「尋」の検索結果
全体で1,014件見つかりました。
深夜の電話。「姉さん、母さんが倒れた」弟・健太の声に、三十五歳のキャリアウーマン・佐藤美咲は凍りついた。脳梗塞。母・千鶴子は集中治療室にいた。
実家とは五年間、ほとんど連絡を取っていなかった。理由は母との確執。「女は結婚して家庭を持つべき」と言い続ける母に、美咲は反発した。「母さんみたいになりたくない」その言葉で、二人は疎遠になった。
病院で父は懇願する。「美咲、実家に戻ってこないか」母の介護、そして認知症の祖母の世話。誰かが必要だった。「一ヶ月だけ」美咲は渋々承諾する。
五年ぶりの実家。祖母は美咲を認識できず、何度も「あなた、誰?」と尋ねる。父が作る簡単な食事。母がいない家は、こんなにも静かだった。
リハビリ病院に転院した母。右半身麻痺が残り、母は涙を流す。「私、役立たずになっちゃった。おばあちゃんの世話もできない」強かった母の、初めて見る弱い姿。
「母さん、一人で抱え込まないで」美咲の言葉に、母は告白する。「私ね、若い頃、デザイナーになりたかった」結婚、出産、専業主婦。幸せだったが、時々「もし」を考える。「だから、あなたには私みたいになってほしくなかった」
母の本音を知った美咲。母は美咲を否定していたのではなく、自分の未練を投影していた。「私も、あなたの気持ち分かってなかった」二人は五年ぶりに心を通わせる。
だが現実は厳しい。祖母の介護、母のリハビリ、仕事との両立。健太の妻は妊娠中でつわりがひどく、手伝えない。介護施設の費用は月四十万円。美咲は自分の貯金を出すと申し出る。「家族だもん」
三ヶ月の介護生活。美咲は料理を覚え、祖母の世話に慣れ、母のリハビリを励まし続けた。そして母は退院。右手は完全には回復していないが、日常生活は送れるようになった。
「美咲、ありがとう。仕事、大丈夫?」「来週から東京に戻る。でも、週末は帰ってくる」母の寂しそうな表情。「母さんや、おばあちゃんに会いに」
一年後。健太に息子・太郎が生まれた。美咲は週末ごとに実家に帰り、太郎の成長を見守る。母は左手で太郎を抱き、笑顔を見せる。祖母は施設で穏やかに過ごす。父は趣味の園芸を楽しむ。
「美咲、あなた、結婚しないの?」「私、今、十分幸せだよ」母も笑顔になった。
家族の形は変わった。完璧ではないかもしれない。でも、これが私たちの家族だ。母の背中を見て育ち、今、自分の道を歩いている。
文字数 5,650
最終更新日 2026.01.12
登録日 2026.01.12
少し不思議な力を持った、女子高生チハルは、交差点を行き交う人混みの中に、強烈な違和感を感じ取った。
その謎を追う内に、チハルは、奇妙な運命に巻き込まれていく。
文字数 41,381
最終更新日 2018.12.06
登録日 2018.11.24
魔法使いが最強と言われる世界で、ニーナは防御魔法しか使えないーー
魔法の戦闘訓練になれば、毎回守る、守る、守る、そして逃げ惑う。
付いたあだ名は弱虫な魔法使いーー
そんな彼女にも夢がある。
「私は魔王を倒してそのまま死ぬのが夢。誰の歴史にも残らず、自分の記憶をも全て消し去りたいーー」
変に記憶力の良い彼女は、生まれた時からの全てを覚えていた。
母が目の前で何者かによって殺されたこと。
私が魔王の娘である事。
私が、私自身が、私だけの……あの事を。
そんなある日、魔力がほんの少し高いだけのステータス貧弱の戦士がニーナを尋ねる。
「私とダンジョンに潜ってください!!」
「え、嫌です」
これは記憶を消したい弱虫な魔法使いと、記憶を取り戻したい花吸いの戦士が、儚い真実を探す物語ーー
文字数 7,964
最終更新日 2025.03.14
登録日 2025.03.10
ウチの名前は、高野 千尋。高校3年。
階段から足をすべらせて、気がついたら知らない天井・・・
どうやら、異世界転生してしまったらしい。
あたりを、見回すと知らない男の人・・
ずっと付き添ってくれていたみたいだ。
でも、見え隠れする顔がなんだか、そっくり!?
