ。彼を殺せ。愛する妻のところへ送ってやれ」
夫は私をテオと地下室に閉じ込めた。それが、許されない愛の始まりだった。
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(完結済)
文字数 11,175
最終更新日 2020.08.20
登録日 2020.08.19
「私の何がいけないの!? 家柄も美貌も申し分ないでしょうッ!?」
「自分で言うんですね、お嬢様」
私は伯爵令嬢アリス・ドゥラランド。
伯爵令息チャーリー・アドルフ・パーカーに婚約を破棄された。
「最高の夫婦になるはずだったのにぃっ!!」
「どうでしょう?」
「ええっ!?」
執事のカールは冷静沈着。そこがむかつく。私の味方のはずなのになんでよ!
「ちょっとパーカー家に行ってくる!」
「おや。その恰好は?」
よりによって私は、パーカー家のメイドに負けたらしい。
「潜入調査よ! その女を見つけて……」
「どうなさるおつもりで?」
「ぶん殴る!!」
やれやれ、と執事は呆れ顔だけど目にもの見せてやる。誇りを取り戻すのだ!!
文字数 5,829
最終更新日 2020.08.18
登録日 2020.08.17
「ほら、こうやるんだ。よぉーく見て、ちゃんと覚えろよ」
「……」
絶句だ。結婚初夜、ベッドに夫と娼婦がいる。
「いらっしゃぁ~い、チェリーちゃぁ~ん♪」
無理だ。私は家を飛び出した。
雨の中、行商人の馬車を止めて助けを求めた私は、彼と出会った。
ガスパロ・デ・サバタ。美しいエメラルドの瞳を持つ、貴公子。いじわるだけど素敵な人と出会ってしまった。私、人妻だけど……でも、すごく、惹かれてしまって──
文字数 6,611
最終更新日 2020.08.17
登録日 2020.08.16
身勝手な理由で婚約を破棄された伯爵令嬢のタミーは、気分転換で王都に来ている。凱旋パレードの事故に巻き込まれて、踏んだり蹴ったり。だけどそんなタミーを助けてくれたのは、無骨で優しい元帥ジョザイア・カヴァデイルだった。
(完結済)
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(他「エブリスタ」様に投稿)
文字数 9,688
最終更新日 2020.08.16
登録日 2020.08.14
幸せだった。愛する息子クリストファーが生まれるまでは……
夫のリオンは私を愛してはいなかったそうだ。傷つけるために、愛しているふりをしていた。
リオンの妹ラモーナがかつて婚約破棄されたのは、私のせいだと勘違いしていた。そう、人違いだった。人違いで私を責めた。
夫は今、私に縋って、泣いて謝る日々だ。私を愛しているんですって。へえ?
でもその口から出た甘い愛の言葉は全部嘘だったんでしょ?
じゃあ、今も嘘をついてるかもしれないじゃない。
悪いけど、許さないから。
文字数 5,602
最終更新日 2020.08.16
登録日 2020.08.15
「私はボーモン侯サミュエル・サシャ・ゲルシェだ。君は?」
「コレット・マルベール。没落した男爵家の令嬢よ!」
「そうか。結婚してくれ」
こんな闘牛場の観客席で、突然、プロポーズ!?
しかも相手は英雄と名高いボーモン侯爵!
「ぜひ! よろしくお願いします!!」
「実は私には恥ずかしい趣味がある。だから平気かどうか先に聞いておきたい。私は……」
♡怪獣令嬢とメルヘン侯爵が紡ぐほのぼのラブストーリー♡
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(他「エブリスタ」様に投稿)
文字数 18,399
最終更新日 2020.08.14
登録日 2020.08.05
弟の命を取り戻すため、リディアは魔女に魂を差し出した。けれど凌辱を受けた魂では相応しくなく、罪深き魂があと3つ必要だと魔女は言った。ひとりの命に、1つの印。心臓の上、花の刻印は最初の花びらが黒く染まる前に完成させなければ、弟は救えずリディアは無駄死にだ。
迷わず司教を屠った。
2人目を屠るため美術館に忍び込んだ夜、リディアは謎の女に刺され重傷を負ってしまう。介抱してくれたのは、夜のような妖しい美貌の紳士。愛欲に溺れた夜が明け、その正体を知ったリディアは愕然とした。恋に落ちた相手は、司教殺しの罪人を追う聖騎士ヴァルター・リーフェンシュタールだったのだ。
そしてなぜか3人目を選ぶより先に、リディアの魂を示す痣が色を増した。謎の女によって執拗に狙われるリディアを、ヴァルターは罪と知りつつ守ろうとするが……───
♡罪が繋ぐ禁断のラブストーリー♡
R18→(♡)/残虐描写→(※)/ヴァルター視点→(W)
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(完結済)
文字数 23,240
最終更新日 2020.08.14
登録日 2020.08.02
なんで!? 聖女として誠心誠意、命をかけて尽くして来たのに……!
