真夏の笛に 新月の舞う

 左大臣・久我久秀の三の姫、朔は公家の姫らしく、しとやかにするのが苦手だった。父の勧めで都から二日ほどの距離にある別荘に、遊びに来ていた。
 朔の「変わり者」というウワサを聞き、好奇心から従者に紛れ込んでいた、家柄は良いが無位無官の大伴真夏は、里の者にも分け隔てなく接する朔に惹かれる。
 真夏の涼やかな様子に朔も惹かれるが、彼女は姉の悲恋のため、恋に臆病になっていた。
 そんな時に、右大臣の娘が帝の子を出産し、朔の父が失脚に追い込まれたと、知らせが入り――。
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