「使う 意味」の検索結果
全体で44件見つかりました。
生きることに意味も価値も見出だせないまま、それでも花咲佳は生来の生真面目さ故かなんとなく真面目に生きている。
佳は幼い頃より使う言葉を制限されていた。口にすることも書き留めることも。大学に入学するまでは学校へ通うこともなく家庭教師としかほとんど接点がなかったため、そのことを疑問にも思わなかった。大学を卒業し、小さいながらも自分のバーを開業した今は疑問に感じつつも、なんとなく禁止された言葉は使わないでいる。
ここ最近巷を騒がせている、帰ってきた失踪者たち。首府のあちこちで突如姿を表した彼らは「言祝ぎを探せ」「言祝ぎはどこだ」という謎の言葉を発するとその場に崩れ落ち息絶えた。その体には未知の紋が刻まれていたという。
自分には関係のないことと思っていた佳だが……
神と精霊の国と称される皇国の国家保安省や国防省、自国こそ神と精霊の国だと主張する海を隔てた隣国の鴆、妖精の国と言われるカラ=スラインタ……いろいろな思惑のもと『言祝ぎ』が狙われ始めた。
文字数 24,819
最終更新日 2023.01.12
登録日 2023.01.10
そこそこイケメンだけどどこかパッとしない地味目な高校生、須皇奏翔(すおうかなと)は実は異世界帰りの勇者。
役職は(チート)治癒魔法士だ。
魔王を倒した褒美に女神に異世界と現実世界を行き来する扉を作ってもらい、たまに狩にいくという生活をしていた。
そんな秘密は———彼以外にもある。
学校一の美少女、可愛いクラス委員長、小悪魔な後輩、美人教師……ラブコメの王道メンバーの美少女たちは実は全員、奏翔の勇者パーティーの一員だった!?しかも全員強力な魔法を使うサキュバス!?
彼女たちは異世界で奏翔に買われた元奴隷。そのため、ご主人様である奏翔を慕っている。
サキュバスたちがそれぞれのポジションを真っ当する一方で、自分は陰キャぼっちでひっそりと暮らす……はずなのに、サキュバスたちがご主人様である奏翔に構ってばかり!
さらに奏翔に酷いことをするならば、容赦するはずなく——
「俺、暇だなぁ……まあ暇なことはいいことだ。俺は気楽に暮らそう」
異世界でも現実でもある意味無双する、チート高校生躍をご覧あれ!
文字数 2,378
最終更新日 2023.04.26
登録日 2023.04.26
さすがに黒魔王の右腕は無理です勘弁してください
いつもと変わらない毎日だと思っていたら‥‥異世界転移!?
ある日高校の授業を居眠りしてしまい、気がついたら魔族と人間が戦争を繰り返す異世界へ来てしまったさくら。その世界では魔族の王である黒魔王の信頼する部下、つまり黒魔王の右腕、エステルという美少女になっていた。
黒魔王の右腕と言っても、さくらはただの女子高生。黒魔王の役にも立てないし人間との戦争もしたくないさくらは黒魔王にクビにしてもらうよう頼むが‥!?
さくらが黒魔王の右腕エステルとしてがむしゃらに異世界で生きる中で次々と明かされる黒魔王の暗い過去。黒魔王たちが使う謎の技《帰神》。本物のエステルの行方。さくらがここに来た意味‥‥。
非力な少女が奮闘し異世界で生き抜くこの物語はこの先どう繰り広げられていくのだろうか‥‥!!
登録日 2020.05.09
お気に入りに追加
0
改変後の本伝はこちらです!→https://www.alphapolis.co.jp/novel/804481443/431455350
――最強の竜魔法を使う少女は、血染めの破壊令嬢となって帝国に叛逆する!
