「互」の検索結果
全体で5,312件見つかりました。
黒川透、二十三歳。
三年前の挫折を境に、彼の世界はワンルームの玄関で止まったままだ。
外に出るのが怖い。
見られるのが怖い。
けれど、スマホとゲームの画面だけは、彼を置いていかなかった。
ある日、宅配ボックスの誤配。
封筒の宛名は「春原いろは」。
隣室の住人で、看護師見習い。
共用アプリで言葉を交わし、同じ協力ゲームの“相棒”だと知れる。
いろははオフだと口下手で、時々噛む。
透は外が怖いが、観察眼は鋭い。
弱点が噛み合い、二人は「毎週、一歩だけ進む」互助条約を結ぶ。
玄関の敷居を越える。
廊下を五歩。
エレベーターに乗り、ポストを開け、深夜のコンビニで店員に頷く。
停電の夜には、壁一枚越しの声が不安を照らす。
ときにSNSの誤解に傷つき、ときに仕事の面接で固まる。
それでも、いろはの「無理しないで」が背中を押す。
そして透の「ありがとう」が、いろはの夜勤明けを支える。
少しずつ距離は縮まり、駅前で自販機のボタンを押し、水族館で青い光を見上げる日が来る。
手をつなぐまでの100歩。
交際、半同棲、家族への挨拶、新居、そしてプロポーズ。
“できた一歩”を二人で喜ぶことが、恋になる。
玄関から世界へ――一緒なら、行ける。
文字数 111,723
最終更新日 2025.09.19
登録日 2025.09.14
些細な刺激ですら敏感に感じ取り擽ったくなってしまう高校3年生の細谷咲。
彼女はその体質のせいで恋人である立花亜樹とのセックスが上手く出来ない悩みを抱えていた。
そんな咲の心の支えは職員玄関に飾ってある非常勤の美術教師、山崎真琴の絵を見る事だ。
一方、山崎真琴もとある出来事を切っ掛けに細谷咲には既に特別な感情を持っており…。
ある日、充実したセックスが出来ない苛立ちを持つ恋人から「オナニーして身体開発しといてよ。」と心無い言葉を吐かれた咲が、自分の身体を弄る為に放課後空き教室に忍び込むと、そこには既に山崎真琴が居て…。
その時、二人は初めてお互いの存在を認め合いながら会話をする事になるが━━━━━━━━━━━━━━━
女子高生と教師の恋愛。
誰よりも理解し合っているのに、一番肝心な気持ちは分からない。
誰にも明かせない秘密を共有しているのに、一番想っている事は言えない。
擽ったがりとロールキャベツ。
文字数 167,900
最終更新日 2023.09.17
登録日 2023.07.23
『盛岡、再び』は、佐藤幸子さんの故郷、盛岡への帰郷を描いた心温まる物語です。40年ぶりに訪れた盛岡は、幸子さんにとって懐かしさと新しさが交じり合う場所。新旧の建物が共存する街並みの中で、彼女はかつての記憶と現代の盛岡とを重ね合わせながら、自身の過去と向き合います。
この物語は、幸子さんが青春時代を過ごした場所で新しい出会いと再会を経験し、故郷の変化を受け入れるまでの内面の旅を描いています。彼女は地元の冷麺を味わい、古い友人や新たな仲間たちとの交流を深めながら、自分自身と故郷の新たな一面を発見していきます。
盛岡の歴史ある風景や、地元の料理教室での体験など、地域文化に触れることで、参加者たちは互いの絆を深め、多くの感動と発見を共有します。この物語は、読む人の心に故郷の大切さと、時を超えた人間関係の温もりを思い出させるでしょう。
『盛岡、再び』を通じて、私たち自身のルーツへの理解を深める旅に出ませんか?その旅が、あなたにとっても新たな発見と成長の機会となることでしょう。
文字数 6,573
最終更新日 2024.04.28
登録日 2024.04.28
ボウリング場には,匂いがある。
レーンオイルの無機質な香気と,冷房の循環する空気と,何百人もの人間が持ち込んだ生活の気配が混じり合った,あの独特の匂いだ。
その匂いの中で,今日も誰かがボールを手に取り,レーンに向かい,何かを手放す。
第一話「レーンの匂い」——貸靴係の桐島志穂は,指輪の日焼け跡だけを残した女性の手に気づく。
記録のない十二番レーン,戻らなかったシューズ,誰かの手のかたちに穿たれた指穴。
存在しないはずの人間の痕跡が,ボウリング場のあちこちに残されている。
生のにおいの中に,終わりの気配が漂っていた。
第二話「指のかたち」——週三回,同じレーンに通い続ける那須川澪は,左利きという孤独の中で,隣のレーンの男の音の変化を聞き取る。
崩れていく投球フォーム,財布の中に重なった神経内科の診察券,使い込まれた手袋の指先の擦り切れ方。
