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十三歳の朱亞(シュア)は、自分を育ててくれた祖父が亡くなったことをきっかけに住んでいた村から旅に出た。
旅の道中、皇帝陛下が美女を後宮に招くために港町に向かっていることを知った朱亞は、好奇心を抑えられず一目見てみたいと港町へ目的地を決めた。
山の中を歩いていると、雨の匂いを感じ取り近くにあった山小屋で雨宿りをすることにした。山小屋で雨が止むのを待っていると、ふと人の声が聞こえてびしょ濡れになってしまった女性を招き入れる。
女性の名は桜綾(ヨウリン)。彼女こそが、皇帝陛下が自ら迎えに行った絶世の美女であった。
しかし、彼女は後宮に行きたくない様子。
ところが皇帝陛下が山小屋で彼女を見つけてしまい、一緒にいた朱亞まで巻き込まれる形で後宮に向かうことになった。
後宮で知っている人がいないから、朱亞を侍女にしたいという願いを皇帝陛下は承諾してしまい、朱亞も桜綾の侍女として後宮で暮らすことになってしまった。
祖父からの教えをきっちりと受け継いでいる朱亞と、絶世の美女である桜綾が後宮でいろいろなことを解決したりする物語。
文字数 107,908
最終更新日 2024.02.29
登録日 2023.12.28
【本編完結】そんなに嫌いなら、私は消えることを選びます。
レンタル有り「お前はいつものろまで、クズで、私の引き立て役なのよ、お姉様」
私を蔑む視線を向けて、双子の妹がそう言った。
「本当、お前と違ってジュリーは賢くて、裁縫も刺繍も天才的だよ」
愛しそうな表情を浮かべて、妹を抱きしめるお父様。
「――あなたは、この家に要らないのよ」
扇子で私の頬を叩くお母様。
……そんなに私のことが嫌いなら、消えることを選びます。
消えた先で、私は『愛』を知ることが出来た。
文字数 574,819
最終更新日 2023.12.28
登録日 2021.05.07
とある学園の卒業パーティーで、私――エリカ・レームクールは、婚約者である第一王子ダニエル殿下に
「エリカ、きみとの婚約破棄を宣言する!」
と、言われた。彼の隣にはアデーレ・ボルク男爵令嬢がいて、勝ち誇ったような表情を浮かべていた。
「かしこまりました、お幸せに!」
私の祝福の言葉は、彼らにとってとても意外なものだったらしい。
ありがとう、アデーレ・ボルク男爵令嬢。この人の心を奪ってくれて!
毎年一回は浮気相手といちゃいちゃしているところを見せつける男性なんて、私は必要としていませんので!
笑顔でそう言うと、アデーレがわなわなと震えていたのが見えた。
とりあえず、婚約破棄イベントは終わったのだから、次の婚約者を探さないとね。今度は浮気をしない、一途な人が良いわ。
――そう考えていたら、お父さまに紹介された男性がなんと私の好みにぴったり当てはまっていて、一目惚れをしてしまった。
さらには、彼も私のことを一目見て気になっていたようで……?
あれ? もしかして、私……幸せになれるんじゃないの?
※別名義で書いていた小説をリメイクしました。
※後日他サイトにも掲載します。
文字数 77,680
最終更新日 2023.04.09
登録日 2023.03.10
「アクア・ルックス! 貴様は聖女を騙った罰として、国外追放の刑に処す!」
「ちょ、今、儀式の途中……!」
「ええい、そんなものこちらにいらっしゃる本物の聖女が継いでくれるわ! さっさと俺の前から消えろ! 目障りなんだよ!」
……そんなに大声で、儀式中に乱入してくるなんて……この国、大丈夫?
まぁ、そんなに言うのなら国外追放受けて入れてやろうじゃないか。……と思ったら。
「ああ、その前にお前が使っていた道具すべて、王家に渡してもらうからな! アレだけ王家の金を使ったのだ、恩を返してもらわねば!」
「……勝手に持って来ただけじゃん……」
全く、恩を返して欲しいのはこっちのほうだ!
