「む」の検索結果
全体で33,801件見つかりました。
シェーヌ王国では、貴族や騎士の血筋であれば誰しもが魔力を持っている。
『火、水、風、土、光』
その五つの属性のいずれにも当てはまらない、けれど王家の魔力をも凌ぐほどの強大な力を持ち、国の平和を守る『神の子』。
およそ百年に一度現れると言われているはずなのだが、どういう訳か先代の神の子が現れなかったようで、王国を包む結界が薄れ始めていた。
一方で、こちらも五つの属性のいずれにも当てはまらず、貴族であるというのになんの魔力も持たない、それどころか災いを呼ぶとすら言われている『呪われた子』。
マルグリット伯爵家の次男として産まれたサーシャ・マルグリットは、生まれつき魔力が皆無で、呪われた子の特徴である白に近い灰色の瞳をしていた……。
家族や使用人達から虐げられ、ついには除籍されて家を追い出されたサーシャ。
そんな彼は酒場の息子に助けられ、仲良くなり、ある日一緒に出かけた先でとんでもない出来事に巻き込まれる。
運命の歯車は、その瞬間動き始めた。
(R18には※印つけます)
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ずっと書きかけていた異世界モノにようやく手をつけました……!
ご都合主義な設定ですが、あたたかく見守っていただけると嬉しいです。
文字数 8,749
最終更新日 2025.11.01
登録日 2025.10.31
本作『不生不滅の蓮華姫』は、
“人の心の中”を舞台に繰り広げられる、
未来(縁)を巡る異能バトルファンタジーです。
第一章では、主人公・円城あかりが
不動明王の力を宿す《蓮華姫》として覚醒し、
悪縁鬼に囚われた人々の“最悪の未来”と向き合ってきました。
そして今回公開する《第一章・設定資料集》では、
物語の根幹となる世界観と戦闘システムを、
読者がより深く理解できるように体系的に整理しています。
物語の舞台となるのは、人々の深層意識に広がる《心界》。
そこは、記憶・感情・願望・トラウマがそのまま風景となる精神世界。
悪縁鬼はこの領域に侵入し、精神主の恐怖を素材に
“最悪の未来(並行世界)”を作り出します。
並行世界が現実とつながると、この世に“鏡”が出現します。
鏡は並行世界への入口であり、破滅の未来を固定する歪んだ装置です。
鏡を守るのが、悪縁鬼が生み出す《念鬼》。
念鬼は精神主の負の念から作られ、鏡へと侵攻し、
触れた瞬間に“未来を破滅へと書き換えてしまう”危険な存在です。
蓮華姫たちはこの鏡を破壊しなければなりませんが、
鏡と念鬼は互いを守り合う《相互不壊システム》によって結ばれており、
念鬼がいる限り鏡は割れず、
鏡がある限り念鬼は不死身という二重の壁が立ちはだかります。
さらに、念鬼が鏡に触れた瞬間、
精神主の“本来歩むはずだった未来”が失われ、
未来の縁はすべて創造エネルギーとなって悪縁鬼に奪われます。
これが蓮華姫にとっての明確な敗北条件です。
一方、蓮華姫の戦闘システムも本資料集で詳しく解説。
虚空竜宮寺から精神界へ転送され、
加護神仏との“同調”によって変身。
光背の出現、武具の形成、真言、縁のエネルギー操作。
念鬼排除から鏡破壊までの流れが明快に整理されています。
“縁(えん)”とは、
ただの生命力ではなく、
未来を生み出す根源のエネルギー。
この設定を理解すると、
蓮華姫たちが戦う理由とその重さがいっそう深く響きます。
本資料集は、第一章の内容をより深く理解したい読者はもちろん、
第二章から参戦する新規読者にもおすすめの入門書。
世界観・概念・敵構造・戦闘ロジックが明確で、
今後の物語を読み解く基礎として活躍します。
“未来を守る戦い”——その全貌がここに。
文字数 3,391
最終更新日 2025.11.13
登録日 2025.11.13
幼い頃からピアノを習っているせいで、合唱コンクールのピアノ伴奏は、いつも私の担当になっていた。
「よかったよな、あいつ」
