ライト文芸 因果応報 小説一覧
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11件
1
「愛することはない」が流行っているそうなので、取引終了をお伝えします
学生時代、成績で負けた腹いせに嫌がらせを受けた。更に悪評を流され、社交界での未来を失った「私」は、跡継ぎの座を弟に譲り、領地で働く人生を選んだ。
それから十数年後。かつて自分をいじめた元同級生が、突然領地を訪ねてくる。
用件は息子夫婦の離婚危機についての相談だった。初夜で花嫁に「お前を愛することはない」と言ってしまったらしい。
「昔のことは水に流して仲良くする方法」をアドバイスして欲しい。
そう語る男に、私は静かに告げる。
「私の認識では、あなたの行為はイジメです」
2
夫のカバンにあったリモコンを、こっそりペアリングしてみた。翌日、義弟の結婚式で夫が悲鳴を上げた
夫のカバンの奥に、リモコンが二つ入っていた。表面に記号が三つずつ刻んである。画像検索の一行目で、それが何かは分かった。本体はどこにも入っていない。寝室を分けて半年。
取扱説明書に、共有コードを入力すれば端末を三台まで追加できると書いてあった。入力した。
午前 2 時、夫のスマホに〈料金案内センター〉から請求の案内が届く。整った数字の行の下に、書式の違う一行だけが残っていた。〈明日、本当にあそこまでやるの?〉
朝、ゲストルームは空だった。テーブルに祝儀袋が置いてある。メッセージは二件。〈式は俺が行く。家で頭を冷やせ〉
義弟の披露宴で、義母は私の祝儀袋の封を切り、札を数えて顔を上げる。「兄夫婦で 10万?」 夫の席は空いたままだ。
バッグの中で、アプリはまだ開いていない。
全7話。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
3
義母の手作り餃子をゴミ箱に捨てたら、家族会議で裁かれた。だから全部茹でて、みんなに食べてもらった
毎朝これを茹でて食べなさい――義母が冷凍庫に作り置きした手作り餃子。私は三つの保存容器の中身を、ごみ箱にあけた。
財布を取りに戻ってきた義母は、それを撮影して家族のグループへ送り、それからごみ箱に手を入れた。一つずつ拾って、破れた皮を包み直す。私は、餃子の入った容器を冷凍庫に戻した。
20分後、義兄と義妹たちが押しかけてくる。朝4時から、手が冷たくなるまで包んだものを、ごみ箱に。夫は3月末から船の上で、電話もつながらない。
私が口を開くたび、誰かの声が上からかぶさる。理由を聞いてくれる人は、一人もいなかった。
12時を過ぎて、私はいちばん大きな鍋に湯を沸かし、容器を全部あけて、人数分の茶碗によそった。
「どうぞ。よく煮えてます」
褒めていた人たちは、箸を取った。作った人だけが、取らなかった。
全10話。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
4
不倫妻に冷徹な制裁を――鉄槌を下す大学生の記録
その復讐は絶対零度。だが、彼を救ったのは温かい光だった。
真面目な父親を騙し、よその男と肌を重ねて泥沼離婚した実母。あの冬から、寛太の心は凍りついた。
大学生になった彼は、不倫や裏切りを繰り返す「悪女」たちをターゲットに、その圧倒的な色気で過激に溺れさせ、社会的に抹殺していく復讐者となる。
次々と悪女を淘汰していく寛太だったが、最後に現れたのは、容姿を変えた「実母」だった。実の息子とも知らずに甘えてくる母親に、寛太が下した究極の精神的制裁とは――?