ゆっくりそんな感じて。進んでゆきます。
文字数 7,036
最終更新日 2017.03.20
登録日 2017.03.14
※バッドエンドです。主人公は不幸になります。
Sランクパーティで呪術師をしているフールが突然リーダーに「要らない」と言われた。
理由を尋ねたら、仕事をしていないように見えているらしい。
つまり、ただ一緒に居るだけで依頼報酬を分け与える仲間になっていると……。
フールの力で相手を麻痺にして足止めや毒にして弱らしていたと伝えるも魔法師リオの一言で全てが終わる。
「私が超強力で広範囲の技を使えばアンタなんて要らないじゃない?」
相手を足止めする必要もなければ僕は何をすれば……?
あぁ、わかった。抜けるよ。
文字数 16,991
最終更新日 2022.12.10
登録日 2022.12.10
本家の安見雪尋と見合い結婚した、安見奈々。結婚したものの、夫婦としての生活は一切無かった。妻として暇な奈々は、仕事に出る事にし。そこで出会った上司・宮野啓のアシスタントとなるが。夫の雪尋は、ソレが気に入らなくて――。
登録日 2015.01.18
ピアノコンクールで敗退した波間響は失意から音楽が聴こえなくなってしまう。体調を崩し病院に搬送された響は目覚めた夜、院内の音楽室でチェロを弾く少女、潮崎美海と出会う。聴こえないはずの音楽なのにチェロの音色が聴こえたことから少女に興味を持ちお見舞いにいくことにする。海の見える公園で再会すると、少女は水平線を見つめながらこう響に尋ねた。「ジャクリーヌ・デュ・プレって知ってる?」。 夭逝した天才チェリストに憧れた少女もデュ・プレと同じ多発性硬化症に侵され入院していた。彼女の最期の願い事とは?
潮騒の聴こえる街、横須賀で繰り広げられる、音楽に人生を捧げた少年と少女の青春物語。
文字数 95,469
最終更新日 2021.04.29
登録日 2021.04.29
小さな村の小さな病院、そこの先生は穏やかな雰囲気も然ることながらのどかな村にはそぐわない医者としての実力を持っているという。一方で、その先生は地下に「拷問室」を持っているという噂も…
そんな彼の過去を知るという男がある日彼のもとを訪ねる。
彼の過去、勇者の栄光、奴らから救われた人々、そして何処かへと消えた勇者、「拷問室」。
尋ねていくうちに、彼はこれらの真実を知る事となるが同時にもう逃げられない事を悟る。
そして拷問室へと連れられた彼は…ナイフでその医者を突き、そしてその医者の冒険へついて行くこととなる。
…あれ?
文字数 3,584
最終更新日 2021.11.15
登録日 2021.11.15
拍手が好きだ。自分に向けられたことは、一度もないけれど。
高校三年の三谷波瑠は、ピアニストを目指す幼なじみのコンクール書類を整え、小説家志望の後輩の原稿に感想を書き、進路に悩む下級生の推薦状を練る。
放課後活動支援部、通称ゆめ部のたった一人の部員。
誰かの夢を裏方で整えることが、波瑠の放課後のすべてだった。
高三の二学期、転入生の瀬戸内廻がゆめ部にやってくる。なんでもそこそこできるのに、なんにも本気になれないという廻は、ある放課後、波瑠に尋ねた。
「お前は、何がしたいの」
波瑠は答えられなかった。その問いの形をした穴が、ずっと前から胸の真ん中に空いていたことに、気づいてしまったから。
幼なじみのピアノの才能は、遠い舞台の上でますます輝いていく。後輩の小説は、波瑠の知らないところで誰かの心を動かし始めている。みんなが前に進む。でも、波瑠だけが客席に座ったままでいる。
支えているつもりだった。でも本当は、自分自身と向き合うことから、ずっと目を逸らしていただけなのかもしれない。
夢を追って家族を置いていった父。才能を信じることをやめた母。十六年間閉ざされていた書斎の奥に眠る、一枚の絵。
すべてが繋がったとき、波瑠の足元が揺れる。
海が見える丘の上の高校で過ごす、最後の半年間。
夢を持てない少女が、夢を持てないまま、自分の足で立ちあがるまでの物語。
あの日、コンクール会場の暗い客席で流した涙の意味を、波瑠はまだ知らない。
文字数 21,013
最終更新日 2026.05.08
登録日 2026.04.09
仮面とスポンジ。
登場人物
外野井 奏真(とのいそうま)
光南学園高等部二年