普段ほとんど会話をしない男子までもが、舞台を降りた私を指して話しているのが聞こえる。
それが伴奏のことじゃないことは、すぐわかった。
彼らが口々に「よかった」と言っていたのは、ペダルを踏むたびに揺れるドレスの裾や、少しだけ開いた胸元のことだ。
制服姿の私は、いつも群衆の中の一人にすぎない。
それなのに、晴れの舞台でステージ衣装を着ると、私の外見的な部分、ただの「飾りの部分」だけがクローズアップされる。
年頃の男子がそこばかりに目が行くことなんて、私だって知っている。
1年生のとき、片想いしていた男の子が、別のクラスの女子のポニーテールをじっと見つめていた。
私はショックを受けるでもなく、ただその様子をぼうっと観察していた。
「結局、人は中身なんか見ないのかも」-いつしかそんな考えが、私の心に深く沈んでいた。
文字数 1,197
最終更新日 2025.11.19
登録日 2025.11.19
あらすじ
深夜二時、
大学生の佐久間蓮は退屈しのぎに怪談系の掲示板を眺めていた。
そこで「読むと死ぬ小説【小説に諸説あり】」という不気味なスレッドを発見する。書き込みには「必ず #諸説あり が付いている」「友人が読んで消えた」「舞台は実在する」など、都市伝説めいた警告が並んでいた。
半信半疑の蓮はリンクを開き、
小説を読み始める。
そこには「赤い橋」「鏡の部屋」
「消えた人影」といった意味不明な断片が続き、必ず最後に「#諸説あり」とタグが付けられていた。
恐怖に駆られページを閉じたはずなのに、スマホは勝手に再びその小説を開く。
そして冒頭に、新しく追加された不気味な一文が浮かび上がる。
――⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎へ。
――次は⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎だ。諸説あり。
恐怖に震える蓮の前で、
呪いの小説は現実に侵食し始めていた。
文字数 6,135
最終更新日 2026.01.22
登録日 2026.01.22
《太っちょと王子、あなたはどっちの彼が好き?》
肥えた忍者でも体術は一流。そんな謳い文句で活動をするある一人の忍者がいる。
あらゆるものが研ぎ澄まされ効率化されていく現代、日陰に生きた古き者たちもまたその変革を迫られた。
流れる時と共に仕えるべき主君を失った忍びの者たちは皆、いつの日か立ち上がった巨大忍者組織【N】のもとに属した。
Nは忍びの体に刻まれた個性的で特別な力【印】を管理登録し、忍びそれぞれに適した任務を与える。
そしてそんなNに属する忍者の一人、百地大地は多忙の任務の日々に嫌気がさし、ある日を境にNから与えられる任務を放棄し、一人暮らしをしながら深夜のコンビニでアルバイトに励んでいた。
大地の肉体は世を忍び生きるには少々、辛いサイズをしている。そんな自他共に認める肥満体型の若者である彼だが、それでも燃費の悪いこの体を維持するために、せっせとお金を稼がなければならなかった。
百地といえばかつて忍界では名を知らぬものがいないほどの名家であったが、今やその威光はどこへやら、見る影もなく没落していた。
当然、実家には金がなく、頼るべき親戚はどこにもいない。百地大地はそんな時代に取り残されながらも、なんとか生きながらえていた弱小の家の出であった。
しかし任務を放棄したことでNからの忠告を受け、大地が実家へと帰省した日──。
久々の息子との再会に、母が用意した報酬の美味しい焼肉と父の熟慮した策略により、名門、藤林夜間忍者学校へ入学させられた大地。
そこで入学早々に問題行動を起こすも、何故だか彼はエリートくノ一ばかりが集う緋ノ小隊に、場違いながらもその一員として配属されることになった。
クソもちという素晴らしい愛称で蔑まれ、小隊のお荷物扱いされる大地だったが……。
果たして彼は、その肥えきった体で、かつて任務に明け暮れた時のような輝きを取り戻し、再び、強き忍びの頂へと返り咲くことができるのか?
