「皮肉」の検索結果
全体で351件見つかりました。
ある貴族家の美しい姉妹。妹タンジーは、姉リリーから理不尽に虐げられてきた。リリーのせいで婚約が白紙になり、命まで落としたタンジー。過去の自分に生まれ変わった彼女だが……。
※皮肉オチの逆行転生もの。チャットノベル。前置き無しで、いきなり始まります。
【ご注意】
・地の文無し。読みやすくするため人物画像(シルエット)入り。画像の下はその人物の台詞・心情です。
・スマホ推奨、PC未確認。お使いの機器によっては読みにくい可能性あり。画像枚数の関係で前後編に分割。
・逆行転生のざ・ま・ぁ処理をしくじった世界が舞台の話。ざ・ま・ぁを楽しむ話ではありません。
・ガバ設定、テンプレ多用、コテコテなサクサク進行。
・2000文字制限で書いた作品です。
⬛️人物画像はシルエットデザイン様の素材をお借りしました。
⬛️別名で他サイトに掲載(NOVEL DAYS)
文字数 3,232
最終更新日 2020.11.30
登録日 2020.11.30
「ごめんなさい、どうしても生理的に無理なんです……」
魔王を倒して世界を救った転生勇者(陰キャ)の俺を、王国はまるで厄介者扱い。
しかも、処女を捧げると約束してくれた聖女からはそんな言葉を吐き捨てられる。
しかし俺には魔物と戦うための力しかない。
さらに追い打ちで襲った魔王の呪いによって、醜いオーガの姿になってしまう……。
だが! その呪いは皮肉にも俺に新たな力を与え、勇者としての呪縛から解き放つのだった!
こうなったらオーガのまま聖女との約束を果たす!
この三倍にも巨大化したブツで彼女を犯し、聖なる胎内にたっぷりオーガ汁を注ぎ込んでやろうじゃないか!
文字数 10,470
最終更新日 2023.02.23
登録日 2022.09.10
聖女リューリラ(19)は、ネイサン王太子(19)に婚約破棄を突き付けられた。
『慈悲の微笑の聖女様』と呼ばれるリューリラは、信者や患者にしか、微笑みを向けない。
婚約者の王太子には、スンとした無表情を見せるばかりか、嫌っているような態度まで見せる。
『慈悲の聖女』に嫌われていると、陰で笑われていると知った王太子は、我慢の限界だと婚約破棄を突き付けた。
(やったぁ!! 待ってました!!)
思惑通り、婚約破棄をしてもらえたことに、内心満面の笑みを浮かべていたリューリラだったのだが。
王太子は、聖女の座を奪った挙句、「オレが慈悲をくれてやる!!」と皮肉たっぷりに、次の縁談を突き付けたのだった。
(クソが!! また嫌われるために、画策しないといけないじゃないか!!)
内心で荒れ狂うリューリラの新しい婚約者は、王太子の従弟にして若くして公爵になったばかりのヘーヴァル(17)。
「爵位を受け継いだばかりで、私のような元聖女である元婚約者を押し付けらるなんて、よほど殿下に嫌われてしまっているのですか?」
「うわあ。治療するわけでもないのに、リューリラ様が、微笑んでくださった! 早速あなたの笑顔が見れて、嬉しいです!」
憐れんで微笑んだだけなのに、無邪気に大喜びされて、これは嫌われることが難しいな、と悟ったリューリラ。
年下ワンコのような公爵の溺愛を受けても、リューリラには婚約破棄をしてもらいたい秘密を抱えていた。
(『小説家になろう』サイトにも掲載)
文字数 24,216
最終更新日 2023.10.13
登録日 2023.10.13
公爵令嬢レイナは、王太子アレクシスと政略婚約を結び、彼を心から支えてきた。