誰のおかげで魔物が入ってこなかったというのか……!
大義名分を手に入れたわたしは、意気揚々とこの国を去った。
※カクヨム様にも投稿しています。
文字数 328,347
最終更新日 2022.09.29
登録日 2021.05.09
旅芸人のひとりとして踊り子をしながら各地を巡っていたアナベルは、十五年前に一度だけ会ったことのあるレアルテキ王国の国王、エルヴィスに偶然出会う。
「君の力を借りたい」
あまりにも真剣なその表情に、アナベルは詳しい話を聞くことにした。
そして、その内容を聞いて彼女はエルヴィスに協力することを約束する。
こうして踊り子のアナベルは、エルヴィスの寵姫として王宮へ入ることになった。
目的はたったひとつ。
――王妃イレインから、すべてを奪うこと。
文字数 140,121
最終更新日 2022.07.16
登録日 2022.05.01
私には幼馴染が居る。小さな村で、子どもたちの数も少なく、幼馴染と私は毎日のように遊んだ。
そう、あれは五歳の頃。暑い日だったから川遊びをしていた私と幼馴染。幼馴染の服が濡れて乾かそうと脱いだ時に、肩にある痣に気付いてその痣に触れた。……すると、雷に打たれたような衝撃が走った。
その日、私は前世の記憶を取り戻した。
ここは愛読していた本の世界で、私は十六歳の誕生日に旅立つ勇者の幼馴染――一巻の終盤に無惨にも村が燃やされて生き残ったものの、勇者は最終巻で別の人と結婚して幕を閉じる――……そう、所謂『負けヒロイン』に生まれ変わってしまったのだ!
なんで!? どうして負けヒロイン!? そもそもここが本の世界なら、村が滅ぶのは確定事項!? 混乱する私に、とある精霊が『光の女神』様に会わせてくれた。
曰く――『本の内容と同じにしなくても良いよ』とのことなので、全力で村を救い、冒険者ライフを目指そうと思います!
頑張れ、私! 負けるな私!
ちゃっかり精霊使いのジョブも手に入れたし、村を一緒に救ってくれる人を探そう!
……うん、十四歳の誕生日には、私は王都へ旅立とうと思う。その間に、やれるだけのことをしておこう!
勇者が旅立つまでの間に、村を救えるだけの力を手に入れるぞ――!!
※カクヨム様にも投稿しています。
文字数 111,128
最終更新日 2022.02.05
登録日 2021.12.17
「すまないね、レディ。僕には愛しい婚約者がいるんだ。そんなに見つめられても、君とデートすることすら出来ないんだ」
「え? 私、あなたのことを見つめていませんけれど……?」
「なにを言っているんだい、さっきから熱い視線をむけていたじゃないかっ」
「あ、すみません。私が見ていたのはあなたではなく、別の方です」
あなたの護衛を見つめていました。だって好きなのだもの。見つめるくらいは許して欲しい。恋人になりたいなんて身分違いのことを考えないから、それだけはどうか。
「……やっぱり今日も格好いいわ、ライナルト様」
うっとりと呟く私に、ライナルト様はぎょっとしたような表情を浮かべて――それから、
「――俺のことが怖くないのか?」
と話し掛けられちゃった! これはライナルト様とお話しするチャンスなのでは?
よーし、せめてお友達になれるようにがんばろう!
文字数 17,246
最終更新日 2021.09.06
登録日 2021.08.28
「イザベラ。君との婚約破棄を、ここに宣言する!」
「かしこまりました。わたくしは神殿へ向かいます」
「……え?」
あっさりと婚約破棄を認めたわたくしに、ディラン殿下は目を瞬かせた。
「ほ、本当に良いのか? 王妃になりたくないのか?」
「……何か誤解なさっているようですが……。ディラン殿下が王太子なのは、わたくしがユニコーンの乙女だからですわ」
そう言い残して、その場から去った。呆然とした表情を浮かべていたディラン殿下を見て、本当に気付いてなかったのかと呆れたけれど――……。おめでとうございます、ディラン殿下。あなたは明日から王太子ではありません。
文字数 48,038
最終更新日 2021.08.16
登録日 2021.05.06
本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。
……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。
彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?
