モノクロに君が咲く
〝死ぬ前に、先輩の世界に触れてみたかった──〟
美術部唯一の活動部員〝小鳥遊鈴〟は、天才モノクロ画家〝春永結生〟に恋をしている。
一方、色のない世界を生きていた結生もまた、毎日のように「好きです」と伝えてくる鈴が気になっていた。
しかし、鈴は〝枯桜病〟という病を患っていて──?
残りわずかな命の時間。
ふたりは、いずれきたる〝別れ〟を見据えながらも心を通わせていく。
──その憧れは、生きる力になった。
──その恋は、生きたい理由になった。
──その想いは、生きた証になった。
「ねえ、先輩。贈り物、受け取ってくれました?」
1章「今日も今日とて、大好きです」
2章「わからなかったんだ」
3章「いいよ、言わなくて」
4章「臆病だね、君は」
5章「生きてくださいね」
6章「先輩は、私がいないと寂しいですか」
7章「描けるような気がした」
8章「答え合わせをしましょうか」
9章「贈り物、受け取ってくれました?」
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