二九六番。
それが、少女の名前だった。
帝国の大地下都市、その最深部でボロ雑巾のように扱われていた少女は、やがて瀕死となって処分が決定される。
そんな折、突如、少女は草花が広がる楽園のような場所に誘われる。
そこで、一匹の老いた竜と出会う。白く彩られた美しい竜は、少女に問うた。
『――お主は、死にたいと思っておるのか?』
自分を取り巻く感情の意味が分からない少女は、しかし竜が紡いだ言葉を聞き、自分が恐怖に涙していることを知る。そして、竜は少女に言う。
『お主は、お主の願いを見つければよい。望まずして死ぬというのなら、せめてお主が望むかたちで死んでほしい。……それが、儂の願いじゃ』
己の願いが分からない少女は、竜に願われて力を授かる。
――龍の巫女、十七代目の継承者。神聖種族が一種、『聖天竜』より授かりし竜魔法。
この世で身分を分ける唯一の手段――魔法。少女はいつしか剥奪された名前を呼ばれ、戦う術を持ち、死の際から返り咲く。
そうして、奴隷の叛逆が始まる。
やがて、地下都市に蔓延る強大な敵の数々を倒し、少女は地上に這い上がる。その先で、少女はフォーツェルトの家名を持つ男勝りな美女剣士――セチアと出会う。
これが、運命の出会いとなった。公爵令嬢の立場を嫌うセチアに匿われることとなった少女は、その見返りとしてセチアの代わりに公爵令嬢の役割を任じられた。それもまた、国家に叛逆するために重要な手札となる。
同時に、セチアは語る。
「――この屋敷の仲間と、そしてお前と共に、私はこの力が全てだっていう血みどろな世界を変えてやるのさ」
これは、一人の奴隷少女が莫大な力を授かり、一人の令嬢と出会って始まる叛逆の物語。
少女の名は、アヌリウム。
竜の巫女であり、破壊令嬢こと――アヌリウム・フォーツェルト。
文字数 13,632
最終更新日 2021.01.08
登録日 2021.01.04
「ゲームに参加するだけで60万円」
金欠に喘ぐフリーターである僕は、その怪しげな求人広告に飛びついた。
最新のテクノロジにより実現された、完全没入型MMO「The Cursed Kingdom」。そのβテストの被検者として1ヶ月間ゲームの中で過ごし、それが終われば60万円でしばらくは贅沢三昧――のはずだった。
しかし、1ヶ月経てどもゲームから出られないことを明かされた僕は、同じ境遇の仲間たちに助けられ、現実世界に戻るための冒険に乗り出した。
ログアウトはできず、ゲーム内での死が現実世界での死を意味する過酷な環境の中で唯一、僕たち“サンプル”に許された特別な力――それが、チート能力だった。
でもチート能力を使うにも、何故だか努力が必要で――。
何故、現実世界に戻れないのか。
何故、チート能力が使えるのか。
僕たち――“サンプル”とは、一体何のために集められたのか。
その答えに辿り着いた時、忌まわしいこの世界の秘密が明らかになる。
文字数 123,350
最終更新日 2019.06.23
登録日 2019.05.28
ー君たちは我が学園の宝だーこの言葉の本当の意味をあの時の僕はまだ知らなかった。私立梅川学院高等学校――近年難関大学への合格率を急激に伸ばしている進学校。中でも、本校生徒が一度は使うことを夢見る教室、「S自習室」がある。成績上位50名のみが使用することが許されるS自習室利用権をめぐって、ごくごく平凡な高校1年生、片山 律のS自習室使用権防衛記が今始まる。
文字数 14,300
最終更新日 2022.10.10
登録日 2022.10.09
4月から友達同士で小説を回して書いていると、いつの間にかノート2冊分にまでなっていたので投稿しました。
内容はファンタジーです。たまに、友達同士でのリアルでの会話シーンを挟みます。プロローグから意味不明ですが、どうか読むのをやめないでください!
第1章からやっと少しずつ面白くなるはずです!お願いします!
なお、回し小説をそのまま投稿するので誤字脱字や文章力がひどいです!
あまりにも酷すぎるので、ぜひ感想でツッコミを入れてください!
この小説を読んだ他の人の感想を知りたいという理由もあり投稿しました!
できるだけ返信したいと思っています
感想も気を使う必要はありません!
『更新頑張ってください』から『分からないことへの質問』、『文章力無さ過ぎだろks』といった辛口まで、どんな感想でもいいです!