文字数 84,170
最終更新日 2026.03.11
登録日 2026.02.07
人を襲い、喰らう異形の“化け物”が存在する世界。
人と化け物の血を引く新垣竜哉は、祖母に呼び戻され、能力者たちが集う学園へ戻ることになる。
学園では落ちこぼれのように見られている竜哉だが、その実力は規格外。
祖母に託された真紅の大鎌《ノーチュンソルド》を手に、化け物との戦いを続けていた。
そんな竜哉を待っていたのは、かつて自ら別れを告げた元恋人・レイジとの再会。
守るために手放したはずなのに、再会した今も、二人の想いは何ひとつ消えていなかった。
傷つくたびに心配し、距離を取ろうとしても、必要な時には誰より近い。
別れたままではいられない二人は、再び向き合うことになる。
だがその裏で、化け物事件に絡む危険な研究が動き出していた。
母に託された封印、自らの血に隠された秘密、そして過去の真実。
逃れられない運命の中で、竜哉は自分が何者なのかを知っていく。
これは、異端の血を持つ青年が、過去と血、そして消えなかった想いに向き合っていく、学園ダークファンタジーBL。
文字数 32,748
最終更新日 2026.06.15
登録日 2026.03.26
突如、異世界に召喚された日本人高校生の三浦湊。
神官に勇者になり魔王軍をせん滅するために召喚された旨を伝えられ、訓練や異世界生活などの急展開に事態を受け入れる暇もなく実戦を迎えることになる。
対魔王軍戦は順調であるかのように思われたが、予期せぬ事態に王都は壊滅状態になり、知り合いも皆殺されてしまう。自身のチート性能のために調子に乗って油断した自分を責め続け、周囲からも非難され続けるうちに正気を失っていく。
国から抜け出し単騎で魔王軍に乗り込むもついには崖から落ち、川に流される。
ヒューマンとエルフのハーフであるリーファに命を救われ、何があったかを説明し慰められているうちに、やっと異世界に来てから今までのことを受け入れられ正気を取り戻す。
そして、彼女が差別を受けるハーフのための国の建国に携わっていることを知り、命を救われたお礼にその手伝いをすることになった。
登録日 2016.08.06
生きることに絶望して自殺を図った双子の兄妹、雪峰零弥(ゆきみね れみ)と雪峰伶和(ゆきみね れな)。
二人は異界の神々の住まう世界にて目を覚まし、そこで選択を迫られる。
「元の世界で転生するか」
「異世界に渡り新たな人生を歩むか」
二人は異世界へ渡ることを決意。
異世界イヴ、それは魔法の力で発展する歴史を歩むファンタジー世界であった。
新たな家族、新たな仲間、新たな力を得て、兄妹は過去と向き合いながらも新たな人生を歩み始める。
波瀾万丈な危険で楽しい(非)日常が今始まる!
登録日 2018.04.19
さむいさむい!きょうもさむかった。
ランドセルをおいたわたしは
コタツにはいった。
あーきもちいい
やっぱりこたつはきもちいい。
さむいのになぜコタツにはいるとアイスが食べたくなるのだろう…
わたしはアイスをもってきた。
みかんもたべた。
そうしていると
あれれ?なんだかねむたくなってきた
フワーっとあくびがでた。
めざめるとあさだった。
どうやらコタツでねむってしまったらしい。
なんだかしずかなので、おかしいなとおもった。
おかあさんをよんだがへんじがない
しごとへいったのか?
とけいをみると8じだった。
あわてておきあがろうとしたけど、コタツがおもい。
きあいをいれておきたら、なんとコタツがついてくる。
コタツとがったいしてしまったらしい。
トイレがしたくなってトイレにいったがコタツがじゃましてはいれない
アイスなんかたべなければよかった。
こうかいしてももうおそい。
ちこくだちこくだ
わたしはしょくパンかたてにコタツをひきずりはしった。
ふしぎなことに、まちゆくひとはちっともおどろかない。
がっこうのてまえのかどをまがったとき
おなじクラスのともだちがいた。
おはようとあいさつをしてこうもんをくぐろうとしたとき
コタツむりさんはこちらですとこえがした。
コタツむり?コタツむりってわたしのこと?