けれどもある日、彼は彼女を冷たく切り捨て、別の女性を選ぶ。
すべてを失ったレイナは、国外追放の果てで自らの力を知り、新たな人生を歩み始めた。
だが、皮肉にもその輝きが王国を揺るがすほどの存在となった時——、
「やり直したい」と跪くのは、かつて彼女を捨てた王太子だった。
愛も誇りも奪われた令嬢が目覚める“ざまぁ”と“溺愛”の物語。
文字数 71,512
最終更新日 2026.04.15
登録日 2026.03.17
高貴な家柄に生まれながら、幼くして両親を亡くしたエリーナは、叔父夫婦に引き取られるが、家政婦同然に扱われ辛い日々を送っていた。ある日、彼女は冷酷で恐れられる大貴族アルフォンスに金で買われるように結婚させられる。初めは彼の厳しい態度に怯えていたエリーナだったが、彼の皮肉めいた言葉の裏に隠された優しさや甘い行動に気づき、次第に心を開いていく。冷徹に見えるアルフォンスが、彼女にだけ見せる特別な愛情と温かさが、エリーナの人生を少しずつ変えていく――
文字数 53,958
最終更新日 2025.02.21
登録日 2025.01.16
天に召された人間は、必ずしも幸せになれるとは限らない。大半の元人間は、自らの性質と適性に合った場所へ送られて、これ以上ない幸せと充足感のある生活が約束された。
しかし貴族の宿命の伴侶の刻印を持つ元人間は、未来の輝かしい栄光と引き換えに、人間だった頃の記憶を抹消され、伴侶となるべき貴族が現れるまで選定神殿に閉じ込められ、娼婦や娼夫のような行為を強要された。
名前のない黒髪の娘がいた。人形のように可憐で感情のない彼女は軍人候爵に見出され、本物の伴侶が現れるまでの誓約書付きだが、金で買われて神殿から出された。
しかし場所が選定神殿から軍人侯爵邸へ変わったこと、伴侶を探す不特定多数の相手をする代わりに、軍人候爵の愛妾に変わっただけで、黒髪の娘の生活に変化はなかった。記憶を消された娘の自我は少しずつ育っていたが、それは軍人候爵への愛と、彼が数多の女性のもとへ赴く悲しさから生じたものだった。
そんな日々のなか、黒髪の娘は妊娠した。天上界では互いに子供を望まないと妊娠しないため、この予想外の妊娠は、天上界でもごく稀な現象だった。軍人候爵はますます黒髪の娘を遠ざけるようになり、彼女は1人で子供を生んだ。
父親似の子供を、黒髪の娘は溺愛した。彼女は子供が成長したら、この屋敷から出て2人で暮らそうと夢想していた。だが赤子に愛情を一身に注ぐ黒髪の娘に嫉妬した軍人候爵は、再び彼女に執着した。
身勝手に子供から引き離された黒髪の娘は、心を爆発させた。魔力はゼロだったが、候爵の子供を産んだことで魔力をいつの間にか得ていた娘は、エリート魔術師が住む塔へ赤子と共に転移した。
塔の主は黒髪の娘と赤子を迎え入れ、迎えに来た軍人候爵を撃退した。この場所でようやく幸せを得た黒髪の娘は、自らをアカシアと名乗って魔術師たちの手伝いをする。その間に相思相愛の相手とも出会ったが、皮肉にもアカシアは魔力を爆発させた感情の発現により、潜在化の軍人候爵との宿命が目覚めてしまった。
宿命の相手が見つかった者は、宿命相手の特別な子供を生まない限り、地獄のような発情が続く。抑制剤で抑えつけながらも耐えたが、頼りの薬さえ効力がなくなった彼女は、相思相愛の相手と一夜を共にしたあと、必ず戻ると宣言して軍人候爵のもとへ戻ったのだった。
宿命が勝つか、真実の愛が勝つか。待ち受ける未来に悲劇が降りかかるのは誰なのか?