また、一洸と螺旋巻ビゾンは同サイトアルファポリスにて他の作品を書いています。ぜひそちらのほうも、読んでいただけると幸いです
一洸の作品 『剣と魔法のチートもらったら銃と科学の世界に転生させられたんだが・・・』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/845307494/510138289
螺旋巻ビゾンの作品 『異世界生活に安らぎを求めて… 』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/581350134/999141598
文字数 8,639
最終更新日 2017.10.21
登録日 2017.10.14
異能の一族の娘、イーリス。その力は当主である兄と比べ余りにちっぽけだった。追われるように里を出奔したイーリスは、素姓を隠し、しがない調剤師として細々と暮らすことに。
そんなある日、薬の素材を探しに入った森の中で、ぶかぶかのシャツを纏っただけの奇妙な出で立ちの子供に出会う。
放っておくこともできず街に連れて帰るが、その子供は人間嫌いで故郷から出てこないはずのエルフ、それも黒魔法ジャンキーのダークエルフだった。
慣れない子供の相手に悪戦苦闘し、軽い気持ちで「黒魔法を使う時は許可を取る」「街の中では手を繋ぐ」などの約束を交わすのだが……
「いやいや、待って。ダークエルフは約束を決して破らないって、そんな話、知らないから!?」
これは図太い貧乏調剤師と小さな……はずのダークエルフの、ある意味目まぐるしい日々の記録である。
文字数 291,132
最終更新日 2021.02.02
登録日 2020.02.06
没とは:
①案を採用しないこと
②それがない意を表す
③死ぬこと
意味の分からない物語の寄せ集めです。
使えそうなアイデアがあれば短編長編に使うかもしれません。
文字数 29,863
最終更新日 2022.01.24
登録日 2022.01.11
彼氏とケンカした日。
いきなり、私は知らない場所につれてこられた。
異世界の聖女? 光の精霊? 意味がわからない。
それに、私は彼にまだ謝ることが出来てない。
うちに帰らなきゃ。
スマホ……圏外だ。どうしよう、返事をしないと、嫌われちゃうよ!
私は聖女なんかじゃない。
これは聖女として呼び出されたけれど不完全な少女と大切な物を失った王子、そして剣ばかり使うある魔法使いの物語。
裏側なのでこっちはちょっとツラくて切ないお話です。
小説「私は聖女じゃない?じゃあいったい、何ですか?」の別(聖女カナ)視点の物語です。本編完結しました。そちらもよろしくお願いします。
この作品は小説家になろう様カクヨム様でも連載中です。
文字数 55,975
最終更新日 2021.03.20
登録日 2020.08.13
「はぁ〜…あち〜」
何もかも溶かしてしまいそうな暑さの中、時々なぜこんなところではたらいているのだろうと思う時がある。
昔から人の言われたことを聞くことが苦手だった俺は、親だけならまだしも小中と学校の大人達の話もろくに聞かずに自分勝手に生きていた。
そんな人生を歩んでいたら中学を卒業した途端、親から勘当され中卒で肉体労働の仕事に就くことになった。
あいにく力には自信があったため最初の方はそこまできつくはなかったが、さすがにこの暑さには弱音が出る。
正直、今からでも逃げ出したい。
そんなことを考えていたら休憩の時間になった。
金がない俺でもスマホくらいは持っている。
休憩時間は体力の回復さえはできるが、なにかと暇だ。
なので俺はスマホを開く。
すると見覚えのないアドレスからメールが送られてきた。
どうせいつものよく分からない商売メールだろうが、なにせ暇なためちょっとそのメールを開いてみることにした。
「余命宣告についてのお知らせ」
「?」
意味のわからない文字の羅列に久しぶりに体より先に頭が動いた。
そもそも俺は余命宣告を受けるほどの病気なんて患ってないと言うか患ったことがない。
とりあえず内容を読んでみた。
「おめでとうございます!!