感覚が失われていくとき,人はそれでもボールを握り続けるのか。
澪は自分の手の甲に浮く血管を確認しながら,その問いの答えを探す。
第三話「ピンの立つ場所」——夫が死んで初めて,田中真依子はボウリング場の扉を開ける。
三年間,一度も語らなかった夫の秘密の時間が,ロッカーの中に残されていた。
スコアが下がり続けた手帳,擦り切れた手袋の指先,そして最後のページに残されたたった三文字。
真依子は,夫がなぜここへ通い続けたのかを,ボールを転がした瞬間に,静かに理解する。
三つの話は,独立している。
しかし同じ場所で,同じ匂いの中で起きた出来事として,互いに静かに呼応している。
指穴に肉が吸い付く感触,シューズの底が湿ったフロアを擦る音,重いボールを支える細い手首に浮かぶ青い血管——身体の質感に潜む謎を,透明な文体で描いた,静謐なオムニバスミステリー。
倒れても,また整然と立ち並ぶピンを,人はなぜ見に来るのか。
その問いだけが,三話を貫く一本の糸として,最後まで張り詰めている。
文字数 6,501
最終更新日 2026.03.31
登録日 2026.03.29
「月の陰で」という題名の恋愛小説。美月と蓮が過去の傷を抱えながら出会い、互いを支え合いながら成長し、夢を追い求める姿勢を持つ。美月は小説家として成功し、蓮も音楽家として成功を収める。彼らの絆は深まり、愛と勇気の物語が世界中で愛される。最終的に、彼らは幸せな未来を築く。
文字数 1,281
最終更新日 2023.05.18
登録日 2023.05.18
『夢』の中でだけ行くことのできる、魔法と魔物が存在する異世界『アナザー・スカイ』。
そこに行くには、神様に召喚されなくてもいいし、トラックに跳ねられて死んで転生しなくてもいい。だが、眠っている間の夢の中だけしか行くことができなかった。
しかも『夢』の中で異世界に行く事ができるのは、一人ではなく不特定多数の多くの若者たちだった。
そして夢を見ている間に異世界で丸1日を過ごすことができるが、夢から覚めれば日常が待っているので、異世界と日常の二重生活を毎日に送ることとなる。
このためヴァーチャル・ゲームのようだと言われる事もあった。
ある日、平凡な高校生の一人も、『夢』の向こうにある異世界『アナザー・スカイ』に行けるようになり、『夢」の向こうにある異世界で活動できる常人よりはるかに高い身体能力を持つ身体を与えられる。
そしてそこで知り合った美少女と旅をしつつ、昼間は退屈な現実世界の日常と交互に繰り返す毎日が始まる。
(最初に第一部の原型を書いたのが2012年の秋。その時は、一度書き上げた時点で満足して、発表する事無く長い間お蔵入りさせました。
それを大幅にリファインし、さらに第二部以降を追加で徐々に書き進めたものになります。
全体としての想定年代は、物語内でのカレンダーが2015年を想定。)
【小説家になろう、カクヨムでも掲載中。】
文字数 1,744,325
最終更新日 2024.01.23
登録日 2023.07.21
現実世界の終わらなかった大正時代、『まじない』と言う形で少しの超常現象(ちょっとだけ幸運にしたり)が信じられていた。日本はこれから発展を遂げる技術革新の時代を迎えるにあたり目指し暗部を解体しなかった事にしようと『闇狩り』を頻繁に行う。
そんな中、根が温厚だが日本刀一つで自動小銃を装備した一個師団の軍人を惨殺する技量を持つ。強すぎて『手出し厳禁』と政府認定された月夜連合の一人、水無月蓮夜。
半面、不器用の塊で勉強が苦手で組織が解体されて在野に降りたものの生活に困り金髪碧眼で巨乳低身長、目が悪く丸眼鏡。頭の回転は速く日常に必要な知識はあるが自主性に乏しい見習い暗殺者の望月灯子に拾われる。
お金はあれど生活できない蓮夜と無一文の灯子は互いの弱点を補い普通の生活を始めようとするが、国の威信をかけた闇狩りと言う……組織でありプロジェクトに狙われた灯子の元師匠を助けるべく動く。しかし、それはさらなる黒幕の逆鱗に触れ蓮夜と灯子もターゲットとなる。
しかし、あまりにも人外じみた蓮夜の強さに闇狩りの本気は町の人々への凶行へと駆り立てた。
武器も、親しくなった灯子も闇狩りの手に落ちた彼に町の人々は協力を申し出る。
そのおかげで闇狩りを撃破するも、黒幕は闇狩り結成に一役どころか私利私欲の為に動いたアメリカの大使。
蓮夜の逆鱗に触れ、町民と共に撃退。(一章ここまで!)