文字数 46,256
最終更新日 2024.12.10
登録日 2024.12.10
炎がすべてを飲み込んだあの日――祖国が、一族が、一夜で滅ぼされたあの日。
私はこの男に出会った――
それは血と炎と、人々の悲鳴が上がる戦場の中、敗戦国の皇太子として逃げ延びる最中の出会いだった。
彼と目が合った瞬間に、理解した。彼こそが己の運命の半身だと。
けれど、それは何とも皮肉な出会いだった。彼は祖国を滅ぼした炎龍族の皇太子だったのだから――
これは宿命の番という神が定めた運命に翻弄される二人の恋物語。
以前、他サイトで企画に参加した時の短編を長編に練り直したものです。
主人公が両性具有のため若干のBL要素があり。苦手な人はバック推奨。
文字数 37,324
最終更新日 2021.07.25
登録日 2021.06.04
ある日、数人の令嬢が城へ集められた。妃教育を受けてもらい、最後までやり遂げた者を妃にすると。
一人ずつに指南役が付き、妃教育に励めと言われた。
主人公であるロズは、しがない伯爵令嬢。格別容姿が良い訳でも何かが優れているとかでもない。何故この場にいるのか自分でも困惑するほど。
だが、良く考えてみ?上手くいけば玉の輿だぞ?こんなチャンス逃す手はないと考えた。
──が、ロズの指南役は悪魔の化身だと噂される宰相のグィード・ヘルウィグ。
この時点で自分には無理だと考え、早々に辞退を申し出るが、グィードに皮肉を口にされ「貴女は妃の器じゃない」とはっきり言われる。
「万が一にもその様な事があれば、城下を裸で闊歩しながら歌まで歌ってあげますよ」
唇が弧を描き、下卑た笑みを浮かべるグィードを見た瞬間、妃を諦めて両親の待つ伯爵邸へ戻るよりも今、目の前にいる男をギャフンと言わせてやりたい!という感情が勝った。
妃教育のはずなのに、充てがわられた指南役は未婚の男性……何やら意図的なものを感じるが、ロズは相手が相手なだけに、死んでも間違いは起きないと高を括っているが、グィードは違うようで……
「手のかかる子ほど可愛いとは良く言ったものですね」
意地悪で独占欲の強い宰相様との関係は?ロゼは妃になれるのか?
文字数 35,478
最終更新日 2025.11.05
登録日 2025.10.13
龍の魂 ドラゴンソウル
人々はそれとうまく付き合い、生活していた。
龍魂は便利だが、扱いを誤れば、とんでもない惨事となる。
そのため、資格(能力)として扱われ、国が定めた厳しい試験を乗り越えた者にしか龍魂が与えられない。国は、そうして龍魂を管理していた。
世間では彼らのことを、龍の力を扱う者「龍力者」と呼んでいる。
しかし、あることがきっかけで、龍魂は無秩序に大きく広がってしまう。
世界の混乱、国の信用の失墜。
膨大に増えた龍力者たち。
主人公レイズは、龍魂を持つことなく暮らしていたが、その混乱に巻き込まれてしまう。
意図しない龍の発現は、力の暴走を招く。
そのきっかけ以降に龍力者となった者を、『エラー龍力者』と皮肉る人間もいる。
エラー龍力者として、その力を使いこなすか、のまれるか。
レイズはどう龍魂と向き合うのか。
彼は、以前の生活を取り戻すことができるのか。
文字数 998,786
最終更新日 2024.05.19
登録日 2021.07.17
平凡な高校生・天城ユウトは、どこにでもいる普通の男子……のはずだった。
ある日、謎めいた美少女・夜月ルナが転校してきて、彼にこう告げる。
「あなたに彼女ができた瞬間、世界は滅びるわ」
その日から、ユウトの生活は一変する。
恋をすれば、世界が終わる。
モテればモテるほど、世界は崩壊に近づく。
だが、運命を皮肉るかのように、ユウトの周囲には次々と惹かれてくる女の子たち。幼なじみ、転校生、生徒会長――なぜか彼にだけ好意を向けてくる。
モテないように努力しているのに、努力するほどモテてしまう。
恋愛を避けて、日常を守りたいだけなのに――
それでも「恋」は、止められない。
世界の終わりと引き換えに紡がれる、青春ラブコメディ。
恋することすら許されない少年の、切なくてちょっとおバカな戦いが、今始まる。
文字数 12,960
最終更新日 2025.05.25
登録日 2025.05.25
前世で「重すぎる愛」によって命を落とした少女は、
次に目を覚ますと――
冷酷無比な騎士団長を父に持つ、
処刑予定の悪役令嬢になっていた。
数年後、自分は父の手で断罪される。