演劇部所属(生徒会役員でもある)
身長176㎝
体重62㎏
瞳の色漆黒
髪の色も漆黒
両親共に芸能界出身。
父親は、俳優
母親も女優といった普通の家庭とは少し違う環境で育った為、妙に大人びている。
当人は芸能界には興味が無く、演劇部が大切。
読書と、演じる事を一番に思っている。
いくつもの仮面を持っているようだと評価されるその演技に、将来を期待されている。
性格は、クール。演劇部に関しては熱い。
あらゆる作品の脚本を熟読し、冷静に仮面を使い分ける。
尋夢とは、よくコンビで扱われるが普段の二人の会話はあまりない。
七光りという言葉に、敏感に反応する。
顔立ちは、整いやや涼しげな目元と低めの響く声の持ち主。学習塾の講師と交際している。
結城 尋夢(ゆうきひろむ)光南学園高等部二年
演劇部所属
身長171㎝
体重59㎏
瞳の色焦げ茶色
髪の色ダークブラウン
見た目は中性的
演劇で女性役をする事もある。
奏真とは、犬猿の仲。
親の七光りで、主役を射止めたのでは…という思惑を部内で広められてしまってからは、舞台に関する事以外は話をしなくなった。
とても正直で、素直。
子供のように自由で天真爛漫。
教師受けがいい。
圧倒的な演技に、容姿端麗さが武器。他校からも演劇を見に来るファンがいる。数多くの映画を無差別に見てきた。
役を体に完全に取り込むような約作りをするため、しばらく演劇が終っても役のままを引きずってしまう。
脚本を読むだけで、脳内にすぐ情景が浮かぶ。
表現力が高く、奏真からは実は、一目を置かれている。
校内の下級生と交際している。
尋夢いわく、役を落とすための存在とのこと。
小高 麻優(こだかまゆ)
明成義塾講師
二十代後半
身長159㎝
体重48㎏
奏真の恋人兼、よき相談相手。不器用にしか生きられない奏真を温かく見守ったり、時には励ましたりしている。
清い交際で、手を繋ぐくらいしか接触はしない。
俵田亜海夏(たわらだあみか)
光南学園高等部一年
園芸部所属
尋夢の恋人。
愛らしい性格と容姿で、クラスでも目立つ存在。
歳のわりに心が広く、情け深い性格。
尋夢の役落としに協力している。
文字数 3,718
最終更新日 2021.08.22
登録日 2021.08.22
「私たちはきっと殺されるわ! だから、あの子の為に逃げないと―」
お父さん、お母さん。
あの夜、何があったの?
どうして、私を置いていったの?
殺されるってどういうこと?
文字数 3,083
最終更新日 2021.11.11
登録日 2021.10.24
令和8年、7月。
湘南の海は、かつてのような「灼熱の社交場」というよりは、SNSに最適化された「映える背景」と化していた。
都内の広告代理店で、クライアントの無理難題に「検討します」という名の逃亡を繰り返していた**浅海 颯(あさみ はやて)**は、30歳を目前にして、突然の無力感に襲われていた。手元には、半年前に別れた彼女との思い出が詰まった、通知の来ないスマートフォン。
「……バグだよな、これ」
彼は独りごち、愛車の古いジムニーを走らせた。向かった先は、亡き祖父が遺した三浦半島の端にある古びた海の家兼民宿『シーサイド・ログ』。
到着した颯を待っていたのは、潮風で剥げかけた看板と、砂浜に座り込んでMacBookを叩く一人の男だった。
「お、新しいオーナー? 悪いけど、Wi-Fiの調子が最悪なんだわ」
男は藤原 湊(ふじわら みなと)。大手IT企業をドロップアウトし、フリーのエンジニアと称して各地を転々としている、掴みどころのない自由人だ。
「勝手に住み着いてるのかよ」
「家賃の代わりに、このボロ宿のシステム改修を請け負ってる。今のところ、予約システムは『手書きのノート』だけどな」
颯の神経質な真面目さと、湊の飄々とした軽薄さ。対照的な二人が顔を合わせた瞬間、夏の熱気が一段階上がったような気がした。
そこへ、一台の電動キックボードが波打ち際を滑るように現れた。
「ちょっと! そこの二人、宿の再開準備って聞いてるけど?」
ヘルメットを脱ぎ、汗を拭いながら現れたのは成瀬 渚(なるせ なぎさ)。地元の観光協会で働く彼女は、幼い頃この『シーサイド・ログ』で颯と遊んだ幼馴染だった。かつては追いかけっこをしていた少女が、今では凛とした大人の女性として、強気な視線を颯に向ける。