こちらのサイトは世界で10人の方にしか送ら
れない超貴重なサイトとなっております。
内容としては、下記のURLを開くことでこの
スマホの持ち主の方の余命がわかるものとな
っております。尚、余命を知ったことによる
精神変化や体調不良などは一切責任を負いか
ねます。自己責任でお願いします。」
そしてその下にURLがある
「…ハァーハッハッハッハハッハッハッハ!!」
内容が最初から最後まで胡散臭すぎて思わず笑ってしまった。
更にもう結果はわかっていた。
どうせ下記のURLを押したら詐欺まがいのページに飛ばされるのだ。
こんなの騙される方が悪いような気もする。
ふとスマホに表示されている時計に目を移すと、もうすぐ休憩が終わりそうだ。
俺は外の暑さに覚悟を決めて仕事場に戻った。
5時間後
暑さの原因だった日もそろそろ沈む頃になってきて、やっと今日の仕事は終わった。
俺の家はこの仕事場の隣町にあるため電車を使う。最近ではスマホの中にSuicaを入れる人もいる。
俺もその1人だ。
改札を通るためにスマホを取り出す。
その時ふと昼に届いたメールのことを思い出した。
文字数 3,432
最終更新日 2021.08.12
登録日 2021.08.11
華京町(かきょうまち)と呼ばれる町で起こった物語。この町には最強と言われている6つの名門家がある。華京町の6つの名門家と言うことで華京六家(かきょうろっか)と呼ばれている。真宮家はその中の一つで、先祖代々風の魔法を使うことができる名門家。今でも長い歴史を持ち、道場をひらいている。
純はその家の次女として生まれた。
ある日純が部屋を掃除している時に出てきた淡いピンク色の石。
出会ったある男の子から貰ったものだった。だが、その時の情景は思い出せるのに、肝心の男の子の顔が思い出せない。
あの石を見つけた時の胸が熱くなって、ドキドキするような不思議な感覚。
この感覚の正体を知りたくなった純はその男の子を探すことを決断する。
文字数 12,261
最終更新日 2019.03.25
登録日 2019.03.23
「お姉様ってぇ、未だにゲーム機で遊んでるのねぇ。
ばかねぇ。もうゲームはPCで遊ぶ時代よぉ。
カナリーナは病弱で精神も弱いからぁ、そんなの無理ぃぃぃ!!!
お姉様って生きてる価値もないのにぃ、精神が強いというか図太いというか図々しいというか。
はぁ〜まったくあきれちゃうわ〜。
お姉様なんて早く死ねばいいのにね!!
あぁ、お姉様って学もないから文字が読めないのねぇ。
じゃあ文字が潰れててもどうでもいいわねぇ。
その意味のない眼球2つ潰してあげましょうかあぁ。
その機能してない脳味噌も潰してあげよっかぁ。
カナリーナは病弱だからぁ、頭を使うわぁ。
病弱だからこそぉ、人より頭を使って生きるのよぉ。
お姉様はぁゲーム機どころか〜脳味噌使わないならスマホで延々画面ぽちぽちしてればいいんじゃないのぉー!?
勝てなかったらぁ、お金つぎ込んで強くなって勝てばいいんじゃないかしらぁ。
それで勝ってぇ、嬉しいのぉー?
時間の有り難さが分からないならもう死んだら?
じわじわじわじわ、苦しみながら死なせてあげるわぁ」
「お前のようにゲーム機でゲームをする聖女とは婚約破棄だ」
「俺様は真実の愛に目覚めた」
「なんで、俺様がお前のようにゲーム機でゲームをするような聖女と結婚しなければならないんだ」
「俺様は、お前の実の妹のカナリーナを愛している」
「はぁ、婚約破棄ねぇ。まぁ慰謝料は貰うわよ」
「お前を救いに来たヨハンナ」
自称病弱でPCでゲームを遊ぶだけでマウント取ってくる妹にもPCでゲーム機遊ぶだけでマウント取ってくるお父様お母様に虐待されてましたが、
妹もお父様お母様も元婚約者もざまぁ断罪してやりイケメン伯爵に溺愛され幸せに暮らしています。
毎日ゲーム機でゲームを好きなだけ遊ぶスローライフを満喫しています。
毎日好きなだけゲーム機でゲーム出来るなんて最高ですね。
虐待されてもゲーム機でゲームを遊び続けて、生きてきて、やっと報われました。
私はこれからは幸せです。
有能なイケメン執事も強いもふもふもいるので、私はゲームに集中できます。
文字数 3,681
最終更新日 2021.12.31
登録日 2021.12.30
生きているもの死んでいるものに関わらず大なり小なり魔力をその身に秘めているものだが、それを上手に活用することが出来るモノは限られている。生まれつきその能力に長けているものは魔法使いとして活躍する場面が多く得られるのだが、普通の人間にはそのような場面に出会うことも出来ないどころか魔法を普通に使う事すら難しいのだ。
生まれ持った才能がなければ魔法を使う事すら出来ず、努力をして魔法を使えるようになるという事に対して何の意味もない行動であった。むしろ、魔法に関する才能がないのにもかかわらず魔法を使うための努力をすることは自分の可能性を極端に狭めて未来を閉ざすことになる場合が非常に多かった。
