異世界最後のダークエルフとして転生した僕は、神スマートフォンと魔物使いの能力を駆使して生き延びる。

 高校一年生の主人公は、夏休み中のダイエットを頑張っていた。
 自分がいじめられている理由が、太っているからだと思っているからだ。
 けれども、いじめられている本当の理由は、それではなかった。

 階段を上っていく女子生徒のスカートの中を下から覗き込んだり、保健室のベッドで休んでいた女子生徒が立ち去った後に、そのベッドに潜り込んで、残り香をティッシュ片手に堪能して、悦に浸っている姿を度々目撃されていたからだ。

 見た目、エロさ、性格の悪さを兼ね揃えた主人公が、いじめられない理由はどこにもなかった。

 けれども、主人公のダイエットは突然、神社の階段を上り下りしている時に終わってしまった。
 解けた靴紐を踏んでしまって、盛大に階段から転げ落ちてしまったのだ。

「ぎゃああぁぁぁ〜〜〜‼︎ おふっ⁉︎」

 ドガァ!ドガァ!ドガァ!バギィ‼︎ と激しく全身強打された後に、主人公は首の骨を折って死んでしまった。

 でも、そんな最低主人公にもチャンスが与えられたのだ。
 美しいダークエルフとして、十五歳の姿から転生する事が出来たのだ。
 当然、最低主人公にはチート能力は与えられない。
 それでも、エルフならば、魔法は使える。しかも、美しすぎる容姿もある。これ以上は何も必要はない。

 エロ主人公は希望を持って、異世界に転生した。まさか、それが数分後には絶望に変わるとも知らずに——
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