婚約者のフィリップ王子は二股かけられて私を棄てた。
勇者のアバンは新米聖女イルヴァに恋して私をパーティーから追い出した。
途方に暮れる私を、他の聖女たちはここぞとばかりに噂を流して陥れた。
あんなに守ってあげた人々は今、私を魔女と呼ぶ。
だったら魔王の手先になってやろうと会いに行ったら、スルーされた。
もう嫌だ!
私は精一杯みんなのために戦ってきたのに!
酷い仕打ちだ!!
この世界には嫌気がさした。
もう知らない。私はひとり静かに、自分のためだけに生きてやる!
森の奥に引っ込んで気晴らしに悪戯して暮らす私の元に、今更泣いて縋ってきても許してあげない。
……ああ、でも。なにがいけなかったんだろう。
みんなが仲良く暮らせる平和な世界を守りたかっただけなのに。
「愛されたいなぁ」
茶飲み友達は木こりのお爺さん1人だけ。
気が済むまで復讐したら、お爺さんとのんびりスローライフを送るのが、私の夢──………
♡傷ついた聖女が本当の愛を手に入れるファンタジーラブストーリー♡
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(2021.3.1~「ベリーズカフェ」様及び「野いちご」様に投稿)
文字数 17,672
最終更新日 2020.08.08
登録日 2020.07.28
私を寄宿学校なんかに閉じ込めたくせして、お父様が手紙を送ってきた。
『ミレイユ、お前は婚約した。お相手のアルマン伯爵が会いたがっている。伯爵が広場まで迎えに行くそうだ。外泊許可はこちらで取り付ける。失礼のないように。日程は下記の通り』
「──はっ?」
冗談でしょ?
そりゃ、いつかは政略結婚で嫁ぐとは思ってきたけど、今なの?
とりあえず、角が立たないように会うだけ会うか。
当日、汽車の窓から婚約者を見て悪寒がした。気持ち悪い中年男だ。私は見つからないように汽車を乗り継ぎ、別の町へ向かった。この生理的に無理な結婚から逃れるためには、奥の手を使うしかない。幼馴染のセドリックと結婚するのだ。
「あんな男と結婚したくないの、助けて!」
「いいよ」
親友同士、きっとうまくやれる。そう思ったのに……
「ところで俺、爵位いらないから。大工になるけど、君、一緒に来るよね?」
「……んえっ?」
♡令嬢と令息の庶民体験型ラブストーリー♡
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(完結済)
(2020.9.7~カクヨム掲載)
文字数 15,084
最終更新日 2020.08.01
登録日 2020.07.26
巨乳なのにブスだったせいで孤独死した茂仁香は、神様の慈悲で転生を促される。
「巨乳でもブスじゃだめなんだ……可愛くなくちゃ!」
でもそんなうまい話はない。可愛く生まれたければ乳を棄てろと言う神様。
「それじゃあ貧乳でいいから誰からも愛される可愛い子にしてください! あと会社員も嫌。働きたくない。楽しく冒険したい!!」
その願いを全部かなえてもらった結果、ロリータ貧乳エルフに転生。
変態魔導士に競り落とされるところから新しい人生を迎えたモニカのちょっとエッチなファンタジーライフ♪
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〇ほぼ毎日1~2話更新
文字数 30,058
最終更新日 2020.07.30
登録日 2020.07.18
生まれつき口の利けないシーラは、皇女カミーラの侍女として幸せに暮らしていた。ところが妹のように可愛がってくれていた皇女が、縁談の持ち上がった宰相と共に叛逆罪で投獄されてしまう。獄中書簡を取り持っていたシーラは、皇女と宰相が通じていた義勇軍に助けを求めに走った。実は義勇軍を率いている隻眼の青年こそ、皇女の母である皇妃ナルジスが陥れた前皇妃ミリャームの息子、皇太子ザファルだったのだ。
皇女と宰相の処刑が迫る。シーラはザファルたち義勇軍と共に、皇女と宰相の処刑を阻止し、政権を覆す事に成功した。
けれど、再び夢見た皇女との穏やかな日々は打ち砕かれる。
「シーラ。お前を俺の妃にする」
新皇帝となったザファルが、そう言い放ったから……───
♡健気な侍女と新皇帝の下克上ラブストーリー♡
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〇『皇女ですが処刑待ち宰相と交換日記やってます ~最後の恋、実は義勇軍に期待~』のシーラとザファルの恋を描くスピンオフ作品です。本作だけでもお読み頂けますが、興味を持って頂けたら交換日記のほうも覗いて頂けると嬉しいです。
(完結済)
文字数 18,937
最終更新日 2020.07.26
登録日 2020.07.23
孤高の女騎士としてその名を馳せていたヴァネッサは──ある日、突然、女伯爵になった。ブロンザルト伯爵の遺言によって。そして困惑するヴァネッサのもとに、同じくブロンザルト伯爵の遺言によって後見人とされたジークハルト・ラファエル・ブットゲライト男爵がやって来る。彼も元騎士で、功績を認められて爵位を与えられた所謂デキる男。親切なジークハルトに心惹かれながらも、男性恐怖症と意地っ張りな性格のせいでなかなか打ち解けられなくて……────