※小説家になろう・カクヨムでも公開中!
文字数 162,891
最終更新日 2025.07.22
登録日 2023.12.05
『あんたを旦那から、奪ってやるーーー』
三十二歳の兼業主婦、泉藍華(いずみらんか)は結婚六年目。
けれど、もう四年も夫とセックスレスだった。
仲が悪いわけではない。ただ身体を重ねないだけ。
レスや家事の負担など多少の不満はあれど、結婚はそういうものだと諦めていた。
自分より年下の後輩が妊娠により時短勤務となっても、子供だけが夫婦ではないとも考えた。
だが残業を早めに終えて帰宅した彼女は、玄関から聞こえてくる夫の声に立ち尽くす。
内側から聞こえてくる知らない女性の甘えた声と、続く激しいリップ音。
あんなキスを夫としたのはいつだろうか……。
夫に拒否され裏切られた藍華は女としてのプライドも、抱いていた愛情さえも傷つけられ泣いた。
そんな折、同僚に誘われた彼女は徳島県へと旅行することに。
同僚に案内された染工房で出会ったのは、顔に火傷の痕がある職人、蔵色蒅(くらしきすくも)。
藍染体験がきっかけで知り合った二人は、反発し合いながらも互いの傷に触れ、惹かれ合っていく。
薄い色ならまだ、引き返せた。
けれどもう、色は濃く深くなってしまって……
セックスレス、実家の問題、義母との関係、出産、仕事……現代女性を取り巻くさまざまな難題の中、誰にも心を癒してもらえなかった女性は、ただ一人の手に堕ちる。
藍がめに布が沈むように、深く濃く染まりながら、堕ちていく―――
人は誰しも、愛されたいのだ。
これを不倫と呼ぶか、純愛と呼ぶかはあなた次第。
※この作品には挿絵が入ります。
※要はサレ妻が心も身体もイケメンに奪われて幸せになるお話です。(身も蓋もない)
※作者は不倫を推奨しているわけではありません。お話のテーマに『略奪』があるため、こういった設定となっております。
(作者個人としては浮気・不倫した人は去勢されてしまえ、という考えです。ただ不遇な人は報われてほしいな、とも思います。一途な女性を裏切る奴ぁ地獄に落ちろってね!)
文字数 77,160
最終更新日 2025.05.11
登録日 2024.09.25
営業職の俊哉は7年の交際の末、静かに別れた。恋人京子とのことを忘れられずにいた。
お互い強く傷つけあったわけでもない。
すれ違いの果てに、選んだ大人の別れ。
彼の手元には、今も彼女がオーダーメイドで送ってくれたネクタイピンがある。
ギャラリー店で懐かしサインに目を留める。
急にネクタイピンに触れたくなった。
オーダーメイドでプレゼントされたネクタイピン"永遠"が続くと信じていた。
永遠は壊されてしまったけど、ちゃんと好きだったのは確かだ。
今度外出するときに、ネクタイピンを付けよう。
思い出をネクタイピンに乗せて飾るために・・・
文字数 1,015
最終更新日 2025.06.23
登録日 2025.06.23
小学生の時に出会ってから、常に隣で過ごしてきた小太郎と晴人。だが、シェアハウスの開始により、二人は喧嘩ばかりの日々を送ることとなる。大家がその騒ぎを見兼ね、小太郎達にした提案。それは、お互い銃を持って三日間戦い合い、負けた方はこの家を出て行くというものだった。身寄りのない二人はこの家を勝ち取る、つまり生き残るために、お互いに銃口を向け合うシェアハウス生活へ身を投じていく。
文字数 46,385
最終更新日 2025.08.05
登録日 2025.08.05
大学の先輩が「童貞捨てたい、エロいこともしてみたい」というので後輩が「オレが手でしてあげましょーか」と言い出して、最終的にお互いに擦りっこするお話です。
大学3年ムッツリスケベ眼鏡×大学2年ノリの軽いリア充と見せかけて先輩が大好き
ちりこ様のパンツ企画【https://twitter.com/so39_1ji/status/1315872770719326208?s=20】にお邪魔させて頂きたく書いたので、えっちな汁で濡れたパンツ・パンツごと扱くやつ・パンツの中で出しちゃうやつが含まれます(好きなパンツ)。
素敵な企画をありがとうございました!
