犬猿の仲小説一覧
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黒桐祐美(28)は週一の休日を外にも出ずに溜め込んでいたドラマの消費をして過ごしていた。
そこに舞い込む一つの小包。
中身を確認するまでもない。
どうせ両親からのお見合いの催促が来たのだろう。
この歳までまともにお付き合いもしたことのない祐美は窮地に追い込まれていた。
そんな過度のストレス下の中、取れる手段がドラマの消化なのは色々と寂しいものがある事は誰に言われなくてもわかっている。
思い起こすのは10年前。
まだ学生時代のあの頃、祐美にもハマっていたゲームがあった。
『イマジネーションブレイブ』
世間的にはクソゲー扱いされていたが、祐美にとってそのゲームはひとりぼっちだった自分に友達を作るきっかけになった思い出の詰まったゲームだった。
流石に社会に出る時は引退したけど、いまだに思い出すのだ。
楽しかった当時の思い出を。
丁度いいタイミングで当時のゲームフレンドから連絡が入る。
それが楽しい思い出の延長を知らせるものだとはこの頃の祐美には思いもよらぬものだった。
「たまにはゲームに顔出しなさいよ」
「でも……」
フレンドからの申請に、しかし祐美は己の立場を主張する。
父の経営する会社の下請けとはいえ、社長の椅子に座ってる祐美はゲームに現を抜かす余裕はなかったのだ。
「だからこそのお誘いよ。今じゃゲーム内時間は現実の6倍で進んでいるのよ?」
「そうなの?」
「そうよ。あんたのことだからきっと心の奥に溜め込みすぎてるんでしょう? 息抜きにどう? 付き合うわよ」
「じゃあ、やってみようかな」
祐美はその日、当時の思い出の正式ナンバリングタイトルである『イマジネーションブレイブバースト』に参加する決意をした。
それがのちに一波乱起こすとは当時の祐美には思ってもいないことだった。
何せ彼女は当時、多くのプレイヤーから『魔王』『這い寄る混沌』『精霊のやべーやつ』『天災』『絶対に怒らせてはいけない人』などと呼ばれていたのだ。
そんな彼女の送るスローライフは前途多難だった。
文字数 516,072
最終更新日 2020.07.19
登録日 2019.09.08
異動してきたのは沙友里の秘密を知っている男。
以前掲載していた「ネガティブ女と高スペック男」のスピンオフ。
本編読んでなくても問題ないです
文字数 14,219
最終更新日 2019.11.25
登録日 2019.11.25
大陸で戦禍の火種が燻る昭和六年八月、広島県呉港の近くにて。今宵も将来を約束されたエリート海軍大尉・瀧本零士と素行不良が原因で出世コースを外された陸軍大尉・尾坂仙が大喧嘩を繰り広げていた。周囲を呆れさせるほどの罵倒と殴り合いを続ける瀧本と尾坂だったが、しかしどういうわけか二人は喧嘩の最中に忽然と姿を消してしまうことでも有名だった。そんな彼らが乱闘現場から抜け出して向かう先は尾坂の下宿先。
実は喧嘩をしているその裏で、二人は密かに逢い引きを行っていたのだ。
瀧本が上陸するその日は、二人は尾坂の下宿先で激しい交接を行い夜を明かしていた。無論、これは誰にもバレてはいけない秘密である。
犬猿の仲で有名な二人が、態々危険を冒してまで逢い引きを繰り返す理由。それは名門華族の一族出身であり、恩賜組として輝かしい出世を約束されていたはずの尾坂が抱えた薄暗い過去に原因があり……
・殴る蹴る系の暴力描写があります。
・サブタイトルの後ろに「※」が付いているのがR18です。
・作中である登場人物が多数の人間から暴行を受けていたことを示唆する描写や自i傷i行為を行っていた描写がありますが、作者はそれらを称賛する意図はありません。
・また、舞台背景が1931年であるため、現代の価値観にそぐわない表現が散見されますが、作者にはそれらを肯定する意図もありません。
・受けが過去に多数の人間と関係を結んでいた描写や、攻めが女性と関係を持っていた事を匂わす描写があります。
・受けも攻めもどっちとも腹黒いです。ピュアな受けを求めている方はベッキ(後方)へお下がりください
・愛と憎しみだけはたっぷり込めました
※現在第二部を更新中
※2019年10月24日にタイトルを『鳳仙花』から今のに変えました。
※この話は2016年11月にpixivで公開した作品の加筆修正版になっております。
※ふじょっしーさんとムーンライトノベルズさんの所にも転載してあります。
文字数 437,113
最終更新日 2020.02.09
登録日 2019.10.21
妖護師とは、日本全土の妖を護る者達の
ことをいう。彼らは術を使い、外からの
妖怪(モンスター)を元の国へ送り戻して
いる…。大正…
和と洋が入り乱れる時代、二人の妖護師が
いた。鐵桜花と、エリス•ローランドだ。
この二人が出会う様々な妖達とそれに関わる
人間。彼らは無事に任務を果たすことが出来
るのか…
文字数 2,753
最終更新日 2020.05.07
登録日 2020.05.03
仲良し新人アイドル、Arcis──。
それは半年前にひょっこりと世間に降臨した二人組である。
顔、性格や態度、歌唱力。どれをとっても完璧なパフォーマー。眩い笑顔が輝く芦ヶ谷弓槻とあらゆる才能に恵まれた遠矢尊は、着々とアイドル界のトップへと登りつめいた……はずだった。
「俺、あなたのことすっごく嫌いなんですよね。それも反吐が出るほどに」
「はっ、それは奇遇だな。オレも大嫌いだよ」
仲睦まじきユニットの正体は、酷く冷戦状態が続く相性最悪の二人だった。
敏腕マネージャー、櫻木の意向で仲良しコンビを演じる二人に、ダブル主演やプライベート考察など次々と災難が襲い掛かる……!
文字数 6,975
最終更新日 2019.09.07
登録日 2019.09.01
そのドアを開けるとあの人の元へと繋がっていた──
トントントン……7回ノックをする時だけ嫌いなアイツの部屋へと繋がる。犬猿の仲である男女がドアを通じて心を通わせていく。
私は5年後のあなたへ会いに行く
俺は5年前のあなたへ会いに行く
ドアの向こうにいるあなたをもっと知りたい……
すみません、至らぬ点あるかもしれません……初めての執筆ですのでご容赦ください。温かい目で見て頂けると有り難いです(*´꒳`*)
完結しました!(2019/06/20)
※番外編完結しました!(2019/06/27)
文字数 58,702
最終更新日 2019.06.27
登録日 2019.06.08
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