♡元騎士で棚ぼた貴族同士の純愛ラブストーリー♡
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(完結済)
文字数 30,745
最終更新日 2020.07.23
登録日 2020.07.18
皇女カミーラは憧れの宰相ラウフ・ギュレンとの縁談に舞い上がっていた。しかし、なんとギュレンから断られてしまう。ショックで号泣しているカミーラの元に、ある夜ギュレンがお忍びでやってきた。
「実は私は近く投獄されるのです。貴女を重罪人の妻になどできません」
ギュレンはカミーラの母である現皇妃ナルジスによって謀反人に仕立て上げられてしまったのだ。
そして始まった交換日記。カミーラの私室と独房を行き来するこの交換日記で、日々、愛を募らせていく二人。けれどその愛を引き裂くように、ギュレンの処刑が決まる。
「そんな……貴方を死なせるわけには参りません……!!」
意を決したカミーラは、現皇妃ナルジスを諸悪の根源として奮起した義勇軍に助けを求めるが、実はこの義勇軍率いる隻眼の青年ザファルこそ、幽閉された前皇妃ミリャームの息子でありカーミラの異母兄だった。
しかし義勇軍と通じた事で、ついにはカミーラまで処刑を言い渡され────……
♡箱入り皇女と叛逆宰相の文通ラブストーリー♡
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〇完結済〇
●シーラ視点スピンオフ『皇女様の侍女ですが新皇帝の妃になります ~噤む初恋、瞑る獅子の覇~』
文字数 27,380
最終更新日 2020.07.18
登録日 2020.07.11
地味顔だけど語学に長け器械体操と節約が趣味の末っ子公爵令嬢ダリヤは、色と金が目当てだった婚約者に婚約を破棄されてしまって大ショック。
「もうやだ……消えて無くなりたい……っ」
意気消沈のダリヤだったが、どんなに沈んでいようと公爵令嬢として行事には参加しなくてはいけない。
王室主催の食事会で壁の花としてどんより佇んでいたダリヤは、来賓である砂漠の楽園バラム国第三王子バスィームに声をかけられた。
「君のような女を探していたんだ。俺と来てくれ!」
砂漠の王子様と世界を巡る旅が幕を開けた。しかも移動は飛空艇!
ところが、バスィームの従者レイスは優しいけどガチムチのオカマ、取り巻きは騒々しい道化師一座で、地味女子のダリヤは戸惑う事ばかり……────
♡みそっかす令嬢とノリノリ王子(+愉快な仲間)のトラベルラブコメ♡
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(2021.2.15~「ベリーズカフェ」様及び「野いちご」様に投稿)
文字数 46,153
最終更新日 2020.07.18
登録日 2020.07.03
第一王女セシリアは豊満な肉体と美貌が神官を誘惑するという理由で魔女扱いされ、婚期を逃してしまった。そんな折、ボーイッシュでスレンダーでお転婆な第二王女イリスに求婚が殺到。
「国内の上級貴族だけでなく、近隣諸国の王族にまで見放されるなんて……!」
ショックのあまり理性を失ったセシリアは、夜中に一人で宝物庫へ向かう。
もはや狙いは家宝でも財宝でもない。イリスの持参金と花嫁衣装だ。
「縁談なんてぶっ壊してやるんだから……!」
ところが花嫁衣裳に手をつけた瞬間、警備にあたっていた騎士に見つかってしまった。
女盗賊と間違われたセシリア。でも行き遅れの第一王女だとバレるのも恥ずかしすぎる。
窮地に陥ったセシリアは色仕掛けでなんとかこの場を乗り切ろうとするけれど……───
♡寂しいムチムチ王女と気さくなイケメン騎士の王宮ラブストーリー♡
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〇完結済〇
文字数 24,263
最終更新日 2020.07.12
登録日 2020.07.04
孤児のメロディは革命家に拉致され、保守派のレアンドル伯フェルナン暗殺を命じられる。孤児院の幼子を守るためレノー伯爵令嬢と身分を偽り夜会に潜入したメロディ。しかしフェルナンは温厚な博愛主義者で、メロディにも親身になってくれて……────
♡孤児の少女と心優しい伯爵の激甘ラブストーリー♡
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(完結済)
(他「カクヨム」に投稿)
文字数 26,903
最終更新日 2020.07.03
登録日 2020.06.27
父亡きあと鍛冶屋を守ってきた平民の少女ノエラは、使用人と駆け落ちしてしまった伯爵令嬢と瓜二つな事から身代わりとして嫁ぐ事に。しかし極秘の礼節レッスンを施す分家当主ダルコ子爵はとても冷たくて……────
♡生真面目な職人少女と氷の教育係が育む、慇懃無礼なラブストーリー♡
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(完結済)
文字数 19,928
最終更新日 2020.07.02
登録日 2020.06.27