こえがするほうをみると、たくさんのコタツむりさんたちが…
ねぐせであたまがボサボサのおとこのこのてにはゲーム。
けしょうをおとすのをわすれたおねえさんは、すごいかお。
よっぱらいのおとうさんはさけのびんをかたてに。
おもわずこわくなって、たすけてーとさけんだ。
わたしはとびおきた。ゆめだった。
とけいはゆうがたの5じをさしていた。
ぼーっとしていると、おかあさんがしごとからかえってきた。
またねてたの?といわれた。
そういえばさいきんコタツにはいるとねむってしまうし、でられなくなる。
しゅくだいもおわってない。
ほんとうにゆめでよかったとおもった。
カタツムリはかわいいけど、コタツむりはこわかった。
文字数 819
最終更新日 2018.12.21
登録日 2018.12.21
激闘の末、魔王を倒した勇者パーティ。
武道家として活躍したマッシュは、その後生まれた街に帰り、
ギルドの入り口に毎日居座り、新人冒険者を見つけたらカラむ仕事をしています。
え?それ仕事?
いや、立派な仕事なんです。多分。
ヒャッハー!野郎ども、今日も何だか弱っちいヤツがやってきやがったぜ!!
文字数 5,246
最終更新日 2019.03.27
登録日 2019.03.24
一話完結のショートストーリーでお手軽に読むことができます。
以前にとある元テロリストのインタビューをもとに書かれた記事を読んだときに思ったことをまとめてみた小説で、私としては個人的にテロリストがテロを行う行動原理のようなものを感じ、それを今回のジャベドという名前の主人公に託してみました。
少し星新一やキノの旅など、短い話でメッセージ性がある話が好きな方はきっと気に入っていただけると思います。
文字数 3,384
最終更新日 2019.06.04
登録日 2019.06.04
シャオンは魔女である。
幼い頃に母を目の前で殺され、その犯人を探すために人間の魔法学校へと入学してきた。
魔女の特徴である類《たぐい》まれなる美貌と紅い瞳を隠すために普段は男として生活しているのだが……
超美少年になっているもんだから目立ちまくっていた。
同じ学校に入学してきたツクモという少年は入学式の日に男の姿であるシャオンに一目惚れをしてしまう。
シャオンが男と知り猛烈に落ち込むツクモ……
それでもしつこくつきまとってくるツクモにシャオンは素っ気ない態度をとって遠ざけようとしていたのだが、ある夜、女へと戻る姿をツクモに見られてしまい、魔女だということもバレてしまう。
そんなツクモにも人には言えない秘密があるようで……
☆表紙のイラストは自作です。エブリスタの方では挿絵もたくさん載せていますので、もし興味のある方は覗いて見てください(❁ᴗ͈ ᴗ͈)”
文字数 219,986
最終更新日 2020.09.27
登録日 2020.09.11
1時間1000円であなたの「時間」を売りませんか?
とある残業続きの会社の社員新川新太(しんかわあらた)は会社の接待で酔っぱらっていた勢いで、よく分からない「タイムスリップ保険」というものに入会してしまう。
その保険は自分にとってイヤな指定した1時間を千円で保険会社が自動的に買い取ってくれるものだった。
辛いことを体験しなくて済むならそれでいいと新川は思うがままに自分の時間を売るが...!?
その時は、それがとある重大な過ちを犯しているということに気付いていなかったーーー。
ありそうでなかった、“幸せ”と“時間”を探し出す新感覚タイムスリップドラマ、ここに開幕。
ノベルアップ+、小説家になろうでも連載中。
文字数 15,527
最終更新日 2020.07.27
登録日 2020.04.30
これは「人生詩集」と銘打った詩集です。少年・青年編、海外流浪編、壮年・老年編とセパレートしています。それぞれの編でまた内容紹介と云うか前文を置きますのでどうぞこのまま詩集へとお進みください。まずは少年・青春編からです。(以下同編前文)