女性嫌いの青年が、復讐の果てに「澄んだ瞳の女性」と出会い、光に満ちた未来を掴むまでの、因果応報サスペンス。
5
『ハレの日』売ります
「『ハレの日』売ります」
雨男としての人生を歩んできたマサヒロの前に現れた少女が言った。
その少女に言われるままに、「ハレの日」を買うことにしたが……
6
シャーロットの憂鬱 ~女性限定のフェミニズム文学賞に、誤っておっさんが応募して大賞を取ってしまったら~
「第8回 女性解放のための文学賞」
それは男社会の抑圧の中で生きる女性たちの、怒りや叫びを物語にしたフェミニズム文学を募集する賞だった。
その年の大賞はマザー・シャーロットという覆面作家が書いた『自覚なき特権者と、姉妹の毒』。
Webでも評判が良く、作者の正体が誰かも分からないその作品が選ばれるのは必然ではあった。そして授賞式では『マザー・シャーロット』を直接呼びつけるという、斬新な企画を行っていた。
……だが、その賞の授賞式で起きてはならないことが起きてしまう。
「僕が『マザー・シャーロット』だよ。お母さんの名前で出したんだ」
そう、この作品の著者『イーノス・ソーカル』は40代の白人男性だったのだ。
彼は『女性限定』という規約を読み落としてしまっており、何も考えずに作品を応募していたこととのことだった。
しかも彼には『哀しい過去』なんてものはなく、読者が飛びつきそうなネットのバズワードを集めて、審査員が喜びそうな作品を書いたということまで判明する。
「ふざけないで! そんなのは文化の盗用よ!」
これに対してキレたのは、本大会の審査委員長でもある、フェミニストのポリー・ウォーカーだった。
……だが、彼女は知らなかった。
そもそも授賞式に彼が登壇出来たこと自体、彼女の『ビジネス・フェミニズム』に中で行われた搾取のやり方に、周囲からの反感が大いに影響していたことを。
そして、これによって彼女の破滅が始まることを。
7
献血ルームで会いましょう ~ 巡る命と枯れる愛 ~
自分を捨てた元カレが手に入れたのは、金と権力、そして疑心暗鬼が渦巻く冷めきった家庭だった。
一方、献血ルームで奇妙な縁を結んだ寧々と英雄は、ささやかでも体温の通った「循環する幸せ」を築いていく。
誰かのために流す血と、自分のために奪い合う血。二組の夫婦が迎える、残酷なまでの明暗とは。
◇◇◇
【偽KAC20261】【お題「血」】~偽カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2026~
主催者:馬村 ありん 2026年3月2日 20:08 作成
https://kakuyomu.jp/user_events/822139846259532686
に参加させて頂きました。
8
ぶつかり、終わる
都内某駅、朝のラッシュ。
会社でも家庭でも息が詰まる加藤は、誰にも言えない“ささやかな習慣”を持っていた。
それは、人混みの中でわざと他人とぶつかること。女性、気弱そうな男、そして時には学生。
言い訳できないほどの衝動だったが、加藤にとってそれは、ストレスを吐き出す「ただのガス抜き」にすぎなかった。
だがある日、何もかもが反転する。
新たな取引先の担当者として現れたのは、つい先日ぶつかったばかりの女性。
そして同じ頃、加藤の“ぶつかり”はSNS上で晒され、炎上していく。
名前、職業、顔、家族構成——匿名の世界は容赦なく彼を切り裂いていく。
気づいたときには、もう、ぶつかる相手すらいなかった。
誰にも触れられず、誰にも届かず、世界から滑り落ちていく。
「ぶつかったのは、誰かの心だった。」
この物語は、“ささやかな加害”が引き起こす、静かなる地獄の記録である。
9
ミニスカートとボク
26歳の会社員・みゆきは、密かに女性として生きることを夢見ていた。
ある日、スマホに届いた一通のメール。それは月額制で身体を変えられるという、信じがたいサブスクサービスの案内だった。「本当に女になれる」——その誘惑に、みゆきは抗えなかった。
月3000円から始まった契約は、次々と追加されるオプションで膨れ上がっていく。メイク道具、生理体験、美容サービス…。気づけば月額は6万円を超え、生活は困窮していた。
お金を稼ぐため選んだ道は、女として身体を売ること。しかし待っていたのは、思いもよらない現実だった。
過去は消せない。やったことは、必ず返ってくる——。
願望と現実、そして因果が交錯する、切なくも残酷な変身譚。
10
女占い師と女難の相〜嘘つきなのは誰?
街で見かけた淑女に乗り換え、浮かれていた洒落者のジャック。
だがある日、ジプシーの女占い師に「災いの相が出ている」と告げられた瞬間、彼の幸せは崩れ去る。
突如現れた警備隊。頭から水を浴びせられる恋人。ポケットに忍び込まされた血塗られたナイフ。
嘘をついていたのは誰なのか?
フランスの絵画『女占い師』にインスピレーションを得たちょっぴりビターなお話。
※17世紀フランスの画家ジョルジュ・ド・ラトゥールの名画『女占い師』に着想を得た短編です。
11
世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
私、依田結花! 37歳! みんな、ゆいちゃんって呼んでね!
大学卒業してから1回も働いたことないの!
23で娘が生まれて、中学生の親にしてはかなり若い方よ。
夫は自営業。でも最近忙しくって、友達やお母さんと遊んで散財しているの。
娘は反抗期で仲が悪いし。
そんな中、夫が仕事中に倒れてしまった。
夫が働けなくなったら、ゆいちゃんどうしたらいいの?!
退院そいてもうちに戻ってこないし! そしたらしばらく距離置こうって!
娘もお母さんと一緒にいたくないって。
しかもあれもこれも、今までのことぜーんぶバレちゃった!
もしかして夫と娘に逃げられちゃうの?! 離婚されちゃう?!
世界一可愛いゆいちゃんが、働くのも離婚も別居なんてあり得ない!
結婚時の約束はどうなるの?! 不履行よ!
自分大好き!
周りからチヤホヤされるのが当たり前!
長年わがまま放題の(精神が)成長しない系ヒロインの末路。
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