それを思い出したエルゼが選んだ生存戦略は、たったひとつ。
「殺されないように、愛嬌を振りまくこと!」
必死な笑顔、計算された媚び、命がけのご機嫌取り。
ところがそれは周囲から
「健気で家族想いな高潔令嬢」と盛大に誤解されていき――
・無言で威圧する最強騎士団長(お父様)は重度の親バカに
・次期聖女の従姉妹は「お姉様教」の狂信者に
・王子たち、幼なじみ、メイドまで執着開始
けれどその愛は、優しさだけでは終わらない。
聖女の力を狙う帝国の陰謀。
奪われる記憶。
反転する「愛」。
「私は、本当の愛を知らないのかもしれない」
これは、愛が呪いになる世界で愛嬌を武器に生き延びようとした悪役令嬢が、皮肉にも“重すぎる愛の包囲網”を完成させてしまう物語。
重い愛×家族愛×狂信×執着
シリアスとコメディが交錯する
異世界転生・悪役令嬢サバイバルファンタジー
文字数 2,932
最終更新日 2026.01.19
登録日 2026.01.19
忘れられて死んだ神様の遺品、片づけます。
京都の路地裏には、地図に載らない「終わり」がある。参拝されなくなり、名前を呼ばれなくなり、静かに薄れて死んでいく神様たち。残るのは祠でも奇跡でもなく、鈴、札、帳簿、絵馬――“遺品”だけ。
遺品整理屋・三条朔は、触れた物に残る「最後の記憶」だけを視る。幸せな頃は見えない。見えるのはいつも、終わる直前。誰にも選ばれなかった瞬間。
朔は優しい言葉が言えない。生きている人間の感情が、どうしても分からない。その代わり、終わりだけは歪ませない。供養ではなく、記録として残し、危険な遺品は封じる。救済ではなく後始末――だからこそ、神様は最後にだけ正直になる。
相棒は名を持たない古い神・一条。皮肉屋で口が悪いのに、朔の仕事だけは止めない。けれど最近、神様の「死に方」が汚い。誰かが終わりを掘り返し、歪ませ、利用し始めている。
これは、京都で消えた神様の遺品を片づけながら、“生きている人の終わり”にまで手を伸ばしてしまう物語。静かな怪異と、欠落の余韻で読ませる連作短編。
登録日 2025.12.26
2064年 9月 3日、第4次世界大戦勃発。遂に核兵器が使用され、地球は核の洗礼を受けた。戦争というのは皮肉なもので、科学は進歩する。そう、この世界大戦で新たな技術が発明されたのだ。その技術とは―『魔法』である。
それまでは『魔法』や『超能力』といった類は眉唾ものだと否定され続け、空想の世界にしか存在しないものだと考えられてきていた。しかし、「Ⅹ粒子と魔法」という論文が発表されたことにより、魔法や超能力が突如科学的に証明されたのだ。
まあ、その後なんやかんやあり、魔獣が闊歩する世界になってしまった。なので終戦して、国ごとで魔獣対策と魔法師育成に力を注いでます。
擬似魔法発生装置が開発された後、魔法師で名家の生まれの少年が魔法師育成学園に入ることに。その、魔力0の少年の物語。
文字数 4,465
最終更新日 2018.04.09
登録日 2018.04.02
連合艦隊司令長官・山本五十六は大東亜戦争の開戦には大反対でした。しかし、役職上戦わざるを得ないという皮肉に翻弄されて命を落としました。
そんな山本五十六に最適な開戦環境を与えた話が合っても良いのでは・・・と思いました。
思いっ切りご都合主義のお話ですが、お付き合いいただけましたら幸いです。
文字数 4,998
最終更新日 2025.06.01
登録日 2022.11.13
思い付いて消化しきれなかった妄想を放り込みます。
基本BL。
別名「性癖さらけ出す場所」です。
・主人公を可哀想にしがち
・愛されにしがち
・でも総受けにはしない
・主人公は大抵秀才
・主人公は大抵プライド高くて皮肉っぽい
・主人公は右
性癖同じ!という方以外はバックでお願いします。
文字数 2,980
最終更新日 2021.06.08
登録日 2021.05.04
宮廷魔術師の私には、密かに想いを寄せる騎士団長がいる。彼のために自作した惚れ薬を夜会の酒杯に忍ばせる…までは完璧な計画だったのに、その酒杯をぐいっと飲み干したのは、よりにもよって私の天敵である副団長のザカリー様だった! 普段は皮肉屋で私に意地悪ばかりしてくる彼が、「ずっと君だけを見ていた」なんて熱っぽい瞳で囁いてくる。薬の効果は明日の朝日が昇るまで。一晩だけの甘い悪夢だとわかっているのに、普段の彼からは想像もできない優しいキスに、私の心臓はうるさくて…。薬のせいだと割り切りたい一夜のドタバタラブコメディ。
