忍びしのぶれど

 徳川時代、使い捨てにされる自分達の境遇に絶望し、幕府を転覆させることに暗躍した忍者留崎跳。明治の世では、郵便配達夫の職に就きつつも、駅逓頭前島密の下、裏の仕事にも携わっている。
 旧時代を破壊して、新時代にたどり着いたものの、そこに華やかな人生は待っていなかった。政治の中枢に入ることなど出来ず、富を得ることも出来ず、徳川時代とさほど変わらない毎日を送っていた。
 そんな中、昔思いを寄せた女性に瓜二つの「るま」と出会い、跳の内面は少しずつ変わっていく。
 勝ち馬に乗りながらも、良い立ち位置にはつけなかった薩摩藩士石走厳兵衛。
 元新選組で、現在はかつての敵の下で働く藤田五郎。
 新時代の波に乗り損ねた者達と、共に戦い、時には敵対しながら、跳は苦難に立ち向かっていく。
 隠れキリシタンの呪い、赤報隊の勅書、西洋の龍と東洋の龍の戦い、西南戦争、
様々な事件の先に、跳が見るものとは…。



 中枢から時代を動かす者ではなく、末端で全体像が見えぬままに翻弄される者達の戦いを描いた小説です。
 活劇も謎解きも恋もありますので、是非読んで下さい。
24h.ポイント 0pt
0
小説 190,606 位 / 190,606件 歴史・時代 2,387 位 / 2,387件

あなたにおすすめの小説

【完結】巻き戻りましたので、もれなく復讐致します!

白雨 音
恋愛
学院パーティの最中、一人の女子生徒が毒殺された。 「ルーシーが毒を持っていたのを見たわ!」証言により、ルーシー・ウエストン伯爵令嬢は捕らえられた。 事実、ルーシーは小瓶を隠し持っていた。だが、使ってはいない。 飲み物に入れるよう、公爵令嬢オリヴィアから指示されていたが、恐ろしくて出来なかったのだ。 公爵家からの脅しで、家族を守る為に濡れ衣を着る事を承諾したが、 愛する母の自害を知り、「呪い殺してやる!」と自害を果たした___ だが、目を覚ますと、亡霊にはなっておらず、それ処か時が半年前に戻っていた。 何も無かった事に…なんて、出来ない! 自分を陥れた者たちを、痛い目に遭わせなければ腹の虫が収まらない! 密かに復讐を決めたルーシーだったが、思いの他、復讐は進まない。 標的の一人である第三王子ウイリアムは、何かと近付いて来るし…??  異世界恋愛:長めの短編 (序章2話、本章18話)  《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆ 

婚約解消の理由はあなた

彩柚月
恋愛
王女のレセプタントのオリヴィア。結婚の約束をしていた相手から解消の申し出を受けた理由は、王弟の息子に気に入られているから。 私の人生を壊したのはあなた。 許されると思わないでください。 全18話です。 最後まで書き終わって投稿予約済みです。

守銭奴令嬢は、婚約破棄を請け負いました。

三歩ミチ
恋愛
 特待生として貴族学院に在籍するメイディ・ジュラハールは、魔導具を完成させるため、お金が欲しかった。  ある日、アレクという高位貴族に、「婚約破棄」への協力を依頼される。報酬は大金貨十枚。破格の報酬に目がくらんだメイディは、彼が卒業パーティで婚約破棄をするまで、「恋人のふり」をすることとなった。  恋を知らないメイディは、恋とは何かを知るところから、アレクと二人三脚で演じ始める。  打算で始まったはずの関係は、やがて、互いに本当の恋になる。 ※「小説家になろう」様にも掲載しています。

死のうと思っていたら悪役令嬢になったのでバッドエンドを目指します

やなぎ納屋
恋愛
ゲームの悪役令嬢に転生してしまった前田喜美子はバッドエンドを目指す決意をする。なにせ彼女は身投げをする寸前だったのだ。せっかく悪役令嬢に転生したのなら、いっそ華々しく散ろう。バッドエンドを目指して奮闘し続けるも、物語はシナリオ通りに進まず思わぬ展開に。

小公女リゼットは、魔法の装丁と謎がお好き?

雨色銀水
ファンタジー
「ああっ、なんて麗しい装丁……す、スリスリしたい!」 交易都市ソレル大公の令嬢『小公女』リゼットは、『本の装丁好き変態公女』と呼ばれていた。 しかし――そんな不名誉な呼び名もなんのその! リゼットは本の装丁(表紙)に毎日スリスリと頬ずりをして、耽美な世界に浸っていた。 そんなリゼットが新たな装丁を求めて古書街に繰り出したある日、彼女に運命の出会いが訪れる。 大切な装丁本を盗まれたリゼットは、二足歩行の猫を追いかけるうちに不思議な場所へと迷い込む。 光が舞う道の先にある禍々しい黒の扉を開けば――そこはなんと麗しい装丁本が大量に飾られた図書館だった! 煌びやかな装丁本に心を奪われたリゼットは、いつものように頬ずりをしようとする。 「本から離れろ変態!」 剣呑な表情で現れたのは、装丁図書館の主にして『ルリユール』(装丁師)でもある青年クライドだった。 装丁師の名を耳にしたリゼットは脊髄反射で弟子入り志願したが、どうやらそれは簡単ではないようで――? 「何があっても、本だけは守ってみせます!」 リゼットとクライド。 水と油のような凸凹バディが『魔法装丁』によって引き起こされた事件に挑む。 これはいつか変態令嬢リゼットが、真実の愛にたどり着くための――少しだけ長い寄り道の話。 ※カクヨムにて先行公開中(https://kakuyomu.jp/works/16817330652097350929)

天気 色

サイトウ
ライト文芸
移り変わりゆく天気。 それと同じくらい移り変わりゆく気持ち。 そのどちらも全く同じものなんてないのかもしれないけど、 それは悪いことではないと思う。 100人いたら100通り。 100の空に100の天気。 僕は101通り目になりたい。

邪魔者王女はこの国の英雄と幸せになります

Karamimi
恋愛
第二王女のレアンヌは、母親が元男爵令嬢で国王の愛人だったことから、王妃や異母姉、さらには父親でもある国王からも冷遇されていた。 母を殺され、たった1人で生きてきたレアンヌだが、動物たちに支えられ、ひっそりと暮らしていた。そんな中、王族に珍しく呼び出された。 どうやら長きにわたり続いていた戦争に終止符を打った我が国の英雄、アントニオの元に嫁げという命令だった。 話を聞くと、この戦争を終わらせることが出来た人物には、公爵位と好きな領地、さらに娘でもある王女を嫁にやると陛下が公言していたそうだ。 ただアントニオは恐ろしいほど強い反面、平民出身なうえ、鉄の仮面を被った不愛想な男性との事。異母姉でもあるカトレナがそんな男に嫁ぐのは嫌だと言ったため、レアンヌに白羽の矢が立ったのだ。 もちろん、彼女には断る権限などない。有無も言わさず、彼の元に嫁ぐことになったレアンヌ。 そんな彼女を待ち受けていたのは… 動物たちに支えられ人間の温もりをほとんど知らないレアンヌと、悲しい過去を抱え、ただ平和だけを願って戦い続けて来た国の英雄アントニオが、本当の夫婦になり幸せを掴むまでのお話しです。 10万文字程度、ご都合主義強めのお話しです。 よろしくお願いしますm(__)m