もう我慢の限界というものです。
「離婚してください」
「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」
白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?
あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。
※カクヨム様にも投稿しています。
文字数 14,556
最終更新日 2021.08.10
登録日 2021.07.31
とある城で行われた、とあるパーティー。
「――シャーロット、君との婚約破棄を宣言する!」
王太子であるリンジーは、自身の婚約者にそう宣言した。
シャーロットは大きく目を見開いて、「なぜですか、リンジー殿下!」と声を荒げた。リンジーは目を伏せて、隣に居る令嬢、ローズマリーの肩を抱いてさらに言葉を続けた。
「君は南の大陸へ行くことになった。今すぐに、この国から出て行きたまえ」
シャーロットは耐えきれないように肩を震わせて、パーティー会場から出て行った。その姿を、リンジーは目元を細めて彼女の背中を見つめていた。
「本当に宜しいのですか、殿下」
「ああ、……君も、すぐにこの国からすぐに逃げるべきだ」
パーティーが終わってから声を掛けてきたローズマリーに金貨の入った袋を渡し、そう言うリンジー。
――せめて、シャーロットが南の国につくまでは、何も起きませんように。
文字数 7,598
最終更新日 2021.06.19
登録日 2021.06.10
私の名はルシル。ヒロインだ。……いきなり何を言っているんだ、って思った人も居るだろうけど、ここは『ルシル~花の乙女~』と言う乙女ゲーム(ソシャゲ)の世界だ。
そう、あろうことか私はこの世界のヒロインとして転生してしまったのだ!
どのルートでも安全安心なヒロイン。生まれ変わるなら悪役令嬢じゃないのか……と前世を思い出した私は思わずそう考えてしまった。だって巷には悪役令嬢に生まれ変わって断罪イベントを回避するのがたくさんあるから。もちろん楽しく読ませてもらっていた。
……ああ、ちょっと悲しい。読んでいた小説を全部失ってしまったのだから。
……とは言え、私は前向きなのが取り柄!
この世界に生まれ変わったからには、世界を満喫しないと勿体ない!
悪役令嬢たちにも幸せになって欲しいから、攻略対象には近付ないでおこう!
目指せ、ノーマルエンドー!
……って、ここゲームの世界だけど……現実なのよね。ゲーム脳はほどほどに。萌えと燃えを楽しむわ!
文字数 3,245
最終更新日 2021.05.28
登録日 2021.05.26
学園の卒業パーティー。たった一人で姿を現した私、カリスタ。会場内はざわつき、私へと一斉に視線が集まる。
――卒業パーティーで、私は婚約破棄を宣言される。長かった。とっても長かった。ヒロイン、頑張って王子様と一緒に国を持ち上げてね!
……って思ったら、これ私の知っている婚約破棄イベントじゃない!
「カリスタ、どうして先に行ってしまったんだい?」
おかしい、おかしい。絶対におかしい!
国外追放されて平民として生きるつもりだったのに! このままだと私が王妃になってしまう! どうしてそうなった、ヒロイン王太子狙いだったじゃん!
2021/07/04 カクヨム様にも投稿しました。
文字数 11,526
最終更新日 2021.05.24
登録日 2021.05.18
「アイリーン、貴様との婚約を――」
「破棄するのですね、かしこまりました。喜んで同意致します」
私、アイリーンは転生者だ。愛読していた恋愛小説の悪役令嬢として転生した。とはいえ、悪役令嬢らしい活躍はしていない。していないけど、原作の強制力か、パーティー会場で婚約破棄を宣言されそうになった。
……正直こっちから願い下げだから、婚約破棄、喜んで同意致します!
文字数 5,228
最終更新日 2021.05.16
登録日 2021.05.14
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