文字数 5,044
最終更新日 2020.10.17
登録日 2020.10.17
兄の湊(みなと)と弟の蓮(れん)の甘い甘い日常のお話。
両親が他界し、二人きりになってしまった湊と蓮は、お互いが好きすぎるあまり···!?
ショタ兄弟がいちゃいちゃするだけの非常に緩い作品です。健全もあり、エロもあり。
弟攻めと兄攻め両方あります。
兄攻めのR-18には※を、弟攻めには✱をつけますので、よろしくお願いします。
この作品は僕が現在作成しております『見えない「愛情」と「幸せ」を求めて』という作品が、かなり重めなため、作者(僕)が病んでしまわないようにこの作品を不定期で更新していきます。(ショタコンなので病みかけも解消できる···はず)なので、かなり投稿期間が空く可能性があります(´;ω;`)気長にお待ちくださるとありがたいです。
文字数 3,944
最終更新日 2023.11.20
登録日 2023.11.02
かつてない脅威が世界を覆う中、伝説の狙撃手「ゴースト」は闇の中から現れる。冷徹で無口な彼は、数々の任務を完璧に遂行し、その名を都市伝説として残してきた。しかし、今度の敵は一筋縄ではいかない。国際的なテロリスト、ヴィクター・カザロフが手に入れた核兵器が、全世界を脅かそうとしているのだ。
そのカザロフを守るために雇われたのは、かつてゴーストと命を奪い合った狙撃手、レイヴン。互いの腕を知り尽くした2人の死闘が、世界の運命を左右する。ゴーストは仲間であるCIAのエージェント、アレックス・カーターやMI6のリサ・グリーンと共に、カザロフの陰謀を阻止すべく、命がけの戦いに挑む。
狙撃手同士の緊迫した駆け引き、命を懸けたミッションの行方、そして暴かれる過去――。「影の狙撃手」が描き出すのは、極限の状況で人間の本質が問われる瞬間だ。世界を救うために、ゴーストは再び闇に身を潜める。
ダークでスリリングなアクションが織り成す、戦慄の一冊。狙撃手たちの影が交錯する中、最後に生き残るのは誰か?
文字数 2,072
最終更新日 2024.08.22
登録日 2024.08.22
人間界と魔界を隔てる巨大な「関門」。その人間界側の関所近くに佇む喫茶店「魔界の雫」のマスター、クロウは、魔界の秩序を守る「関守」という裏の顔を持つ魔物である。
彼の監視役として店を訪れるのは、警察庁対魔課のエース刑事、朝倉 蓮。互いに敵意と不信感を抱き、「ミルクを入れるか否か」という不毛なコーヒーの苦さで意地の張り合いを続ける二人だった。
そんなある夜、クロウの監視を潜り抜けた元同僚の魔道具職人・ザヴィが、人間界を破滅に導く魔力増幅装置を起動させようとする。世界の危機を前に、クロウは秘密裏の「始末」を、蓮は「逮捕」を目的として、ついに不信の壁を越えた共闘を開始する。
命を懸けた攻防の中、蓮はクロウの冷たい秩序を打ち破り、クロウは蓮を治療するという、関守の範疇を超えた行動を取る。
これは、互いの正義と存在に惹かれ合うことになった、魔物と人間の監視役コンビが、世界の均衡を守るため、夜の街で繰り広げるダークで甘美な事件簿である。
文字数 116,642
最終更新日 2025.12.14
登録日 2025.10.26
新学期中学3年生に進級した主人公のサチ。
親しい友達とは全員バラバラになってしまい早くもボッチに...。
中学校生活で1回も委員会に所属したことが無かった為受験もあるし、内心に書くことを増やそうと思いちょっとした出来心で1番楽そうな給食委員に立候補!!