「颯、本当に戻ってきたんだ」
「……ああ、まあ、夏の間だけな」
「湊さんも! 仕事してないなら、この『海びらき』のポスター、町中に貼ってきて!」
再会した幼馴染、居座る風来坊、そして燃え尽き症候群のサラリーマン。
夜、三人は『シーサイド・ログ』のデッキに座り、コンビニで買ったビールで乾杯した。
「令和になっても、結局ビールは美味いな」と湊が笑う。
「明日から、どうするの?」と渚が尋ねる。
颯は、暗い海を見つめながら答えた。
「とりあえず……このボロ宿、本気で直してみるよ」
スマホの画面は相変わらず静かだったが、波の音だけが、かつて忘れかけていた胸の鼓動のように響いていた。
友情とも恋とも呼べない、何かが始まる予感。
三人の「ログイン」できない夏が、今、静かに幕を開けた。
文字数 1,050
最終更新日 2026.05.25
登録日 2026.05.25
貴夫は、アルコール依存症になっていた。それを認められず、結果として妻子と別れる事になった。そんな時、一人暮らしが始まった王子のアパート近くの空き地でその事件が起こってしまった。貴夫が起こしてしまった罪名は傷害罪であった。その為、時効を迎える十年間、雲隠れすることにした。しかし、あの事件から二年が過ぎた頃、警察の者が尋ねてきた。貴夫は、幼い頃より格闘技をしており、その知名度もこの王子にはあった。それ故、貴夫のことを崇拝している者までいており、この貴夫には敵はいなかったのだ。けれども、二年前に傷害事件を起こしてしまったのだった。そのことでは、なかったが、貴夫を崇拝している原田という者が、二年前から行方不明になっていることを知らされた。写真を見せられたが、あの時の記憶もなく「知らない」とただ言っていた。
それから、音沙汰なく更に八年が過ぎようとした頃に、あの時の空き地で会った者たちが動き出したのだ。あの時の被害者となる奴には、他四人の仲間がいたのだ。この仲間に動きがあった。その四人の内の一人は、政治家の息子である友晴がいたのだ。急に選挙区を父親から継ぐ事になり、出馬する事になった。その為、余計な事に巻き込まれないようにする必要があった友晴は、幼馴染の佐々木と中原に会っていた。そんな中で、あの日の事を知っている慶介の情報を聞いた友晴は、避けて通りたい奴であり、知らぬ存ぜぬを貫きたかった友晴であったが、あの日の事を慶介に脅されることになり、この先のことを考えた友晴は、慶介の話を聞くことにした。慶介は、行方不明の原田のことを聞いてきた。どうしたのかも気付いた慶介は、お金を要求してきた。
そんな時、慶介が殺害され、一番疑わしい友晴が参考人として取り調べを受ける事になった。あの時から十年が経っていたが、原田は行方不明のままであった。この件についても、友晴は疑われる事に・・・・・・。
文字数 16,792
最終更新日 2025.01.22
登録日 2025.01.22
あらすじ
中村中也は大学進学で福井市に移り住んできたが斜に構えまわりとうまくなじめなかった。そんなとき学科のオリエンテーションで人気者の皇太に誘われホテルを抜け出して東尋坊へ向かう。そこで先に待っていた皇太の幼馴染の優香に中也はひとめぼれする。内気な中也は友達としては仲良くなっていくが異性として意識する事が恥ずかしい。中也と皇太はいつの間にか親友となり、夏休みには二人でママチャリをこいで中也の実家がある三重県まで向かう。しかし山越えで疲れ果てた二人は皇太の会社の人間に迎えに来てもらうていたらく。そんな日常。
文字数 37,031
最終更新日 2020.04.06
登録日 2020.04.06
万年Aランクの冒険者だったシモンは、三十歳を過ぎてから念願のSランクへと昇格を果たした。そこに現れたのは、シモンがライバル視するSランク冒険者のハインツが現れる。シモンの一つ下でありながら十年前にSランクに到達していたハインツは、シモンと顔を合わせるたびに「まだ冒険者を続けているのか?」と尋ねてくるので嫌味な奴だと思っていたのだが……?ライバル視していた冒険者に触手から助けられてなんだかんだするシモンとハインツの話です。[※ムーンライトノベルズにも投稿中]
文字数 20,289
最終更新日 2023.10.30
登録日 2023.10.28