しかし、魔法を使うことが出来ない普通の人たちにとって文字通り人生を変えることになる世紀の大発明が今から三年前に誕生したのだ。その発明によって魔力を誰でも苦労なく扱えるようになり、三年経った今現在は日本に登録されている魔法使いの数が四千人からほぼすべての国民へと増加したのだった。
日本人の日本人による日本人のための魔法革命によって世界中で猛威を振るっていた魔物たちは駆逐され、長きにわたって人類を苦しめていた問題から一気に解放されたのである。
日本のみならず世界そのものを変えた彼女の発明は多くの者から支持され、その名誉は永遠に語り継がれるであろう。
設定・用語解説は別に用意してあります。
そちらを見ていただくとより本編を楽しめるとは思います。
「マーちゃんの深憂 設定・用語集」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/863298964/650844803
文字数 110,066
最終更新日 2024.02.11
登録日 2023.12.30
「ぁ、ああ...ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
一人、誰の侵入も許さない不可侵の領域で、彼は泣いていた。
暗闇は体を侵食するも、彼は気にしない。そんな余計なことに気を使うほど、彼に余裕はなかった。
「どうして、どうしてどうして...どう、して......」
弱々しく、女々しく喚く彼の姿はどこまでも惨めで救いようがなかった。
背中を丸め、胎児が如く小さくなる。
「俺が......僕の方が、頑張ってたのに!僕の方が誰よりも疲れてるのに!僕の方が──誰よりも苦しんでいるのに」
──どうして誰も僕のことを見てくれない。
──どうして皆彼のことばかり認める。
──どうして誰も僕のことを分かってくれない。
少年は、孤独であった。
両の肉親を己が魔法で焼き殺し、許嫁も勇者に取られ。
何も、生きることに意味を持てなかった──持つことを許されなかった少年は、ついぞ死ぬことさえ赦されることはなくなった。
あの日、自分が未だに思いを寄せている少女と勇者が本契約を果たすのを見たとき。
少年の中で......何か決定的なものが崩れ落ちる音がした。
人間として生きる上で、最も大切なものは何か。
──それは、目標だ。
『生きている』と、『死んでいない』は決してイコールではない。
人間は、明確な目標があるから、明日に希望を持てる。
随分昔に、少年は夢を見た。
絶望に彩られた人生の価値観を変えてくれた、少女の夢。
少年は......彼は、少女を守りたくて力を欲した。誰にも負けることない、絶対の力を。
そして、いつか自分の隣に少女がいると信じて必死に努力を重ねた。
「それがこのザマだ」
彼は荒々しく吐き捨てる。
彼は、勇者と違って味方を持たない。
......否。
何度欲しいと思っても、出来ない。
悲しいとき、背中を擦ってくれる人がいない。
辛いとき、胸の内を曝せる人がいない。
苦しいとき、気持ちを共有する人がいない。
誰か一人でも彼の側に居てあげたなら...もしかしたら、もう少し違う結末を辿ったかもしれない。
──だが、もう、遅い。
もうじき約束の刻だ。
『世界を救え』
そう言って彼に呪いを掛けた。
世界の『抑止力』として存在するという呪いを。
誰が自分を呪ったのかすら彼は分からない。
思考を、行動を、未来を。
全てを凌辱された少年は運命に抗う術を持たない。
存在を否定され、何もかも失った少年は『抑止力』に成り果てる。
────
表紙の素敵な絵は別のサイトで活動していた時に『渢月さん』という方に書いてもらいました。主人公です。
文字数 1,955
最終更新日 2019.01.03
登録日 2019.01.02
火の国は、生まれた時から、火の力を使う事が出来る。山奥で隠れ住む、相猫 白雪は、他の子供と違い、雪の力を、持っていた。雪の子供は、滅びを招くと言われ、禁忌とされていた。火の国を合わせて、世界は、七つの国に、分かれている。雪人と呼ばれる白雪は、わざわいを招く事は無いと、証明しようとする。これは、自分の生まれた意味を知る、白雪の物語。存在を世界に示す為に、白雪は戦う。仲間と共に。
文字数 35,647
最終更新日 2021.06.19
登録日 2020.05.09
今年も終わりかぁ。俺はそう呟いて布団に潜り込む。明日は雪が降るらしい。寒いので暖房を使う。眠れないのでティッシュをゴミ箱に捨てる。彼女は処女。去年は独りで夜を過ごしたらしい。わかった。二人は対象的だ。この秘密、初対面の人には意味不明らしい。不気味で不愉快。だから孤独。僕ら結婚しても子供を産んでもロンリーホワイトマン。
文字数 303
最終更新日 2023.01.15
登録日 2023.01.15