見るもの、手に触れるもの、ものみななべて新鮮で、発見の連続という幼児にはとてもかないませんが、青春時における感受性というものにも、そこにはおのずから詩性というものがあるのだと思います。社会人としてなるべきものにまだなっていないがゆえに、その守備範囲も広い。逆に云えばまだ完成されていない未熟者なのですが、すでに各々の視点を完成させた我々が遠の昔に失った、未熟であるがゆえにこそ抱ける事象への直なる視点というものがそこにはあり、カオスに裸で立ち向かって行こうとする潔さがあります。成人して各々が業界人となりかつての青春時を思うなら、そこには甘酸っぱいような哀愁や切なさ、あるいは愛しさを感じるのはそこにその詩性を見ればこそのことだと思います。ですから、年に関係なく真の詩人というものは、またそのあるべき姿勢は、年輪とともに重ねた経験や知識に固まるのではなく、むしろそれをともなって感性を逆行すべきものと考えます。理想は幼児時期のそれまで。しかしまあ、とは云うものの、はたして疾風怒涛期だった青春時にさえ戻れるかどうか、詩の生命(いのち)で争えるかものかどうか、至って定かではありません。もしこの先もこの拙詩集をお読みいただけるならば、壮年・実年を経て老年に至ったわたしの詩群と見比べてみてください。
文字数 25,584
最終更新日 2021.07.05
登録日 2021.06.26
『迷想画廊』第二弾
肖像画の謎と、絵画モデルから始まるロマンス
美術学校に通う飯田和美は、運命的な恋に憧れつつも、親友、坂上啓よりも好きになれる相手が見つからずにいた。
啓が恋しているのを見て、自分も出会いを探そうと思った矢先、啓から近江錦弥という上級生を紹介される。
近江は大会社の長男で、才色兼備の目立つ学生で、啓と和美も彼の日本画のファンだった。
近江に頼まれ人物画のモデルをするうち、近江が以前より和美に一目惚れしていたと知り、戸惑いながらも惹かれ合っていく。
ふとしたことから婚約者がいると判明し、近江と距離を置こうとしたが――
和美の兄で刑事の飯田無流は、恋人の北原諭介に呼び出され、画廊を訪れる。「掛け軸に描かれている人物を探して欲しい」と依頼されたと言う。
かすれた箱書きには「龍泉寺」と「流」という字が書かれており、和美たちの住む寺と同名だった。描かれた人物は現在の住職である、和美の父・清流にそっくりだが、年代はもっと古いと推測される。
清流に会いに、北原は無流と龍泉寺を訪ねる。
文字数 93,049
最終更新日 2022.06.26
登録日 2021.12.20
佐野元春と君の中の元春に
この物語を捧ぐ
20220220
筆者
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第一章_春風神官学校編
[あらすじ]
桜が満開の金曜日の夜、天野春風(あまのはるかぜ)は隣の家、天才科学者大神元(おおかみはじめ)の研究所にいた。
この日は春風の三十回目の誕生日だった。
十五歳だった大神がアメリカから日本に移り住んだその年に隣の天野家の長男として春風が生まれ、長い時間を共に過ごした二人は年の離れた兄弟のような関係になった。
大神は春風を「ハル」と呼び、春風は大神を「モッちゃん」と呼んだ。
くしくもこの夜、大神が半生を費やした超大作「宇宙ラジオ」が完成した。
大神は宇宙ラジオのスイッチを入れた。
宇宙に飛ばした探査機から送られてくる情報を収集解析し、生命と宇宙の起源を探るための装置だったが予想外の事態が起こった。
春風の体は光に包まれ、遠く離れた銀河の惑星バルデラに転移してしまったのだ。
バルデラは剣と魔法の世界だった。
惑星バルデラには七つの月があり月の満ち欠けの組み合わせにより月から人が落ちてくると信じられていた。
バルデラ人は月から来た人を「月落人(つきおちびと)」と呼んだ。
月落人(つきおちびと)はそれぞれが特別な力を持ってやってくる。
ゆえにバルデラ世界の歴史形成に関わる重要人物となる場合が多々あり国家だけでなく悪事を企む集団も探し求める存在だった。
月落人となった天野春風を最初に見つけて確保したのは天才魔術師ソフィエ・ヒストリアだった。
ソフィエはブリテン神官学校の教師であり、校長デルタ・オサロの指揮の下(もと)、春風を救出した。
銀河間時空転移の影響で期せずして若返った春風は月落人奪取を目論む謎の魔術師集団から身を隠すため、そしてこの世界に適応するために、ブリテン神官学校の生徒として暮らす事になった。
自分の肉体に生じた異変に戸惑いながら学生として剣や魔法の経験を積んでいく春風はある時、謎の遺跡に巡り合う。
貴族剣士や猫獣人などの友人たちと日々成長していく春風は遺跡の謎を追うごとに歴史の渦に巻き込まれていき、やがてバルデラ世界は再び月落人を中心に動き始めるのだった。
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カクヨム、アルファポリスにも同時掲載
登録日 2022.02.21