文字数 3,945
最終更新日 2026.03.06
登録日 2026.03.04
「俺、今の絶対目立ってたよな!? なあ、誰か見てたろ!?」
強い承認欲求を抱え、今世こそは「歴史に名を刻む英雄」になることを夢見て異世界へ転生した青年、レイン・アーク。しかし、女神ルミナの悪戯かシステムの欠陥か、彼の身には最悪のバグ『存在感消失(認識阻害)』が宿っていました。
レインがどれほど圧倒的なフィジカルで巨大な魔物を粉砕しても、その姿は誰の記憶にも残らず、会話した端から忘れられてしまいます。それどころか、彼の挙げた手柄はすべて、その場に居合わせただけの「偽りの英雄」アルトへと自動的に書き換えられてしまうのです。
騎士学校の試験で満点を取っても教官に存在を忘れられ、戸籍にすら登録されないレインは、生きるためにギルドの『掃除屋(雑用係)』という、誰の目にも留まらない地味な役職に就くことになります。これは昨今のトレンドである「清掃員」や「公務員」といった裏方職業が実は重要だった、という展開を彷彿とさせます。
しかし、この世界には恐るべき裏の顔がありました。世界の均衡を保つために「突出した存在」や「英雄」を不要として管理・排除する秘密組織、《調律機関(レギュレーター)》です。彼らにとって、認識も制御もできない最強の物理力を持つレインは、平和なシステムを壊しかねない『排除すべきバグ』でしかありません。
レインが「認められたい!」と奮闘しては、周囲の「勘違い」によって評価を奪われ、皮肉にもその「間の悪さ」にダメージを受けるコメディチックな日々。そんな中、調律機関の観測官であるミリアだけは、計算の合わない救済の違和感から、唯一彼を「観測」し始めます。
管理された偽りの平和の裏で、システムすら対処不能な『真の災厄』が動き出すとき、名前も実績も奪われた「存在しない一般人」による、孤独な世界救済劇が幕を開けます。
「英雄が定義されない世界で、俺だけが、俺の物語を完結させる」
承認欲求の塊である最強のバグが、たった一人の理解者のために、認識されないまま世界を掃除し続ける――裏方無双ファンタジー、ここに開幕!
文字数 4,689
最終更新日 2026.03.22
登録日 2026.03.22
1992年3月、二十三歳の向井健司は、大手商社の若手エリートとしてタイ・バンコクの土を踏んだ。日本企業が「アジアの勝者」として君臨し、バンコクの夜空を日系メーカーの巨大ネオンが独占していた時代。
イギリス留学も経験し、有名企業に就職し、この若さで運転手付きの社用車で会社へ通う生活に、小堀は自分が「選ばれた側の人間」であると疑わなかった。
しかし、赴任初日の夜、スクムヴィット・ソイ39の一軒の屋台で突きつけられた一皿のソムタムが、その傲慢な価値観を粉砕する。激痛のような辛さと、喉を焼く熱気、そして出所不明の水と氷。
それは、日本の常識もエリートの教養も通用しない、剥き出しの異国の洗礼だった。
物語は、三十余年に及ぶ英一のタイ生活を、その時々に胃袋へ流し込んだ料理の記憶と共に辿る。
水上タクシーの排ガスにまみれた橋の下で啜るクィッティオ、ディスコ帰りに胃を休めた深夜のカオトム、ジャングルの果ての食堂で店主から突きつけられた「経済戦争」の皮肉な総括。
そこには、笑顔の裏にしたたかな本音を隠すタイ人や、一攫千金を夢見て消えていった日本人、そして国力の陰りと共にかつての勢いを失っていく母国・日本の姿があった。
これは単なるグルメ小説ではない。
タイ人のいい加減さに憤り、時にその規格外の優しさに救われる。そんな日々を積み重ねながら、人生の「酸いも甘いも」をタイ料理の「辛さ」へと置き換えて生きてきた、一人の男の泥臭い生活記録である。
三十余年の歳月は、健司から若さゆえの根拠のない自信を奪った。その代わりに彼が手に入れたのは、正解のない異国での暮らしを、そのまま笑って受け入れる「心の余裕」だった。
定年を目前にした夜、健司は独り、自宅の台所で青パパイヤを刻む。不器用な手元でささくれ立つパパイヤは、今になっても完全には理解し合えないこの国との距離そのものだ。
それでも彼は、あの、のたうち回るような辛さを、もう一度味わいたくなっていた。
胃袋に刻まれた記憶は、言葉よりも雄弁に、一人の男が微笑の国で生きた証として語り始める。
文字数 58,215
最終更新日 2026.05.28
登録日 2026.05.12