すると、誰もやりたがらず女子はサチに決まってしまった!
男子の給食委員も決まったがこの男子の給食委員とは全くの面識0!!!!!!!!!!
極度の人見知りのサチは絶対にこの人とやっていけないと思っていたが以外にお互い相性バッチリで...??
中・高生の青春ならではのドキドキが今始まる!!
文字数 1,663
最終更新日 2017.07.25
登録日 2017.07.24
ニンゲンの絶滅に関する説と、人工知能の創る社会の凡てに異を唱えた、革命型の変異種ロマニ。
全体意思と共に生き、それでも〝縄張りの拡張〟と〝暴力〟という、甲人の持つ二つの本能を結び付ける行動には、断固として反対する立場を貫こうとする、結界の守護者トウホ。
甲人国家最大最強の群れを率いて中央に君臨する、群司の王コガネ。
甲人という知的生命体の観察は二日目を迎え、観察の主体であるアスオを取り巻く環境が、少しずつであるが見えてきた。
社会構造だけでは無い。
甲人の有する、特殊な体構造も、アスオの得た知識と共に、少しずつ理解が深まってきた。
甲人にとって死は必ずしも終わりでは無く、人工知能により遺体が回収されれば、身体と生命が再生される事。
再生後、アスオに見られた症状として〝死に惚け〟と呼ばれる、記憶喪失状態が確認され、一定時間(未だ、時間的詳細は不明である)種別及び個体特有の能力を満足に発揮する事が、不可能になってしまう事。
人工知能と直接的に係わりを持つ種には、護衛が付けられ、アスオの種は、その護衛の役割を担う種である事。
そして現時点までの観察に於いては護衛役の種にのみ、体内に、刃物や毒などの、武器として用いられる部位が収納されているらしい事(群れに属さない〝有袋種〟は、護衛を持たず、臭液を発射する器官〝噴射口〟を有しているが、戦闘種と争える程の闘争能力は有しておらず、臭液は主に殺傷被害を受けた時、血液と共に相手に付着する性質のものであると推察される為、例外とする。また戦闘種に於いても、飽くまで現時点までの確認に拠るとする)が解った。
甲人社会の一年は、新生者達の誕生と共に始まり、既存者と新生者が、情報を相互に共有しながら経過していく。
新生者の中から有能な者や群れに必要な種を捜しだし、勧誘するのも、首長たる群司の役割である。
トウホの先代〝マズメ〟の時代からの恨みを忘れずに抱える近隣の群司〝ワラビ〟は、当代群司トウホの群れの運営を妨害する工作の一環として人材の枯渇を狙い、スカウトにより人的資源の先取りを毎年繰り返していた。
ワラビの群れの最強の護衛であるサマタと、記憶を失う以前〝現役最強の一人〟と称されていたアスオの死闘は、辛くも、アスオの勝利で決着したが、そのアスオも、自立できず、意識を保てない程の致命傷を受け、死を待つのみの状態まで、追い込まれていた。
時間は、容赦無く経過していく。
凡ての物理現象の内、最も残酷なものは時間の経過である。
何故ならば、凡ての事件、事故、災害、疾病等の災厄、及び喪失や離別は必ず、時間の経過と共にやって来るからだ。
初めての死、そして再生を経験し、友や主の為に懸命に戦い続けたアスオの生命は、再生から一日半で早くも失われようとしていた。
文字数 98
最終更新日 2022.07.09
登録日 2018.04.25
他人の人生を使い捨てで体験できる近未来
主人公は他人の人生を経験する側の金持ち、自分の人生を売る苦難の人生を歩む貧しい女性
人生の売り買いを通じて、お互いの人生観が変化していく。
文字数 10,601
最終更新日 2020.04.08
登録日 2020.03.27
レイアン王国には代々対立を続ける二家の大貴族がある。両家の末裔である二人は、互いに親である当主より「貴族学院にて相手の末裔を篭絡せよ」との命を受けた。かくして〈氷の貴公子カロス〉と〈人形姫シャルロッテ〉の、冷酷な仁義なき情報戦が始まった。
ただし、両家が一つ見落としていることがあった。それは冷酷な賢才であるはずの〈氷の貴公子〉と〈人形姫〉が、二人揃って恋愛に疎く、奥手でチョロかったことである。
※本作は他サイト様でも掲載しております。
文字数 9,921
最終更新日 2021.04.23
登録日 2021.04.23